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149ヶ月め

2023 年 8 月 10 日 木曜日


今日は2011年3月11日から4,536日
648週
12年5ヶ月後
149回目の11日です。

10日に東京から福島市に移動し、
11日の今日は現在会開催中展覧会「ハルカラ_」でワークショップとトークショーです。

ギャラリー・オフグリッドでの展覧会や企画の詳細はこちらでご確認くださいませ。
> http://www.iipower.jp/index.html

2011年3月11日の夜、
「これは10年、20年とかかることだ」と直感し、
震災は原発事故で困難な立場に置かれた人たちに対して、
先回りした発言や行動はせず、ただただ気持ちを寄り添わそうしたら、
「あの日から」12年5ヶ月めの日に、
福島市の再生可能エネルギーの電力会社のギャラリーで、
ただただ描いてきた東北の風景や花の絵の展覧会会場にいる自分です。

そんな極個人的な物語が東京のような場所ではまったく「ウケなく」なっている、
「今」というものを認めざるを得ない、あれから12年5ヶ月でもあります。

あらためて「興味無くなったんだ」と寂しく思うも、
でも、ほんと、まだまだやれること、出来てないことばかりなので、
やるしか無いんよね。。

東北や福島に限らず、
生きている限り良き出会いから受け取る美しきものはただただ儚く、
その一瞬の輝きに触れることは、ただただ豊かなことなんだよ。

が、それを表現しようとすると、
言葉でも絵でも難しい、

しょうがねえ、やっぱ続けるしかないか〜。。

冒頭にアップした絵は、
この展覧会を作るに当たって、去年9月に初めて飯舘村に行った帰り、
喜多方に移動する道で見た夕空。

飯舘の美しさを見つけようとして、しかし、その道中の風景に心を奪われる。

そうした揺れや誤差の中に、人というものを考え始めている12年と5ヶ月後の自分です。


今回も生き物のような展示空間にしたギャラリー・オフグリッドですが、
7月25日の設営の際に忘れてきたり間に合わなかった作品を持ってきました。


これは初日から展示している飯舘村比曽の田神社3月の風景。

展覧会に足を運んで下さった飯舘村の農家さんが、
絵を見ながら飯舘での農業や生活、どんな花が咲くとかどんな祭りがあるなんて話をしてくれました。

なんちゃーなくとも「描きたい」という気持ちの込められた絵の前で、
人はこれだけ穏やかに、豊かに語ってくれるんだな〜。

2011年3月11日以前の東日本を知らぬ自分は、
そうしたお話の中から、これから生きるのに必要なことを見つけ、
出来れば美しい絵を描きたいと思っています。

震災後、東京などで繰り返し出会って来た1枚の絵の前での語らい。
12ねん5ヶ月後の福島でやっと一歩です。

で、今回描いたのは同じく飯舘村比曽の田神社7月の風景。

飯舘電力のソーラーパネルが、自然や人の生活と美しく調和して設置されている村も、
福島第一原子力発電所の事故被害から、なんとか次のフェーズに移る、そんなタイミングに見えます。

が、そんな村の植物の勢いに負け、絵が甘くなっているなあ〜、俺。
どうしたらこの緑の力強さを表現出来るのだろう。

2023年8月11日のワークショップやトークショー、
自分にとっても次に向かう力にしたいです。

 

 

 

148ヶ月め_福島市で展覧会開催

2023 年 7 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,505日
643週4日
12年4ヶ月
148回めの11日です。

福島市にあるギャラリー “GOG” で展覧会を開催します。

「ハルカラ」 小池アミイゴ個展
飯舘、福島、東日本 ただただ描いた展覧会
at GOG
2023年7月26日(水) – 9月1日(金) _休/土日祝日
open 10:00 – 17:00
GOG (ギャラリーオフグリッド)
〒906-8042 福島市荒町4-7 県庁南再エネビル3F
Googleマップ> https://goo.gl/maps/KxoN5vmqU5A7vgFo6

展覧会特設ページ> 展覧会詳細

震災後に興された再生可能エネルギーの電力会社 “飯舘電力” が有するギャラリー、
ギャラリー・オフグリッド での個展です。

ボクを5年連続で奥会津エリアの子どもたちとのアートセッションに導いてくれた、
福島県立博物館のワルダクミキュレーターチームが繋いでくれた企画。

昨年より飯舘村の取材を重ね、
同村の震災と原発事故の被害から復興を目指す姿を知ると共に、
飯舘電力の取り組みの理解を深めてまいりました。

しかし、知れば知るほど無力感を感じるのは、
震災直後から始めた東北のフィールドワークを通しての実感。

それでも自分は絵を描く仕事をしていて、
その経験から出会える「美しきもの」を
ただただ描くだけだろうなと。

実はこれまでで一番頭を悩ませたかもしれませんが、
ある瞬間から悩んでる自分そのままを描いてみようと思えたことで、
なんとか展覧会を実現させられそうです。

他愛も無い絵の展覧会ですが、
1枚の絵があるからこそ生まれる会話というものを信じ、
美しい空間を整えお待ちしております。

が!!!
ギャラリーが開いてるのが月~金の10時~17時だって!?

ですよね〜

夏休みと言えどそりゃ無いぜ!

ということで、
*8月12日(土)と13日(日)は特別オープンしアミイゴ在廊予定です。
普段仕事で来られない方はこのチャンスにぜひ。

以下今決まっている企画。

【イラストレーター小池アミイゴの夏休みびじゅつクラブ】
・7月26日(水)〜7月28日(金)13:00〜17:00
※7月27日(木)15:00〜16:00はお休み
・参加費・予約_不要
ギャラリーが「夏休みの居場所」になればいいな企画です。

【小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ】
福島の飯舘村のデカい段ボールジオラマをシアワセ色に塗っちゃいましょうセッション。
◎日 時:8月11日(金)13:30〜15:00
◎対 象:小さなお子さんからじーちゃんばーちゃんまで。
◎申込不要・参加費無料 汚れてもOKなオシャレでご参加ください。

【トークセッション】酒とメシとサスティナ・ブルー
◎日 時:8月11日(金)17:00〜18:00
◎申込不要・参加費無料
◎お話する人
・小池アミイゴさん(イラストレーター)
・佐藤彌右衛門さん(会津電力顧問・大和川酒造9代目)
・会津若松で食の仕事をされている夢実さんも参加してくれます。

企画は詳細ページにさらに詳しく書かれています。
展覧会詳細

そしてやはり7月26日から食堂ヒトト
絵本「はるのひ」の原画展を開催。

自著「はるのひ」で描いた風景は、福島で見た田園の風景も引用しています。

冒頭にアップした絵は、福島県南相馬郡飯舘村の”飯舘復興三千本桜“の風景。

震災前より、地元のご夫婦が植え始めた桜が、
今やこの村の、てか福島の復興のシンボルのようにして春に咲き乱れます。

人の力、すげー!

自分の絵は、さてどうなんだろう?
これからも悩み続け、しかし描き続けたいです。

 

 

128ヶ月め

2021 年 11 月 11 日 木曜日

今日は2011年3月11日より3,898日
10年8ヶ月
556週6日
128回めの11日です。

今回で5年めとなる福島県奥会津エリアでの子どもワークセッションが、
来週より始まります。

今回は2017年の初回と同じく柳津町の子どもたちと、
地元を描き続けた版画家、斎藤清さんの作品を通し地域の魅力を再発見しよう!
という大人向けのテーマを掲げつつ、

どんな山間のエリアでも、ネットで情報が共有出来てしまっている今、
ローカルに生きる子どもたちに何かを与えるというより、
彼らの中にあるものを共有することから始め、
思いがけないものに出会えたら思いっきり驚いてみたい!

そんなセッションにするつもりです。

しかも、今回は同じ町内でも生活エリアに隔たりのある柳津小学校と西山小学校、
それぞれの学童保育を利用する子どもたちに、それぞれのエリアならでは発想を持って臨みます。
!)これは学校単位の企画なので、一般の募集はありません。。


主催者の福島県、共催の町立斎藤清美術館、企画運営の県立博物館学芸員チーム、
お手伝い下さる地域おこし協力隊のみなさん、サポート下さる法人との企画会議では、
まずは「山間のエリアに暮らす子どもたちにもアートを与えたい」という考えが示され、
そこから発想されるワークショップ案を提示されるのだけど、
前述の通り、
まずは山間に暮らす子どもたちが何者なのかを知るのが先では無いかなと。

「多様性」というワードが発想のスタートラインにしっかりと記されている今、
奥会津というとても貴重な土地に暮らす子どもたちに、
都会で暮らす子どもたちは当たり前に手にしているであろう価値を、
都会の子どもたちと同じく与えてあげたい、そんな考えの前にやっておくべきことがある。

もしくは、そうしたことは学校というシステムで行なった方がスムースであり、
ボクのような個人が行う必然はないんじゃないかな?とかね。

そもそも、柳津と西山とでも違いがあって、それが面白い!

みなさんが真面目に考えてきてくださった案を、申し訳ないのだがひっくり返し、
発想の荒野にみんなで立って、子どもたちにとって今必要なものはなんだろうか?
それはそのまま、私たちにとって必要なものはなんだろうか?という投げかけとともに
考えてゆきました。

この企画と並行したタイミングで、いくつかの子どもたちとの企画が動いていて、
そこでも変わらず、
東京でイラストレーターやっているボクのような者が地方の子どもたちになにか素敵なものを与える、
そんな考えをひっくり返して考えてもらうことから始め、
子どもたちが何者なのか、何を必要としているのかを、アートの力を使って知ってみよう。
何かを与える、もしくは共有するのはそれからでいいんじゃないか。
それはそのまま、そこに暮らす大人たちが何を必要としているのかの気づきの現場とはならないだろうか?
そんなことを語り続けています。


「震災から10年」というワードの魔法が間も無く切れる今。

しかし、今からやらねばならぬことばかりです。

ボクが向き合う大人は、子どもたちのことを真摯に考えている素晴らしい方ばかりです。
ボクは彼らが愛す子どもたちと共に、そんな1人ひとりの大人の心もオープンに解き放たれる、
そんな必要があると考えています。

柳津セッションのフライヤーデザインは今回も江畑さん。
彼女もまた地域おこし協力隊として会津に入り、
このプロジェクトに5年に渡り関わり続けてくれてます。

とてもセンス良い人で、
最初の頃はとても繊細で綺麗なデザインを投下してくれていたのが、
ボクが毎回ガチで子どもたちと絵の具遊びしている姿に慣れたのか、
今回はとてもタフで美しいデザインにしてくれ、
このフライヤーを手渡された学校の先生からも「綺麗!」と歓声が上がったとのこと。

なんつーか、彼女の生きる免疫力も高まったような5年。
こういうことが日本中で起きたらいいなと、
次の10年はそんな10年であればと願っています。


この秋何が生まれるのか、
楽しい報告が出来るようがんばりますね〜〜!