‘ワークショップ’ カテゴリーのアーカイブ

164ヶ月め_子どもたちとの壁画制作

2024 年 11 月 11 日 月曜日


今日は2011年3月11日から4,994日
713週3日
13年8ヶ月

渋谷区の自分が暮らしているのとは別エリアの小学校からのオファーを受け、
四年生の「街の落書き消しからウォールアートを制作するチーム」17名との壁画制作を行いました。

文科省が進める探求学習のあり方を、渋谷区では日本でも先進的に取り入れ「シブヤ未来科」という名前で、本年度からは区立の小中学校で年150時間、基本午後の授業は「子どもたちが学びたいと思うことを自主的に探求する」探求学習の時間に充てています。

今回の壁画制作もその時間を使って、自分が暮らすエリアで先進事例を創ってきた自分が指名されたということです。
とみがやモデル > https://yakuin-records.com/amigos/?p=15266

もともとこうした多くの人の(子どもたちの)手を重ねて壁画を制作するアイデアは、東日本大震災発災後の被災地を巡る中で、震災からの復旧が進みインフラ整備が行われた始めた頃、発災から5年くらい経ったあたりで、今後必要とされるものを考えた場合、「子どもたちの存在を可視化でき、子どもたちの安全担保のための大人の目が届いているシンボル」としての壁画として考えました。

主役は街で暮らす人。子どもたちは人に対する想像力を働かせながらも、今の自分が気持ち良いと思える絵の具の表現をする。子どもたちがなんども塗り重ねてゆくことで、絵から意味を抜き去り、ただ美しいものとしての壁が出来る。
もし落書きされたり自然の力で色褪せたとしても、また上から子どもたちが描けば良いという、サスティナブルな発想も盛り込んでいます。

しかし、こうしたアイデアをボクが自治体や地域に売り込むことはせず、そこで暮らす人たちの合意形成の元、自分に地域づくりの課題解決のオファーがあった際、ひとつのアイデアとして提案する。そんなプロセスを大切に考えています。

ただ、待っていてもそうした話は来ないので、コミュニケーションの扉を開けつつフィールドワークを重ねるような活動をしている今です。

今回の4年生とのプロジェクトは、これまで自分が大切にしてきたプロセスの取り方とは違い、ある程度子どもたちの活動が進んだ状況に呼び込まれたので、これまでに無い難しさがありました。
(これまで簡単だったことはひとつも無いのだが、)

今回、子どもたちとは4度のセッションを行ったのだけど、その初回、顔合わせから簡単なワークショップを行うところで、子どもたちの様子が、いつも自分とセッションをしている地元エリアの子どもたちと違うなと。

みんなすごくクレバーなんだが、過度に失敗を恐れている印象。
もしくは、正解を求めることにエネルギーをかけているのかなと。
自分からの投げかけに対して、それは紙になんの意味もない一本の線を描くだけのことなんだけど、
少なからず子が線を描いては消しゴムで消して、何か正解を求めようと振る舞う。結果着彩まで進めた絵は、どれもその人らしさがシンプルに現れた愛しいもので、
この「その人らしさ」を確認し、足場とすることで「人がハッピーになる表現」が出来る。
ということなんだが。

自分のセッションは、紙の上での失敗はウエルカム。 

しかし、失敗だと思う事に発見あるよね。
失敗が思いがけない自分に出会わせてくれるよね。
思いがけない自分、それは実はホントの自分である事が多くて、
その自分が気持ち良いと思えることやってみよー!
そんな気持ち良い自分がホントに学びたいことって何?
それを仲間の数だけ集めて、その時その時で必要とされる事に合わせて編集して、
関わるみんなのマックスの力で形にしてみよう!
ということ。

ちょっと萎縮しちゃっているように見える子どもたちと出会い、
あらためて探究学習について考えてみると。
まず、
探求学習のことを頭の良い人が先回りしてパワポに分かりやすく詳細にまとめたものを見ると、
これは学校の現場に要らぬ負荷を与えてしまのだろうなと。
観念的にはとても正解でとてもパラダイスな内容なんだけど、
学校の現場のリアリズムに対する想像力が追いついていない印象。
現場のリアリズムって、ほんとに熱心に取り組んでくれている先生や俺みたいなアブナイおじさんが、
子どもたち1人ひとりとの地道にミュニケーションを重ねる先で、
ポタッと「ひとしずく」搾り出されるようなもの。
そしてその「ひとしずく」に気がつくかどうか。
トゥルンとモチモチ口当たりの良い皮は作れても、
餡の素材買い出しからレシピ構築、適切な調理、ガスや水道のインフラ整備のようなことなどなど、
ほんと現場の地道なそれこそ探求とスキルアップが必要になってくる。ただ、それをやり切ることで、
子どものたちは子どもたちの数だけ「しずく」を搾り出し、
大人では思いつかぬ方に向かって飛び散り、
美しい壁画になるんよ。

探究学習シブヤ未来科の落書き消しチーム17名、4年生1人ひとりの気持ち良い色全部絞り出せたんじゃないかなと。
子どもたちが去ったあと1人で片付けしてると、街の人から「ありがとう」って何度も声をかけられた。

4年生、やったね!

子どもたちの学びと誇り、街の人たちの「ありがとう」と街を歩く安心が、大きなお金をかけることなく達成できて、サイコーだぜ。

何より、お互いの食い違いに切れる事なくコミュニケート続けてくれた先生方、
まじでリスペクトです!
子どもたちの善き未来には、愚直なコミュニケートの積み重ねも必要。

直島セイラーズクラブでのワークショップ

2024 年 11 月 11 日 月曜日


瀬戸内の直島で子どもたちと3回のアートセッションを行いました。

今年10月8日と9日の二日間で、
昨年4月に続いて直島の凄すぎる放課後児童クラブ”直島セイラーズクラブ“をベースに、
今回は直島小学校6年生のクラスでもセッション。

昨年の開催は『アメリカとイギリスの慈善活動家たちが日本各地の文化に触れる旅を楽しむ』『その行程の中には震災被害に遭った福島と神戸、そしてアートの島として海外でも有名な直島が組み込まれていて、それぞれの地域や子どもたちの未来に対する投資を行う』というツアーに組み込まれたひとつのセッションとして、セイラーズクラブを紹介されました。

日本での先進的な事例となった昨年の様子> https://yakuin-records.com/amigos/?p=15700

今年は、去年の試みを楽しんでくれたセイラーズクラブを運営するみなさんが、運営費をかき集めて実現してくれるアートセッション。

自分は昨年の思い切り振り切ることが出来たセッションの振り返りと、それでもやり切れていなかったであろうことの確認も含め、お話しを頂いた瞬間に「行くよ!」と。

結果「行ってよかった〜!」でした。


1年半ぶりのセイラーズクラブ。
「ひさしぶり〜!」とドアを開けて入ると、当然放課後の子どもたちがいるのだけど、
その子どもたちの雰囲気が去年と違っているのが一瞬で感じられました。

その変化はもちろんポジティブなもので、それを言葉にするのはちょっと難しいのだけど、
あえて言えば「1人ひとりの個性が立って感じられた」ということかなと。


昨年出会った当初の子どもたちは、1学年30名前後の規模の学校と学童に通う「直島小学校の子どもたち」という属性を強く感じ、さらに1人ひとり割り振られたようなキャラ設定があるように思えたんだよね。

それがセッションを重ねる中で徐々に溶けてゆき、1人ひとりの個性が滲み出るようになり、一部の子どもたちは個性が際立って感じられるようになった。

ただまあ「一部」なわけで、ちょっと後ろ髪引かれるような気持ちで直島を後にしたんだった。


それから1年半後、自分の懸念を払拭するような子どもたちの姿に出会えた。

それは、去年自分がここにこれて良かったと思えた以上に、
その後この場所のスタッフの皆さんが子どもたちに気持ちよく接し続けてくれたってことだよなと。

これと同様の変化は、2017年から2021年に福島県奥会津エリアの柳津の子どもたちとのセッションで経験したことがあります。
https://yakuin-records.com/amigos/?p=15157 ←ローカルでの子どもたちのあり方に、それを見守る大人の振る舞いがどれだけ重要か気づけるはずなので、ぜひチェックしてみてください。

柳津での子どもたちの変化が4年間の間にあったことに対して、
(自分は途中経過をちゃんと見れていないのだが、、)
直島では1年半の間で劇的な変化を感じられた。

それはこの場所が、子どもたちのお母さんたちが問題意識を持って自主的に行われているってことなんだろう。

そもそもこの立派な施設は、お母さんたちの希望が形になったもので、
その建設から運営の財源もお母さんたちが働きかけて助成を受けたものだってこと。

その「自主的運営」というある種危機感と背中合わせのマインドが、
「子どもたち」という目的からブレる事なく運営する力になっているんだろう。

放課後児童クラブであるセイラーズクラブは、2023年に運営が始まったのだけど、
元々は「直島キッズポート」という子育て支援団体の運営を2020年に始めたことから、
子育て支援の発想が地続きで繋がり、地域の必然に応える形で生まれたもの。

キッズポートの代表理事を務めキレッキレの小学6年生女子のお母さんでもある江幡さんは、
コロナ禍で生活が変わったことと、元々の問題意識が噛み合ったことで、
仲間を募りこの事業を始めたとのこと。

江幡さんはじめ移住者の多い直島では、問題意識の高い方が多いはずだけど、
それを取りまとめるための「話を聞く能力」が高いんだろう。

それは日本各地に散らばって存在する、自分がリスペクトする地域作りのキーパーソンが持つ能力。

ただそうした1人ひとりはとても強い我を持つ人でもあるのが面白いから、自分は惹かれるんだろなと。

目的がなんであるのかの適切な判断の元、強い我を振り回す事なく人の話を聞き、課題解決の道を切り開く。

自分のような美意識を持って破壊的な現場作りをする者を呼びつけてくれる人は、
まあみんなそういう人だなあ〜と、今回直島で実感。

で、江幡さんに限らず、この現場に立つ人たちはみな、
「それやっちゃダメ!」では無く、
「それよりこっちの方が面白くない?」という問いかけの元、子どもたちと接している。
(これに関しては、昨年のセッションが活かされていたら嬉しいぜ)

小さなコミュニティの中でのキャラを演じ、だんだんと「失敗しない」ことが目的になってしまうのは、
大人も一緒ではないかと思うのだけど、

そうした生きづらさを自ら変えてゆく手段としても、
子どもたちが気持ちよく生きられる環境作りを目的に活動する。
ということは、これからの社会作りの中でマストな行いです。

それを関わるみんなの日常として続けてきたのがこの場所で、
そんな大人たちの奮闘が、見事に子どもたちの表情と指先から感じられた2024年10月

直島で唯一の小学校、直島小学校6年生とのセッションでも、
学校とセイラーズクラブとの風通しの良い連携が感じられて、
これは子どもたちも親御さんも安心だろうな〜と。

6年生を前に訳わからぬこと語り倒した後、
子どもたちの直島自慢をシンプルな線と色で表現してもらったら、
さすが瀬戸内の子どもたち、シャバシャバに美しい海の青色を心に纏っているんだね〜。

もしくは、
「部屋にいることが楽しい」とか、
「読書が楽しい」とか、
大人が勝手に思い描く直島の魅力とは別の場所で、
子どもたちは生きている。

数名の男子くんたちが笑顔で語ってくれた「直島の楽しかった思い出」が、
「仲間と乱闘したこと!」だって。

いいな〜!子どもたち。

そして、子どもたちの表現はみんな美しかった。


その後のセイラーズクラブでのセッションでは、
去年やり残したことを少人数でチャレンジ出来て、
ある子どもから「楽しい」という言葉を聞くことが出来て、ちょっとホッとした。

直島に暮らしていても、実はアートに接続するような機会は少ないという子どもたち。
(港に置かれた草間彌生さんのカボチャは日常の風景だけどね)

でも、本来とても気持ちの良い場所で生きている子どもたち。

この「きもちい」や「たのしい」は、
もしかして島の外に出て暮らすことになった場合でも、生きる力になるんよ。

ということを、この場所のスタッフのみなさんと共有して行うことの出来たセッション。

もちろんやり残したことはあるはずなので、
必要と思うことがあれば遠慮なく伝えてくれよ〜!

キッズポートのアイコンは「灯台」
いつかセイラーとして社会に漕ぎ出す子どもたちにとって必要な灯台。


2024
1008
1010
PEACE!!

これは、
顔のパーツの特徴を1つひとつ言葉で伝えて、モンタージュ的に仕上げるセッションの作品。

 

163ヶ月め_能登へ

2024 年 10 月 19 日 土曜日


2024年10月11日は
2011年3月11日から
4,963日
709週
13年7ヶ月
163回目の11日です。

この日は富山の美術館のセレモニーに出席。
次の日、10月12日は輪島の門前町鹿磯を目指しました。


富山から朝一の新幹線で20分ちょっとで金沢まで。
7時50分穴水行きのバスで移動。
いや、
ダイヤが変更されこの時間のバスは無し??

震災と豪雨被害の混乱はこんな場所にも現れて見えます。

しょうがない、1時間後の特急で七尾まで、
そこからさらに穴水まで。

途中途中でブルーシートを被った家が見られ、
まだまだ「あの日から9ヶ月ちょっとの能登」です。

乗り換えの七尾は、3月11日に行った時から比べると、
息を潜めた感じが若干和らいだ印象もありますが、
地震で歪んだ街並みは変わらずでした。

ただ三月は土砂降りだったのに対し、
この日は気持ちの良い秋晴れ。

能登に疎い自分にとっては、この天候の違いを体験出来たのは大きい。

そしてあらためての能登は美しい場所だと思うばかりの風景を抜けて穴水へ。

震災後の東北でのフィールドワークでも考えた「人はなぜここで生きようとしたのか?」

それはすれ違う風景の中に大きな答えが詰まっていました。

併せて、東北の太平洋沿岸で津波がさらってしまった風景を想像もした、
やはり能登に来てよかったと思える鉄道移動。
(もちろん能登でも津波被害は甚大であることを認識した上でね)

ボランティアは無理という人でも、能登こんな風景に出会ったらいいと思います。


穴水から輪島子門前町鹿磯までは能登半島を横断する形で20km弱。

東北のフィールドワークでは歩いたり走ったりして向かった距離だけど、
今回はバスで、
いや、バスの本数少ないなあ〜、、

しょうがないタクシーで、
門前町の核となる總持寺まで30分ほど6000円で向かいました。


途中、所々で道路の補修工事が行われていて、
何ヶ所かは土砂崩れのリスクを感じる風景にも出会いました。
ただこのルートに関しては現在「分断」はされておらず、
スムースに總持寺に到着。

タクシーを降りると寺街には賑やかな民謡が流れていて、
観光で訪れた方の姿も見られ、
その向こうからは復興作業の重機の音が聞こえてきます。

ここから鹿磯までは4~5キロの距離。

通り雨に降られたり、強い日差しに煽られたり、
能登自然の多様性を感じながら歩きます。


能登色彩、もしくは光は、
やはり能登だからこそのものなんだろう。

日本の他のエリアで感じたことの無い独特の美しさがあります。

ああ、これなら「私はここで生きよう」と人間は思うよな。


しかし、その自然は人を苦しめ、大切なものを奪ってゆくものでもある。

自分はこれまで「被災」を切り取った写真をシェアすることをなるべく避けてきました。

それは、元々その土地に暮らす人を知らずに足を運んでいたからで、
「簡単に痛みを分ったような振る舞いをしてはならない」という考えからだったでしょうか。

しかし、今回は昨年能登で出会った愛しき人たちの存在があり、
これまでとは痛みの想像の仕方が違うなと。

能登で誠実に美しく生きる人たちが、
これまで大切にしてきた生活の風景が歪んだまま置かれていることは、
どれだけこころを苦しめることだろうか?そんな想像もしながら歩いていました。


(もっとたくさんの痛ましい写真も撮影しましたが、まずはこの歪み感をシェア)

歪んだ先にはギシッと並べられた仮設住宅。
その前の海は地震による隆起でとても遠くに行ってしまったように見えます。

今後はさらに「復旧」と「復興」と「再生」と「新生」の考えが交差した、
正解のわからぬ議論が多く交わされるでしょう。

ただ「ここは美しい場所だ」と知っている外者の存在も心の片隅に置いて頂き、
建設的な会話を重ねていって頂けたらいいなと思います。

そして目的地、食堂「杣径」に到着。


オーナーで輪島塗の塗師 赤木明登さんのご依頼で、
この店の広告を制作した自分です。

しかし、9月3日のオープンが1週間ほど遅れたり、
開店後すぐに豪雨被害が能登を襲ったりで、
ともかく現場を一度見てから自分の仕事を振り返りたいと考えたこの日です。


ランチは2000円のコースのみ。

だけど、シェフの北崎さんのご飯が2000円は、安い!!


「杣径」のことに関してあらためて言葉を盛ってしまわぬよう、
その時のSNSのポストをそのまま掲載します。

直島まで行ったら能登に行かない理由は無く、美味い昼メシ食って東京に帰ろうと、
輪島の門前町鹿磯の食堂「杣径」へ。

ああ、この空間。
1年3ヶ月前はここでイーウェンさんのトマトの卵炒めをご馳走になったんだ。

そして今日、「杣径」の北崎さんの料理をただただ楽しんでる。

地震に豪雨被害と色々大変。
自分の様な者が思考停止になる風景にも出会う。

しかし、「被災」とは潰れた家屋の写真じゃ無いぜと。

これは東日本で確信したことなんだけど、
自分は何か美しく人の気配を感じるものへの視線を大切にしてゆくのだ。

その視線をさらに確かにしてくれる北崎さんの料理。
肌があうなあ〜

3月に金沢での仮営業の「杣径」で食事をした際、
能登と金沢での水の違いがすごく良く分かった北崎さんの料理。

昨年7月以来の能登での食事は、やっぱ「ああ、能登の水だあ〜」って、
それくらい繊細で、実は大胆。


ああ美味しい。いや楽しい!
こりゃ日本酒呑まないわけいかねーじゃん。


食事を終え外へ。
「家と家の間からキラキラ光ってみえる海が、いいんですよ〜」と語る北崎さんこそ、
この場所でピカピカ光る灯台のようだと思ったよ。

能登、またね!
応援する以上に、愛してます。

以上。

「杣径」は夜の営業も予約を受け付けていて、
いろんな場所から人が駆けつけてくれているみたい。

大震災を目の前に多くの日本人が無力感に襲われ、
なんなら潰されてしまうことはあります。

大震災の復興に対して無力なひとりであっても、
その土地にひとりでも友人を得ることは、
後々その土地や人の大きな力になることは、
自分が東日本で実感してきたことです。


美しきものからちょっと目を転じるだけど、
絶望的な風景が目に入る現状に変わりの無い今。

しかし、美しさを頼りに創り上げるべきものは必ずあって、
それに関して誰もが恐れることなく前に進めばいいし、
もしそれで迷いそうになっても、
たとえば能登には「杣径」が灯台のようにして導いてくれるのだと思いました。

 

今日から2日間群馬の前橋でコーヒーマーケットが開際されます。
ボクは10月20日に能登チャリティ似顔絵自分塗りワークショップを開催します。

1,000の参加費で、自分が似顔絵を描き、色は自分で塗る楽しい企画です。
チャリティのドネーション先は赤木明登さんが手がける
「小さな木地屋さん再生プロジェクト」に充てます。

能登地震と豪雨被害で輪島塗はかなり厳しい現実を突きつけられています。

たくさんの職人が力を出し合い完成させる輪島塗は、
構造的に高齢者の職人さんに守られてきました。

そこに今年の大災害。

重篤な被害に遭われたことで、仕事の継続を諦めてしまう現実があります。

その現実に対し、素早く行動を始めた赤木さんの活動を支援することは、
輪島の小さな灯火をみんなで守るようなことだろうなと。

しかし、この小さな灯火はとてつもなく熱い。

というわけで、
ボクは10月20日に群馬の前橋で輪島の灯台を務めるわけです。

みどりのはなわワークショップと展覧会

2024 年 8 月 22 日 木曜日

「みどりのはなわ展覧会」
2024年10月18日(金)-11月10日(日)
10:00~16:00
旧花輪小学校記念館
〒376-0307 群馬県みどり市東町花輪191
☎︎: 0277-97-2622
駐車場:10台

入館料 (記念館すべての展示を見ることが出来ます)
・一般_200円
・小中学生_50円

ワークショップ&展覧会の詳細問い合わせは小池まで
cez15300@syd.odn.ne.jp 

10月5日、6日に旧花輪小学校記念館で開催した「小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ」で生まれた作品90点と、小池アミイゴの花の絵を合わせた展覧会を、旧花輪小学校記念館の展示室で開催します。

ワークショップのお題は、
大人には「花輪やみどり市での楽しかった記憶」
子供には「花輪やみどり市の好きなもの教えてー!」

シンプルなテーマに対し、さらにシンプルな1本の線で表現された「その人ならではの絵」は、花輪はじめみどり市の真の美しさと生きる喜びを感じてもらえるはずです。

旧花輪小学校の古く美しい校舎と共に、まるであの頃のキラキラ生徒たちが戻ってきたような展覧会を、ぜひ楽しんでくださいませ。

小池アミイゴ

10月5日(土)
群馬のみどり市の花輪でのアートセッション「みどりのはなわ」DAY ONE.

そもそもこの企画は、コロナのパンデミックの前に「みどり市の絵を描いてください」というオファーから始まっています。

子供の頃から慣れ親しんだみどり市ですが、あらためて取材しると、今まで気がついていなかった魅力をたくさん発見出来ました。
ただそれだけでは良い絵は描けず、ボクはこの土地で共感出来る人と出会う必要があります。
ボクはアートが目的では無く、人と人のコミュニケーションの風通しを良くすることで、地域の力を高め、みんなが望む社会を創ることを目的に、絵というものを利用しています。

しかし、その試みはパンデミックで4年も足踏み。
今年みどり市より花輪でのワークショップのオファーを受けたことで、この美しい山間のエリアの魅力をさらに発見し絵を描くため、また、このプロジェクトの当事者を発見する目的で開催したワークショップDAY ONE オトナセッションです。

結果は予想以上!

誰でも出来る簡単な、しかし自信が気持ち良いと思える表現を重ね、みどり市や花輪エリアの魅力を絵として昇華してみたら、ほんとに美しいものが生まれました。

ボクたちがやったのはただ「1本の線」を描いただけですが、それを元に語られる1人ひとりの「みどりの思い出」が、なんもかもすべて愛しくてね。。

ご家族で参加くださったお母さんが、ご自身で描かれた1本の線をたよりに語り始めた「花輪の魅力」
これはどんなコンサルタントが語ることより生き生きとした、心からの花輪愛に溢れたシティプロモーションになるような内容で、つい「ブラヴォー!」

自分たちの生きてる世界の何が美しいのかを確認し共有した時間。

この日は雨が降ったり止んだりだったけど、それもまた美しい花輪という場所でチャレンジでした。

10月6日(日)
花輪の旧花輪小学校を利用したアートセッション「みどりのはなわ」子どもセッションDAY 2


この美しい山間の町で育った子どもたちはどんな色を持っているんだろうか?

学校の勉強としての図画工作・美術では無いし、先回りして「子供らしさや自由」を押し付けることもせず、ただ子どもたち1人ひとりの違いを楽しみ、1人ひとりのアクションを待つ。そんな自分がずーーっと続けてきたことを、これからまだまだ共に生活してゆいく子どもたちの親御さんと共有した時間。

みどり市、そして花輪の子どもたち、いい色もってるね〜!

しかも山間の花輪で暮らす子どもたちは、やはり花輪ならではの色がある。
麓の大間々の子どもたちは、なんだか柔らかな色を持っている。

そんの1人ひとりの「気持ちの良いアウトプット」にとことん付き合っていったら、

うわ!
静かに黙々と手を動かしていた女の子の鮮烈なピンクに出会い終了!


こうしたことの価値を、子どもたちを見守るオトナが気がつき、楽しんでゆけたら、さらにいい街になるぞ!
そしてこんな絵、3世紀は見続けていられるぜ。



ここまで色々と難しいこともあったけど、結果、集まってくださったオトナからも子どもたちからも、ただただ美しい花輪をいただいちゃったなあ〜と。

そんなこんなここでは紹介しきれないことばかりなので、この場所で展覧会を作ってしまうことにしたのです。
その前に、家に帰って自分も負けじと、とりあえず「みどりの絵」2枚を描いたぞ!



2024年10月5日(土)と6日(日)
美しい、美しい、群馬県みどり市東町花輪の
旧花輪小学校で絵のワークショップを開催します。

「みどりのはなわワークショップ」

・10月5日(土) 
花輪の街歩きスケッチワークショップ
14:00~16:00 (受付開始13:30~)
参加費_2,000円
その後の展覧会を一緒に盛り上げてくれる方ウエルカムです。

・10月6日(日)
みどりのはなわ子どもワークショップ
14:00~16:00 (受付開始13:30~)
参加費無料
汚れても大丈夫なオシャレでご参加ください。

ここで生まれた作品はこの小学校で展示。
ボクの描いた絵と一緒の展覧会を開催します!

*ワークショップお申し込みはフォーム、もしくは電話かメールで

・申し込みフォーム


http://logoform.jp/form/4KaE711028

・電話:0277-46-9067
・メール:chiiki-s@city.midori.gunma.jp
群馬県みどり市 地域創生課 広報シティープロモーション係

*件名「10/5ワークショップ参加」「10/6ワークショップ参加」と明記の上、
お名前、参加人数、日中に連絡のつく電話番号を明記の上、送信ください。


という情報と共に群馬の「広告新聞」でも花輪をピックアップ!

この美しい集落のの魅力、残念ながら全く言語化出来ていないのです。

このエリア、やり方によっては徳島の神谷町のような発展が出来るはずなので、このワークショップをきっかけに、花輪プロモーションの力になれるビジュアルを作って行くつもり。

なんたって「みどり市の花輪」という名前の場所ですよ〜!

「みどりのはなわ」

 

平成の町村合併をした瞬間に、日本のサスティナビリティのトップランナーみたいな名前を得たわけです。
みなさんぜひ、この花の輪の仲間になって下さいね!


フェスタうえとみ2024

2024 年 7 月 24 日 水曜日

27日(日)
11:00~15:00
渋谷区立上原小学校
入場無料_料金の発生するコンテンツや出店あります。

イベント案内

アントニオ古賀フリーコンサート
11:30~ (40分ほどの演奏予定)
上原小学校体育館にて

上富エリアを愛するアントニオ古賀さん恒例のフリーコンサートです。
一般社団財法人古賀政男音楽文化振興財団様のご厚意で今年も実現!
ご子息の音弥さんとの息のあったギター演奏と唄をお楽しみ下さいませ。

アントニオ古賀 _1941年2月26日生まれ

8 才よりクラシックギターを故阿部保夫氏に師事、その後日本歌謡界の頂点に君臨 し、無数の大ヒットを飛ばした故古賀政男の直弟子として名を成し、また名前を頂 いた唯一の弟子。

昭和34年 日本コロムビアより「フラメンコスタイル・古賀メロディ」で鮮烈な LPデビュー。

音楽のみならず数々の社会貢献にも尽力し、 社会法人 全国日本学士会よりアカデミア賞文化部門受賞、 キューバ政府より文化功労賞をはじめ、民間人では初めての連帯大勲章を受章。 2019年2月25日 日本キューバ文化交流名誉大使に就任 芸能生活60周年を迎え益々精力的に活動している。

ヒット曲 「その名はフジヤマ」 「クスリ・ルンバ」など 著書 「泣いたらチンチン切っちゃうぞ」 「音霊」など

日本ラテンアメリカ音楽協会 会長
一般社団財法人 古賀政男 音楽文化振興財団 理事
公益社団法人 虹の会 理事長

音弥 _2004年生まれ。

ギターを阿部恭士氏、益田正洋氏に、サクソフォンを坂東邦宜氏に師事。
第2回イブラ・グランド・アワードクラシックギター部門グランプリ進出。
2024年4月、自身初のギターリサイタルを実施。好評を集める。
2024年8月、自身がコンサートマスターを務める青山学院大学ロイヤルサウンズジャズオーケス トラにて、
第55回YBBJC 最優秀賞受賞。
ギターのみならずサックスも演奏しジャズやラテンなどの幅広いジャンルに挑戦している。

校庭

11:00_開会式

11:20_剣道同好会

12:00_BM CREW

12:50_サンデーズフラスタジオ

13:30_アルファベットキッズダンス

14:00_Sallys キッズダンス

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フェスタうえとみ2024参加団体募集

2024年10月27日(日) 11時-15時
渋谷区立上原小学校 校庭~体育館
主催:青少年対策上原地区委員会

・参加費は無料です。
・団体での参加をお願いします。
・参加希望者には事前説明会を開催します。
・学校の机や椅子などの利用が可能です。
・雨天時は室内で実施。荒天の場合開催検討します。
応募期限:9月15日(金)
参加確定は締切後9月末までに実行委員会より連絡致します。
=申し込み= 
・フォーム _https://ws.formzu.net/dist/S48982510
リンク先の案内に従いご記入ください。

・mail_festauetomi@gmail.com ・FAX_03-5738-5562 担当_菱倉
*お名前、連絡を明記の上、件名「フェスタ参加希望」で送信ください。
*折り返し『参加申込書』を送付します。必要事項を記入しご返信ください。
*参加多数の場合は抽選により参加を拝辞することがあります。
予めご理解の上ご応募ください。


* 出展者会議を10月11日(金)午後6時~で予定しております。必ずご出席下さい。
* 出店場所は校庭を予定しております。(雨天は校舎内で調整予定)
* 使用什器等に関しては10月11日の説明会で確認してまいります。
* 机、椅子、電源等の数には限りがあります。調整をお願いする場合がございます。
* テントは各自でご準備をお願いいたします。
* 前日10月26日(土)午後に行う『校庭の養生等準備作業』に各団体2名の参加を必ずお願いします。
* 各ブースで発生したゴミ類は各出店者でお持ち帰りいただきますようお願いいたします。(ゴミ箱の設置必須)
* 当日の準備および終了後の片付けの分担をお願いします。

「フェスタうえとみ」は青少年対策上原地区委員会が中心となり、
上原・富ヶ谷エリアの子どもたちと地域を結びつけ行う、誰もが参加出来るフェスティバルです。
今年は上原小学校を舞台に、子どもたち、地域の方々が楽しく触れ合える内容を予定しております。
初めての方でもご応募できますので(団体に限る)、奮ってのご参加お願いいたします!


*青少年対策上原地区委員会とは。
渋谷区11エリアそれぞれに置かれた「青少年地区委員」は、
地域の子供達の健全育成を、地域の力で達成出来たらいいねと、
山田 肇会長の元ボランティアスタッフが、学校や保育園、PTAや町会、
民生委員や施設開放委員、青少年委員などなどをまたいで情報共有し、
子どもたちの力になるべく活動しています。


4月14日 前橋でワークショップ開催

2024 年 4 月 5 日 金曜日


4月14日日曜日に群馬の前橋の中央通り商店街のアーケードの下の
無印良品の前で”オトナワークショップ”開催します!

小池アミイゴのだれでも絵が描けるワークショップ
「だれで描ける1本の線から生まれる物語~オトナセッション」

・4月14日(日)
・前橋市中央通り商店街_無印良品前
・11時~ ・14時~ (各回15分前より受付開始します)
・参加費2,500円
*画材等こちらで用意しますので、
手ぶらで、絵の具で汚れてもOKなオシャレで参加ください。

予約フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc4t1JtnjMpGs6HPJwsg6KoXSgpzbgnH-7v2iWEvUO0R1oGCA/viewform

表現することの気持ちよさを体験し、気持ちのよいオトナが増えたらいいなと願い、日本中で開催している絵遊びのワークショップ。

「だれでも描ける1本の線から、1人ひとりに埋まっている美しき物語を表現。終わってみればみんな湯上がりのようにサッパリした顔になれるはずです、よっ。

今回作家の絲山秋子さんの「わたしもやってみたい!」のお言葉から企画スイッチON !!
(絲山さんは11時の回に参加予定)

「わたしは絵が描けないから〜」という人こそウエルカム!
心も体も解放される絵遊び、ぜひご参加ください。

震災後の子どものための絵のワークショップ

2024 年 1 月 21 日 日曜日


絵のワークショップをやるようになって20年以上経ちますが、
2011年3月11日の東日本大震災発災後に「子どものためにワークショプを開催してくれ」との声が増え、
それに対して基本的にすべて引き受けています。

お声掛けくださるのは個人から行政まで様々。

その際「講師料はいくらでしょうか?」と質問を受けますが、
それに対してまず「出来る範囲で考えてください」と伝え、
次に「一度やってまた同じようなことが出来るイメージを持って考えてみてください」と。
もし仲間がいるのなら、そのことを皆さんで考えられ、
その上でお金が無いというのであれば、無報酬でも引き受けます。

このことで重要なのは、自分が報酬を得ることでは無く、子どもたちが笑顔になれること。

こんな確信を持って活動するのは、やはり東日本大震災以降で、
それは未曾有と言われた悲劇に対するボクなりの闘い方なんでしょう。

ただ、こうしか経験は、自分の仕事にリアリティをもたらし、
ボクやボクの家族、さらには自分が属するコミュニティを確かななものにする力になっているはずです。

写真は12年前の3月に気仙沼で開催したワークショップ。
この時は共に行動する仲間を得て、大漁旗に絵を描くワークショップとして開催しました。

その時のワークショップをアーカイブしたブログ
https://yakuin-records.com/amigos/?p=7542
震災から1年後の気仙沼のことも綴っています。
https://yakuin-records.com/amigos/?p=7578

今読み返すと、自分は震災後の混乱の中にあるし、
子どもと向き合い起きることに対して言語化が追いついていなかったことに気づきます。

そもそも全ての現場で行うことが初めて行うこと。

それはどんな状況でもまず飛び込んでしまう自分の良いか悪いか分からぬ資質によりますが、
こうした現場を重ねて行く中で言葉が追いついてきたこともあります。

この時の気仙沼の経験のひとつは、後ほどあらゆる現場で以下のように語るようになります。

震災から1年後の気仙沼で子どもと大漁旗に絵を描くワークショップをやったんだけど、
テーマは「学校や保育園や家でやったら怒られちゃうだろうけど、今日は好きなもの描こう!」ってね。
沢山集まってくれた中でも、オシャレした女の子3人組が最初からテンション高くてね。
何か叫びながらなんだけど、すごく綺麗な色を使ってオシャレな絵を描いてゆくので、
「キミたち、おしゃれだね〜!」なんてレスポンス返していったら、さらにオシャレを加速させて。
これは傑作が出来るぞ!って思ってたところ、1人の女の子の目つきが変わって、、
何するんだ!って思ったら、真っ赤な絵の具でベタっと「復興するぞ!」と書いたんよ。

それまで美しく楽しくおしゃれに仕上がっていた画面が台無しになっちゃって、、
でも「好きなもの描こう!」て言った自分はそれを否定するわけにはいかず、
「復興するぞ!だね〜」と声をかけたら、なんかその子の目が悲しそうなんよ。
で、「それ書いて楽しかったかな?今日は好きなものだけ描いていいんだぜ」
「今日みんなで描いた絵、めちゃくちゃオシャレで俺は元気になったぜ!」
そんな声掛けしたら表情が緩んで、ホッとした柔らかな表情を見せてくれた。

これはどういうことか考えたんだけど、
すべての大人が「復興」のために頑張っている。
それを見ている子どもたちは、自分の楽しいより「復興するぞ!」と書いた方が、
大人が喜んでくれる。もしくは安心してくれる。
そんな先回りした考えがあったんだろう。

大人に連れてこられた絵のワークショップで、それに答えるように「元気に」絵を描く姿を見せたら、
オトナが喜んでくれるであろう言葉を、険しい表情で書き殴った子どもたち。

すげーいい子たち。
だけで、俺は大人だから、君たちが好きな絵を描いて、出し切ってホッとした顔見せてくれるのが、
幸せなんだ〜

そのために気仙沼まで来たんよ。

もしくは熊本地震から3ヶ月後の熊本市内でのワークショップ。

その日は、大人たちが震災復興バザーをやっている隣のスペースで、
子どもたちと絵を描いてくださいというオーダー。

みんなで大きな絵を描きはじまたんだけど、
ひとりものすごく反抗する子がいる。

ボクはこの子とほぼマンツーマンでのコミュニケーションになってしまったのだけど、
反抗の意味が掴めないでいる。

彼女の反抗は絵を描くのを楽しんでいる子たちのマインドも揺るがしちゃって、、
これはもう無理だと、
このワークショップはその子とボクがガチで向き合う姿を他の子に見てもらうものでいいやと、
さらに徹底的に彼女の反抗的なアクションに付き合う。

と、絵の具をベターっとつけた紙パレットをキャンバスに投げつけ踏みつけ、、
「そこまでやれば気持ちいいだろう!」と言って、
その子が紙パレットを剥がすと、それがとても綺麗。
「おい、それ綺麗だなあ〜!」と伝えたら、初めてニヤっとだけど笑って、
親がいる部屋の方に走っていってしまった。

いや、すごい暴れん坊だったなあ〜と思って、
その日の夜のバザーの打ち上げのような会場で言ってみると、
さっきの子がニッコニコで募金集めをやっている。

なんだ?すげーいい子じゃん。

彼女を知る大人に聞けば、彼女の家は地震の被害が酷かったそう。

そうか、
彼女は大人たちが復興のために奮闘するバザー会場に連れて来られて、
そこでバザーのお手伝いをせず、絵を描くワークショップに参加させられた。

オトナが復興に向けて頑張っているのに、
私は子どもだからって絵を描いて遊ばなければならないの?

彼女の反抗のエネルギーはそんなだったのだろう。
それは夜の表情でわかった。

でも、
絵を描くワークショップの現場で絵の具を投げつけたことでアウトプットできたことがあってこその、
夜の表情とも言えなくないかな。

別れ際に「ありがとー」と、いわゆる子どもらしく朗らかに声をかけてくれたことで、
なんだが自分も救われちゃったぜ。

熊本では同じタイミングで別の場所でもワークショップをやったんだけど。

そちらは親と子が一緒の現場で、子どもたちは親の視線に守られて安心して出し切っていった。

自分の子どもたちとのワークショップでは、
アートは手段であり、
目的は子どもたちの心の中で蓋をされてしまった恐怖の記憶のアウトプットだったり、
この先の未来を生きるための「気持ちの良い自分」の発見だったり、
子どもたちとと日常を共にする親やコミュニティの関係性の更新だったり。
そんなことを確信的に思えた熊本でも2本のワークショップでした。

そして、
12年前の気仙沼も、8年前の熊本も、今自分が暮らす東京も、2024年の能登も、
すべては自分の中では地続きであり、
もし自分のような者でも必要とされるのであれば、画材を担いで向かいますよ!
ということです。

153ヶ月め

2023 年 12 月 11 日 月曜日

今日は2011年3月11日から4,658日
665週3日
12年9ヶ月後
153回目の11日です。

先月の11月11日は岩手県紫波町の地域フェスに参加していて、
震災から初めて?もしくは2度目のブログを書かない11日になってしまいました。

今年は特に休む間もなく色々続いて、、
自分がやるべきことが出来ているのか危うく思うも、
ともかく必要とされる現場に導かれることこそ、
自分が生きている意味だろうなと。

行く先々では、東京では得られないゆったりとした時間を過ごす瞬間もあるわけで、
ご縁をいただく方に感謝すると共に、やはり自分の出来ることを全力であります。

ちょっと視線の角度を変えれば、
世界は戦争や紛争が絶えること無く。
そうしたことに対して己の無力を感じるも、
そうしたことの手前、
自分の手の届くところではやれることがあるぜ!と。

どんなに小さな事でも、良きものへ変えられるよう、
心も体も使ってゆこうと思うばかりです。

岩手県紫波町でお手伝いしたのは「ひづめ百年文化祭」2DAYS

伝統芸能とヒップホップダンスやeスポーツ、自分のワークショップや各種手仕事の出展者、程よい飲食の出店ブースと、
とてもバランスの良い企画でした。


それはこの街の成り立ちや地域性によるものだろうね。

今回三泊四日で得た情報量が多くて、どの写真を選べは自分が感じた「良さ」を伝えられるのか悩んだのだけど、悩みながら自然と「奥行き」みたいなテーマにフォーカスしてゆきました。

歴史的な奥行きは、えんぶりやさんさ踊りと子どもたちとのダンスとの縦方向グラデが深くて。
さらに、ヒップホップダンスのようなものが100年後には田植え踊りのように伝統芸能と呼ばれている世界線が見えたのが、面白かったなあ。

その縦構図と交差する横の奥行きが、この土地ならでは文化を醸しているのだろうと。
ひづめ100年文化祭の舞台は、1600年代に創建された平井家の邸宅。

八戸の飛び立ちとして南部藩の米の集配に携わった平井邸はともかく巨大。
街道に面した間口から奥へ奥へと連なる間取りは壮観!

その軒先から東に向かってまっすぐ荷物伸びる古い街道を歩くと、目の前に北上川。

奥州の舟運の大幹線として、豊かさや文化を運んで来た川。
そのさらに東を想像すれば、日の登る太平洋。

人が行き交うことが当たり前の宿場町でもあった土地は、今でも外から訪れる人に対してウエルカムであることを、身をもって感じた今回。

一泊目は日本の街づくりの先進事例として視察件数日本一を誇った複合施設OGALのオガールイン。
東北本線の紫波中央駅の目の前、そこから二階建ての施設が2棟、やはり奥行き深く連なり、そこに清潔で使い勝手の良い宿や体育館(紫波町はバレーボール推しの町!)、飲食店やマーケット、そして図書館と役場まで一緒になっている。

これらの施設はいきなり建てられたのでは無く、盛岡市から20分ほどという利便性を活かしたベッドタウンとして、まずは宅地開発を進めた上で、10年ほど前に生活インフラとしての施設を加えていったとのこと。
そんなん造ったら、他のエリアの地盤沈下が進んでしまいかねないのだが、結果、この場所に人が集う効果は町全体にゆっくりと確かに広がり、人口減を抑えるだけで無く、町全体に行き渡る生活費インフラの整備を進めたり、移住者を増やしたり、新たな産業を起こすきっかけになったり。

しかし建物が出来ても、それだけで上手く行くはずは無いよね。
そんな頭で役場や図書館の紹介もしてもらったのだけど、
なるほどー!紹介される人みなさんオープンなマインドで、自ら課題を見つけ解決方法を考えている言葉使いをされているんだよね。
図書館は高い天井と深い奥行きを持つ気持ちの良い建物なんだけど、そこには静かに音楽が流れていて、スペースによっては飲食店可能!
何より、本棚で面出しされている本の並びが美しい、楽しい、さいこー!
ここに本を並べた人は、やはりその通りの人だった。

ひづめ百年文化祭の実行委員長は、自分の池袋でのアートセッションに参加させてしてくれていたハンコ作家でもある天野咲耶さん。

3年前に彼女がなぜこの町に移住したのか、図書館の本棚を見て分かった気がしたよ。
という魅力的な町で、しかし国指定の文化財である邸宅や伝統芸能のような取り扱い注意のコンテンツも交えた地域フェスの実行委員長を、よそ者が勤める苦労は計り知れず。

しかし、良くぞ自分を導いてくれたなと。心より感謝とリスペクト。
ミーティングの際、あまりにも多くに気を遣っていたのだろうね、声が小さかったのでつい「結果声を出した方が、みんな困らないぜ!」と熱いエールを送ったのでした。
そんな自分は紫波町の奥行きの軒先に立ったくらいのものでしか無く、紫波町のみなさん、これからどうぞよろしくお願いいたします。

=追記=

岩手県紫波町でのひづめ100年文化祭、みんなでヤバい絵を描くワークショップ2day、爆発的終了。

サブタイトルは「岩手のシャイなワルイコのみんなー、俺にかかって来なさい。」だったが、
俺はこれで紫波町出禁か、、

先日の会津に続き、スイッチが入るのに時間のかかる子どもたち。
とても豊かな文化の裏付けとお子さんを大切にする土地柄。
しかし、ほったからかしにされたら凍死してしまう冬の厳しさのある土地で、モラルのあり方は熊本や静岡とは当然変わってくる岩手。(雪の深い奥会津も似てる)
色んな要因でシャイ、というか、奥ゆかしい振る舞いの子どもが育つのだろうね。
それは否定されるものでは無く、しかしなぜ大谷翔平は岩手から現れたのか?

お子さんを見守る親御さんとのコミュニケーションと距離感に気を使い、子どもたちがまとっているモラルみたいなものを一枚一枚剥いでいったら、子どもはやっぱ子どもであり、大谷翔平のような存在になれる可能性はみんな持ってるぜ!と。
歴代最強の絵が仕上がった。
いつもより気温の低い現場で、いつも以上に慎重に進めたことも良かったのかもね。
ともかくこんなにもワイルドな現場作りが出来て、ありがとう!紫波町。
あ、同時進行のオトナ向けワークショップ。
終始俺からステイがかかるほど、前へ前へなオトナナたち。
うん。
子どもたち心配無し!
PEACE!!

「上毛芸術線」の作品について。

2023 年 10 月 20 日 金曜日

こんにちは、小池アミイゴです。

これは2023年10月21日~11月12で開催の「上毛芸術線」への出品作品の解説ページです。

ボクは10月21日と23日に設営をしながら情報をアップしてゆきますので、
何度も訪れてみてくださいね。

とりあえず2009年に描いた赤城山の絵については、
こちら↓のリンクをご覧くださいませ。
http://amigos.yakuin-records.com/?eid=779950


2023年10月21日10時30分
粕川駅での設営が終わりました。

ここでのコンセプトは
『公共の場所に無造作に貼られたチラシやポスターとの愛に溢れたコラボレーション』

設営に入る前はこんな状況でした。

「困ったな」と思うも、
『誰かが貼った』ということを尊重して考えてみると、
一枚一枚のポスターやチラシも愛しく思えました。

設営を見守って下さった担当の方が、
「不思議ねぇ〜、絵も浮き出て見えるんだけど、チラシが真っ直ぐ綺麗に見える」
なんて言ってくれましたが、心の中で大きくガッツポーズ。

そう語るアナタこそ、絵の前で美しく見える。

そんな場所であればいいなと考えています。

しかし、粕川駅。
駅前の家が根こそぎ失われているなあ〜。

今回展示した花の絵のうちオクラと茄子は、
9月にここを下見した際に、駅からの道の脇の畑で咲いていたもの。

2018年春に亡くなった父が遺した家を2021年に売ってしまい、
父方の実家も母方の実家も失われている今、
こうして道端に咲く花の姿に、
たとえば自分によくしてくれた婆ちゃんの面影を見たりします。

この赤城山を望む風景の絵は、
今年の9月半ばに粕川駅を下見する際、上毛電鉄の樋越駅手前の車窓からの風景。

見る場所によって姿を変えて見せる赤城山ですが、
粕川の新屋駅近くで育ったボクにとっては、この形の赤城山が1番愛しいもの。

ボクが風景や花の絵を描く理由のひとつは、
子供の頃に身の回りにあった美しき風景が、
ある時を境に急激に失われていったことへの憐憫の情からだと思っています。

高度経済成長の波はボクが子供だった頃の赤城山南麓にも押し寄せ、
いつも遊んでいた川がある日に濁り、魚の死骸が浮かび腐臭を立てて、、
養蚕業と米作で潤うっていた土地のデザインが、なんだかスクエアのものに変わって行き、
ある日大地を覆っていた桑の木が根こそぎ引き抜かれ。

そうしたことは仕方ないことなんだと思いながらも、
子供心は傷ついていたんだってことを、
子供の頃のの春の日から何十年かが経った3月11日に思い知ったのです。

それでも、子供の頃に身体にと心に染み込ませた「美しきもの」は、
変わってしまった風景の中から美しき何かを見つける力になり、
2023年9月の車窓の向こうに見える雲の多い空と赤城山と実り始めた田んぼに、
息を呑むほどの美しさを感じたボクです。

*その他の作品に関しても後ほど語ってみます。

そして中央前橋駅。

2023年10月21日14時ではこんな展示。

これに、22日の前橋の街中で開際される「前橋コーヒーフェスティバル」での、
“誰でも絵が描けるワークショップ”3セットで生まれた参加者の作品を、
23日の昼前にレイアウトして完成させます。

自分の作品と前橋の方々とのコラボは、
誰でもアーティストであるばいいなと願う、ボクの理想の展示になるはずです。

展示終了後のレポートは後ほど。

というわけで、
設営が終わりました!


ああ、なんかとても誇らしいです。

「普段絵を描いていない」
もしくは、
「わたし、絵が描けないから〜」
なんて語る人とのワークショップで生まれた、
「一本の線で表現する楽しかった前橋の思い出」という作品群。

そのとびきり新鮮な表現と自分の作品、
なんなら「寄贈」されていた何方か様の切り絵の作品群とのコラボ。

子供の頃、夢の街だったキラキラした前橋。

しかし、今回前橋市上最もキラキラした場所を創れたんじゃないか?

ギラギラでは無くキラキラ。

それは、1人ひとりが表現することを恐れることなく、
1人ひとりのサイズでいられる街。

ボクが理想とする美しき街の姿を、
ボクのワークショップでみんな気持ちよく手を振り切った絵で表現。

ああ、ほんと、全部愛しい。

そして、子供たちの持っている力がストレートに表現された7メートルの絵。

泥沼のような制作現場で生まれたものを、
上毛電鉄のフォームにレイアウトしてみたら、

うわ、かっこいい!!

すごくワイルドで、すごくセクシー。

これは前橋で初めての試みとなる
「前橋コーヒーマーケット」という新鮮な現場だからこそ生まれたものだと、
俺は思うぜ。


自分はこんな風景を求めて、20年くらいこんなことを重ねてきて、
やっとひとつの風景に出会えた。

それは、随分と泥沼に沈み込んだように見えてしまっていた前橋の街を、
「ちょっとでも良いもの変えて行こう」という意思が集まり始めたこの数年の、
ひとつのチャレンジの場所「前橋コーヒーマーケット」で、
「ちょっとでも前橋を良いもに変えたい」人々に見守られた子どもたちと自分が生んだ、
きっとオトナたちの合わせ鏡のような絵。

中央前橋に展開する作品群は、
決してボクの力だけで生まれたものでは無く、
前橋を愛する人たちのマインドがドリップされたようなものだと信じ、
ぜひ誇らしく思っちゃってくださいね〜!

うん、前橋かなりサイコー!

個々の作品に関する解説は、
しばらくちゃんと眠れてないので、また後ほど〜

「前橋コーヒーマーケット」と「上毛芸術線」参加

2023 年 10 月 19 日 木曜日

10月21日から11月12日まで開催の、
群馬県の前橋と桐生を結ぶ鉄道”上毛電鉄”を舞台とする芸術祭
「上毛芸術線」
企画詳細 >https://jogei.jp
ご縁をいただき中央前橋駅と粕川駅の駅舎やホームに作品を展示します。
ボクのコンセプトは

「公共施設に美意識無く無造作に貼られているポスターやフライヤーにボクの絵を混ぜ込んで再レイアウトし、美しく愛に溢れたものにする作戦」

 

粕川駅は自分の地元ってこともあり、風景と花の絵を投下。
(掲載した風景画は、上毛電鉄の樋越駅近くから望んだ赤城山)

中央前橋駅では、
22日に前橋で開催される”前橋コーヒーマーケット2023″で開催のワークショップで生まれた絵と自分の絵を混ぜこぜにして投下してみます。
まずは21日に基本となる自分の作品を設営に向かいますので、

自分の作品完成は22日のWS後、23日のお昼頃になりますが、みなさんぜひ途中下車&HAPPYをよろしくです。

そして「前橋コーヒーマーケット」


初開催となるイベントのキービジュアルを担当。
絵を描くワークショップも開催します。

~ where good coffee grow ~
前橋コーヒーマーケット
⽇時:2023年10⽉22⽇(⽇) 10:00-16:00 ⼊場無料
場所:前橋中央イベント広場
住所:群馬県前橋市千代田町2-8-21

詳細は 前橋コーヒーマーケットのインスタ で〜

小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ

【オトナ向け】11時~12時「一本の線を引けたら、今日からイラストレーター編」¥800

【子ども向け】13時~15時「まえばしの、ちょっといいとこ教えて編」¥800


【オトナ向け】15時~ゆるゆる「絵の具遊びフリースタイル編」¥800

参加申し込みは以下のリンクの↓フォームよりお願いします。

*汚れてもOKなおしゃれで参加ください。
*ワークショップで生まれた作品は上記の「上毛芸術線」中央前橋駅会場に展示します。