‘展覧会’ カテゴリーのアーカイブ

群馬の太田で「はるのひ」原画展

2024 年 1 月 28 日 日曜日

絵本「はるのひ」のふるさと群馬で原画展と絵本の販売を行います。
初日2月4日は在廊しますので、みなさんぜひお運びくださいませ。
小池アミイゴ「はるのひ絵本原画展」   
2024年2月4日(日)-27日(火)
14:00-20:00
休_水・木・2月16日              
アトリエみちのそら
群馬県太田市新田木崎町596
東武伊勢崎線木崎駅より徒歩12分
tel : 080-3414-0013
昨年の前橋に続き、今年も群馬県で「はるのひ」の原画を見て頂けるチャンスを得ました。
今回お世話になる「みちのそら」さんは、優れた絵本の紹介を地道にされている場所です。
まだまだ寒い日が続きますが、立春から本格的な春の日まで、みなさんと駆けて行けたら幸いであります。

「上毛芸術線」の作品について。

2023 年 10 月 20 日 金曜日

こんにちは、小池アミイゴです。

これは2023年10月21日~11月12で開催の「上毛芸術線」への出品作品の解説ページです。

ボクは10月21日と23日に設営をしながら情報をアップしてゆきますので、
何度も訪れてみてくださいね。

とりあえず2009年に描いた赤城山の絵については、
こちら↓のリンクをご覧くださいませ。
http://amigos.yakuin-records.com/?eid=779950


2023年10月21日10時30分
粕川駅での設営が終わりました。

ここでのコンセプトは
『公共の場所に無造作に貼られたチラシやポスターとの愛に溢れたコラボレーション』

設営に入る前はこんな状況でした。

「困ったな」と思うも、
『誰かが貼った』ということを尊重して考えてみると、
一枚一枚のポスターやチラシも愛しく思えました。

設営を見守って下さった担当の方が、
「不思議ねぇ〜、絵も浮き出て見えるんだけど、チラシが真っ直ぐ綺麗に見える」
なんて言ってくれましたが、心の中で大きくガッツポーズ。

そう語るアナタこそ、絵の前で美しく見える。

そんな場所であればいいなと考えています。

しかし、粕川駅。
駅前の家が根こそぎ失われているなあ〜。

今回展示した花の絵のうちオクラと茄子は、
9月にここを下見した際に、駅からの道の脇の畑で咲いていたもの。

2018年春に亡くなった父が遺した家を2021年に売ってしまい、
父方の実家も母方の実家も失われている今、
こうして道端に咲く花の姿に、
たとえば自分によくしてくれた婆ちゃんの面影を見たりします。

この赤城山を望む風景の絵は、
今年の9月半ばに粕川駅を下見する際、上毛電鉄の樋越駅手前の車窓からの風景。

見る場所によって姿を変えて見せる赤城山ですが、
粕川の新屋駅近くで育ったボクにとっては、この形の赤城山が1番愛しいもの。

ボクが風景や花の絵を描く理由のひとつは、
子供の頃に身の回りにあった美しき風景が、
ある時を境に急激に失われていったことへの憐憫の情からだと思っています。

高度経済成長の波はボクが子供だった頃の赤城山南麓にも押し寄せ、
いつも遊んでいた川がある日に濁り、魚の死骸が浮かび腐臭を立てて、、
養蚕業と米作で潤うっていた土地のデザインが、なんだかスクエアのものに変わって行き、
ある日大地を覆っていた桑の木が根こそぎ引き抜かれ。

そうしたことは仕方ないことなんだと思いながらも、
子供心は傷ついていたんだってことを、
子供の頃のの春の日から何十年かが経った3月11日に思い知ったのです。

それでも、子供の頃に身体にと心に染み込ませた「美しきもの」は、
変わってしまった風景の中から美しき何かを見つける力になり、
2023年9月の車窓の向こうに見える雲の多い空と赤城山と実り始めた田んぼに、
息を呑むほどの美しさを感じたボクです。

*その他の作品に関しても後ほど語ってみます。

そして中央前橋駅。

2023年10月21日14時ではこんな展示。

これに、22日の前橋の街中で開際される「前橋コーヒーフェスティバル」での、
“誰でも絵が描けるワークショップ”3セットで生まれた参加者の作品を、
23日の昼前にレイアウトして完成させます。

自分の作品と前橋の方々とのコラボは、
誰でもアーティストであるばいいなと願う、ボクの理想の展示になるはずです。

展示終了後のレポートは後ほど。

というわけで、
設営が終わりました!


ああ、なんかとても誇らしいです。

「普段絵を描いていない」
もしくは、
「わたし、絵が描けないから〜」
なんて語る人とのワークショップで生まれた、
「一本の線で表現する楽しかった前橋の思い出」という作品群。

そのとびきり新鮮な表現と自分の作品、
なんなら「寄贈」されていた何方か様の切り絵の作品群とのコラボ。

子供の頃、夢の街だったキラキラした前橋。

しかし、今回前橋市上最もキラキラした場所を創れたんじゃないか?

ギラギラでは無くキラキラ。

それは、1人ひとりが表現することを恐れることなく、
1人ひとりのサイズでいられる街。

ボクが理想とする美しき街の姿を、
ボクのワークショップでみんな気持ちよく手を振り切った絵で表現。

ああ、ほんと、全部愛しい。

そして、子供たちの持っている力がストレートに表現された7メートルの絵。

泥沼のような制作現場で生まれたものを、
上毛電鉄のフォームにレイアウトしてみたら、

うわ、かっこいい!!

すごくワイルドで、すごくセクシー。

これは前橋で初めての試みとなる
「前橋コーヒーマーケット」という新鮮な現場だからこそ生まれたものだと、
俺は思うぜ。


自分はこんな風景を求めて、20年くらいこんなことを重ねてきて、
やっとひとつの風景に出会えた。

それは、随分と泥沼に沈み込んだように見えてしまっていた前橋の街を、
「ちょっとでも良いもの変えて行こう」という意思が集まり始めたこの数年の、
ひとつのチャレンジの場所「前橋コーヒーマーケット」で、
「ちょっとでも前橋を良いもに変えたい」人々に見守られた子どもたちと自分が生んだ、
きっとオトナたちの合わせ鏡のような絵。

中央前橋に展開する作品群は、
決してボクの力だけで生まれたものでは無く、
前橋を愛する人たちのマインドがドリップされたようなものだと信じ、
ぜひ誇らしく思っちゃってくださいね〜!

うん、前橋かなりサイコー!

個々の作品に関する解説は、
しばらくちゃんと眠れてないので、また後ほど〜

「前橋コーヒーマーケット」と「上毛芸術線」参加

2023 年 10 月 19 日 木曜日

10月21日から11月12日まで開催の、
群馬県の前橋と桐生を結ぶ鉄道”上毛電鉄”を舞台とする芸術祭
「上毛芸術線」
企画詳細 >https://jogei.jp
ご縁をいただき中央前橋駅と粕川駅の駅舎やホームに作品を展示します。
ボクのコンセプトは

「公共施設に美意識無く無造作に貼られているポスターやフライヤーにボクの絵を混ぜ込んで再レイアウトし、美しく愛に溢れたものにする作戦」

 

粕川駅は自分の地元ってこともあり、風景と花の絵を投下。
(掲載した風景画は、上毛電鉄の樋越駅近くから望んだ赤城山)

中央前橋駅では、
22日に前橋で開催される”前橋コーヒーマーケット2023″で開催のワークショップで生まれた絵と自分の絵を混ぜこぜにして投下してみます。
まずは21日に基本となる自分の作品を設営に向かいますので、

自分の作品完成は22日のWS後、23日のお昼頃になりますが、みなさんぜひ途中下車&HAPPYをよろしくです。

そして「前橋コーヒーマーケット」


初開催となるイベントのキービジュアルを担当。
絵を描くワークショップも開催します。

~ where good coffee grow ~
前橋コーヒーマーケット
⽇時:2023年10⽉22⽇(⽇) 10:00-16:00 ⼊場無料
場所:前橋中央イベント広場
住所:群馬県前橋市千代田町2-8-21

詳細は 前橋コーヒーマーケットのインスタ で〜

小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ

【オトナ向け】11時~12時「一本の線を引けたら、今日からイラストレーター編」¥800

【子ども向け】13時~15時「まえばしの、ちょっといいとこ教えて編」¥800


【オトナ向け】15時~ゆるゆる「絵の具遊びフリースタイル編」¥800

参加申し込みは以下のリンクの↓フォームよりお願いします。

*汚れてもOKなおしゃれで参加ください。
*ワークショップで生まれた作品は上記の「上毛芸術線」中央前橋駅会場に展示します。

150ヶ月め

2023 年 9 月 11 日 月曜日


今日は2011年3月11日から4,567日
652週3日
12年6ヶ月
150回目の11日です。

150ヶ月。
それはもう「あまちゃん」も10年後の再放送がクライマックスに向かうわけです。

が、
「あまちゃん」の3月11日の描写回は、10年前の放送当時と変わらず、
というか、2011年3月11日の変わらぬ切迫感をボクに与えました。

12年半の時の間では、記憶が曖昧になっていることも多く、
それでも明確に思い出されるのは3月11日のことだし、
その後残念ながら失われた幾人かの「愛しき善良なる頑張り屋さん」の姿だったりします。

そしてつくづく、自分が生かされていることに感謝し、
己の無力を知るも、なにかの力になれることを考え続ける毎日であります。


福島市のギャラリー・オフグリッドでの展覧会「ハルカラ」は会期を終え、
もう会津若松と喜多方での巡回展が始まっていますが、ちょっと振り返り。

8月11日はワークショップとトークショーを開催しました。

防災ジオラマを推進する法人から、飯舘村の段ボールを提供頂き、
しかい思う存分好き勝手な絵を描いて、、

でも、集まってくれた皆さんの中で思いっきりハッピーが湧き上がって。

白く四角い紙を与えられ絵を描くのとは別の、
もっと体が喜ぶ創作体験になったのではないでしょうか。


トークショーに駆けつけたくださった、
喜多方の大和川酒造の九代目にして自然エネルギーの会津電力を興した佐藤彌右衛門さんと、
福島の食堂ヒトトで知り合い、今は会津若松で食堂”紺と種”やギャラリー、民泊を営む夢実さんと、
震災から12年の振り返りと、最後は子どもたちの未来をどうしようって話へ。

自分ごとより人様のことを思い奮闘される皆さんの言葉、
確かだったなあ〜。


福島市はちょうど盆踊り。

知り合いが何人も関わっているプロジェクト福島の盆踊りは、
やはり震災から何年も続けてきたからこその確かさと、
ここで歩みを止めぬ意思を感じた楽しさでした。

なんやかやひとりでやってきた自分も、
なんやかや共に走ってくれる人が現れた福島で、
これからやれることの本番のように思いました。

ものすごく暑かった福島市での展覧会も終え、
お世話になったみなさんにご挨拶した9月3日と4日。

食堂ヒトトのごはんに生かされ。

以前から友人にうわごとのように言われてきた「あんざい果樹園に連れていきたい」を実現させ。

なるほど、ここの果樹は描きたくなるわ!と思い。

会津へ。

人と人が創る空間と向き合う。

つくずく自分は人に生かされ、育てられていることを自覚し、
ではここで何が出来るのか、これからも考え続けてゆくんだと思うぜ。

東京に帰る日は土砂降り雨。

夢実ちゃんの”紺と種”に福島市から食堂ヒトトが出張しごはんを提供するということで、
駆け込み。

料理にも使われている野菜は、
喜多方市で有機栽培を実践されている大江ファームのもので、
お客さんしても来られるとのこと、久々の再会。


暑すぎる夏の野菜の生育の話をうかがいながら食べるごはんが、ありがたい。

帰りの電車に合わせてわさわさと後にしてしまったが、

「福島の処理水」が捉えどころなく語られる夏に、
自分がいただいたものは「安齋さんが福島市で育てた桃や梨」だったり、
「大江さんが喜多方で育てた野菜」だったり、
「ヒトトのみんながこさえたゴハン」だったり、
大和川酒造の酒だったり。

作った人の顔が明快な捉えどころあるものばかり。

会津、中通り、浜通りと、それぞれ特徴のある土地が
偶然ひとつの行政区としてまとめられている福島県に対して、
自分は応援するなんて気持ちになる間も無く、
ただ人の手が真っ当にかけられた食べ物を、
美味しく頂いただいたのでした。


2023夏
PRACE

 

展覧会「ハルカラ」会津巡回

2023 年 9 月 2 日 土曜日


福島市の飯舘電力のギャラリーオフグリッドでの展覧会「ハルカラ」は、
昨日無事に会期を終えました。

暑い中お運び下さった皆様、ありがとうございました。
そして展覧会は会津へ!
オフグリッドの作品と食堂ヒトトで展示の絵本の原画を3箇所、
福島会津の良心と呼びたい場所にに分けて展示します。
「ハルカラ_」小池アミイゴ 展覧会
飯舘・喜多方、春から秋へと巡った絵による記録。
at“カフェ天空回廊”
・9/8(金)〜10/23(月)
・10:00〜15:00
*定休日_火・水・木
*臨時休業:9/16(土)
〒966-0861 福島県喜多方市字寺町4761
大和川酒蔵北方風土館 天空回廊2階 カフェ天空回廊
昨年9月の飯舘村~喜多方の取材旅から春、夏と描いてきた福島の風景や花の絵を展示します。

「ハルカラ」小池アミイゴ 花の絵展  at“紺と種”
・食堂 9/14(木)〜10/23(月)
・蔵gallery 9/14(木)〜17(日)
・11:00〜17:00
*定休日_火・水
〒965-0042 福島県会津若松市大町1丁目3−19
TEL 0242-93-5820
日常なにげなくめにする花に思いを寄せた絵を展示すます。
作品にちなんだ期間限定のスイーツや、ワークショップの開催も予定しています。

「ハルカラ」絵本の原画展
“食堂つきとおひさま”
・9/7(木)〜10/23(月)_(休_火・水)
・11:00〜18:00
*定休日_火・水
※10/9(月祝)は都合によりお休み
〒966-0871 福島県喜多方市字寺町南5006番地
TEL 0241-23-5188
Mail info@tukitoohisama.com
福島の風景にインスパイアされた絵本「はるのひ」の原画を中心に、花の絵なども添えて展示します。
期間限定で作品にちなんだごはんとおやつが登場。ワークショップも開際予定です。
アップした絵は喜多方の秋の景色。
大和川酒造の佐藤彌右衛門さんにご案内いただいた「豊かな会津」に圧倒され、車からぼ〜っ眺めた琴平山。
自分の絵のメンターである長沢節出身の会津は光が綺麗で、自分の筆がまったく追いつかず、、
2枚めは只見の花の絵。
自分の会津は2016年の奥会津取材から始まりました。
山深い町只見の光が強烈に美しくて、なんでも無い路肩の花も特別なものに見えました。3枚めは絵本「はるのひ」から。
自分の生まれ故郷の群馬の風景をベースに、大分や台湾での経験を生きた絵の世界ですが、
子どもワークショップを続けた奥会津エリアの柳津町や昭和村の、ローカルなスケール感や、
季節ごとの色彩や光からも大きな影響を得ています。

特に喜多方の大江ファームでワークショップをさせて頂いた時の経験は、
「はるのひ」のいくつかの重要な場面に反映されています。

ご縁をいただいてまだ7年ほどの福島の会津ですが、
ボクの人生をとても豊かな色で塗り直してくれた場所へ、
今回ちょっとだけお礼を伝えるチャンスを頂きました。

149ヶ月め

2023 年 8 月 10 日 木曜日


今日は2011年3月11日から4,536日
648週
12年5ヶ月後
149回目の11日です。

10日に東京から福島市に移動し、
11日の今日は現在会開催中展覧会「ハルカラ_」でワークショップとトークショーです。

ギャラリー・オフグリッドでの展覧会や企画の詳細はこちらでご確認くださいませ。
> http://www.iipower.jp/index.html

2011年3月11日の夜、
「これは10年、20年とかかることだ」と直感し、
震災は原発事故で困難な立場に置かれた人たちに対して、
先回りした発言や行動はせず、ただただ気持ちを寄り添わそうしたら、
「あの日から」12年5ヶ月めの日に、
福島市の再生可能エネルギーの電力会社のギャラリーで、
ただただ描いてきた東北の風景や花の絵の展覧会会場にいる自分です。

そんな極個人的な物語が東京のような場所ではまったく「ウケなく」なっている、
「今」というものを認めざるを得ない、あれから12年5ヶ月でもあります。

あらためて「興味無くなったんだ」と寂しく思うも、
でも、ほんと、まだまだやれること、出来てないことばかりなので、
やるしか無いんよね。。

東北や福島に限らず、
生きている限り良き出会いから受け取る美しきものはただただ儚く、
その一瞬の輝きに触れることは、ただただ豊かなことなんだよ。

が、それを表現しようとすると、
言葉でも絵でも難しい、

しょうがねえ、やっぱ続けるしかないか〜。。

冒頭にアップした絵は、
この展覧会を作るに当たって、去年9月に初めて飯舘村に行った帰り、
喜多方に移動する道で見た夕空。

飯舘の美しさを見つけようとして、しかし、その道中の風景に心を奪われる。

そうした揺れや誤差の中に、人というものを考え始めている12年と5ヶ月後の自分です。


今回も生き物のような展示空間にしたギャラリー・オフグリッドですが、
7月25日の設営の際に忘れてきたり間に合わなかった作品を持ってきました。


これは初日から展示している飯舘村比曽の田神社3月の風景。

展覧会に足を運んで下さった飯舘村の農家さんが、
絵を見ながら飯舘での農業や生活、どんな花が咲くとかどんな祭りがあるなんて話をしてくれました。

なんちゃーなくとも「描きたい」という気持ちの込められた絵の前で、
人はこれだけ穏やかに、豊かに語ってくれるんだな〜。

2011年3月11日以前の東日本を知らぬ自分は、
そうしたお話の中から、これから生きるのに必要なことを見つけ、
出来れば美しい絵を描きたいと思っています。

震災後、東京などで繰り返し出会って来た1枚の絵の前での語らい。
12ねん5ヶ月後の福島でやっと一歩です。

で、今回描いたのは同じく飯舘村比曽の田神社7月の風景。

飯舘電力のソーラーパネルが、自然や人の生活と美しく調和して設置されている村も、
福島第一原子力発電所の事故被害から、なんとか次のフェーズに移る、そんなタイミングに見えます。

が、そんな村の植物の勢いに負け、絵が甘くなっているなあ〜、俺。
どうしたらこの緑の力強さを表現出来るのだろう。

2023年8月11日のワークショップやトークショー、
自分にとっても次に向かう力にしたいです。

 

 

 

148ヶ月め_福島市で展覧会開催

2023 年 7 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,505日
643週4日
12年4ヶ月
148回めの11日です。

福島市にあるギャラリー “GOG” で展覧会を開催します。

「ハルカラ」 小池アミイゴ個展
飯舘、福島、東日本 ただただ描いた展覧会
at GOG
2023年7月26日(水) – 9月1日(金) _休/土日祝日
open 10:00 – 17:00
GOG (ギャラリーオフグリッド)
〒906-8042 福島市荒町4-7 県庁南再エネビル3F
Googleマップ> https://goo.gl/maps/KxoN5vmqU5A7vgFo6

展覧会特設ページ> 展覧会詳細

震災後に興された再生可能エネルギーの電力会社 “飯舘電力” が有するギャラリー、
ギャラリー・オフグリッド での個展です。

ボクを5年連続で奥会津エリアの子どもたちとのアートセッションに導いてくれた、
福島県立博物館のワルダクミキュレーターチームが繋いでくれた企画。

昨年より飯舘村の取材を重ね、
同村の震災と原発事故の被害から復興を目指す姿を知ると共に、
飯舘電力の取り組みの理解を深めてまいりました。

しかし、知れば知るほど無力感を感じるのは、
震災直後から始めた東北のフィールドワークを通しての実感。

それでも自分は絵を描く仕事をしていて、
その経験から出会える「美しきもの」を
ただただ描くだけだろうなと。

実はこれまでで一番頭を悩ませたかもしれませんが、
ある瞬間から悩んでる自分そのままを描いてみようと思えたことで、
なんとか展覧会を実現させられそうです。

他愛も無い絵の展覧会ですが、
1枚の絵があるからこそ生まれる会話というものを信じ、
美しい空間を整えお待ちしております。

が!!!
ギャラリーが開いてるのが月~金の10時~17時だって!?

ですよね〜

夏休みと言えどそりゃ無いぜ!

ということで、
*8月12日(土)と13日(日)は特別オープンしアミイゴ在廊予定です。
普段仕事で来られない方はこのチャンスにぜひ。

以下今決まっている企画。

【イラストレーター小池アミイゴの夏休みびじゅつクラブ】
・7月26日(水)〜7月28日(金)13:00〜17:00
※7月27日(木)15:00〜16:00はお休み
・参加費・予約_不要
ギャラリーが「夏休みの居場所」になればいいな企画です。

【小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ】
福島の飯舘村のデカい段ボールジオラマをシアワセ色に塗っちゃいましょうセッション。
◎日 時:8月11日(金)13:30〜15:00
◎対 象:小さなお子さんからじーちゃんばーちゃんまで。
◎申込不要・参加費無料 汚れてもOKなオシャレでご参加ください。

【トークセッション】酒とメシとサスティナ・ブルー
◎日 時:8月11日(金)17:00〜18:00
◎申込不要・参加費無料
◎お話する人
・小池アミイゴさん(イラストレーター)
・佐藤彌右衛門さん(会津電力顧問・大和川酒造9代目)
・会津若松で食の仕事をされている夢実さんも参加してくれます。

企画は詳細ページにさらに詳しく書かれています。
展覧会詳細

そしてやはり7月26日から食堂ヒトト
絵本「はるのひ」の原画展を開催。

自著「はるのひ」で描いた風景は、福島で見た田園の風景も引用しています。

冒頭にアップした絵は、福島県南相馬郡飯舘村の”飯舘復興三千本桜“の風景。

震災前より、地元のご夫婦が植え始めた桜が、
今やこの村の、てか福島の復興のシンボルのようにして春に咲き乱れます。

人の力、すげー!

自分の絵は、さてどうなんだろう?
これからも悩み続け、しかし描き続けたいです。

 

 

「かえりみち」での展覧会会期延長

2023 年 6 月 14 日 水曜日

愛知の春日井市の古本屋「かえりみち」のギャラリー「ki」で展覧会、
作品を入れ替えレイアウトし直し、会期延長で6月25日まで!
設営の際にクロネコさんが荷物ひとつを香川県に持っていってしまったおかげで 、
この愛しすぎる場所での会期延長が決まりましたよ〜。
『小池アミイゴの絵本の原画と花の絵の展覧会』
5月19日(金) ~ 6月25日(日) 11-19時 月曜休 
古本屋 かえりみち & gallery ki
〒486−0929愛知県春日井市旭町1−11 TANEYA2階
Tel:090-9749-9895
で、ちょいと変則営業のお知らせ。
★6/16(金)-19(月) お休み(大切な人たちのお祝いのため)
★6/24(土) 「夜のたねやびより」21時まで営業します。
 読書会「詩のひろい読み〜まど・みちお編」夜の部 18時から。

6月10日と11日はこの古本屋「かえりみち」で絵のワークショップ2DAYSを行いました。

子供から大人まで、懐かしい顔との再会も交えながら、
いつも通り全力で人の表現にデッカい喜びを見つけ、
最後は参加したみんなが風呂上がりのような顔して「かえりみち」に着いた時間。

あらためて、
世の中の価値観から比べたらとんでも無く効率の悪いことをしてるな〜と実感しつつ、
その効率の悪さがなんて幸せなことなんだろうと再確認出来たのは、
若い夫婦が営むこの場所だからなんだろうと。

なんていう俺の言葉がちょっとでも響いた人は、
ぜひぜひ是が非で名古屋駅から在来線で20分くらいの勝川駅から徒歩7分の古本屋
「かえりみち」に行ってみてください。
ここで若い2人が古本屋を営む必然と偶然、
柔らかなマインドと鋼の根性が同居した場所で、
なんやかや世間話をしながら1冊の本に巡り合ってくれたらいいぜ。

それは、今自分が人にすすめられる最も豊かな行為なのだ。

「かえりみち」で展覧会開催

2023 年 5 月 1 日 月曜日

 愛知の春日井市の古本屋「かえりみち」のギャラリー「ki」で展覧会を開際します。

『小池アミイゴの絵本の原画と花の絵の展覧会』

5月19日(金) ~ 6月14日(水) 11-19時 月曜休 
古本屋 かえりみち & gallery ki
〒486−0929愛知県春日井市旭町1−11 TANEYA2階

Tel:090-9749-9895

「だれもが”ひとり”にかえる場所」

勝川駅のそばにある古本屋&ギャラリー

絵本「とうだい」を中心とした自著の原画に加え、
きっとこの場所に合うであろう花の絵を交え、気持ちの良い場所を創り、
6月10日、11日にはワークショップも開催します。

昨年末に店主の池田さんからとても丁寧なお手紙をいただき、
その文面から自分の絵を届ける場所と直感しました。その後のメッセージのやり取りも気持ちよく
「ああ、ここはきっとボクにとって約束の場所なんだろう」なんて思いにも至り。
そんな時NHKで放送されてた番組「Dearにっぽん」の、
『あなたを想い、選ぶのは・心に寄り添う古本屋〜』というタイトルに惹かれて見てみると、
そこは全国の人から請われ、その人に相応しいであろう1冊を選書して届けといる本屋だって。良い活動だなあ〜なんて見ていたら、
「あれ?ここは今自分に展覧会のオファーをくれている本屋では?」なんてすっとぼけた驚き。
さらに自分が装幀画を務めた、レベッカ・ブラウンの「体の贈り物」が
『ご病気をされた方に届ける一冊』として紹介されていてびっくり。
20年前に心血を注いで描いた絵を纏った本は(サラッと描いたようにしか見えないだろうが、ともかく)
イラストレーターをやってきて良かったな〜!と心から思えた仕事。それが今こうして生かされていることに感激し、その旨を「かえりみち」さんに伝えると、
自分が装丁画を担当したことをご存知無かったとのこと。
2023年の夏が始まる前に、この場所で展覧会を開催することは偶然では無く必然だと思ったし、
やはりここは自分にとって約束の場所、いや帰るべき場所の1つでは、なんてね。
ともかくこの場所に向けた絵を描いてみなくちゃと描いたのが、
フライヤーに使われているエリゲロンの白い花の絵。
背景の青はきっと宮城県気仙沼から唐桑あたりで出会った海の色のはず。
そこにはどうしても生かしたいものがあって、「かえりみち」を思うと自然とこの色が導き出され、
結果自分にとってとても新鮮な仕上がりの絵が生まれました。それは愛知県の古本屋で何をやれば良いのか明快になったということでもあります、
ではみなさん、かえりみちで会いましょう。

直島子どもアートセッション 4 days

2023 年 4 月 26 日 水曜日


2023年4月16日~19日
香川県瀬戸内の直島での”子どもアートセッション4DAYS”
笑顔のフィニッシュを迎えました。

子どもたちとの現場となったのは、
NAOSHIMA SAILERS CLUB

町立直島小学校や直島幼児学園(認定子ども園)に隣接する高台に新設され、
今年の4月から運用が始まったばかりの放課後クラブです。

その空間は子育て中の親の誰もが「わ〜!」と声を上げ、
「ここで子供を預かってもらえること、うれしい!」と思えるだろう場所。

この運営は “なおしまキッズポート
それぞれお子さんを持つおかーちゃんたちが、
直島で生きる上で必要なことを自分たちで創ってしまおう!
もしくは「しまわねば。」という必然で組織し実行に移した、
子供たちの居場所と未来にコミットしたグループです。


今回、この企画のコーディネーターの方にキッズポートを紹介いただき、
オンラインで「はじめまして」のミーティング。
その瞬間「ああ、この人たちとなら新鮮な何かを創れるな!」と直感。

その後のアイデアのキャッチボールもスムースに、
当初の「子どもたちとのワークショップを4月19日水曜日にやってください」というオーダーに対して、
週末を加えた複数日のセッションを行うべきと判断。
しかし事前情報はできるだけ遮断し、直島の「はじめまして」の場所を目指しました。


直島子どもアートセッションDAY 1 は、4月16日(日)

子どもたちと「アートの理屈」を蹴散らして、
身体が喜ぶワイルドなアート体験を、子どもの親もスタッフも自分も共有しよう!
という試み。

だけど、
実際は「なんのこっちゃ?」と感じて終わってしまった親御さんもいたはず。

なんだけど、
自分はものすごい量の「この場所に集った子どもたちの情報」を得て、
残り3日間のセッションでの振る舞いのイメージを高めることが出来ました。


一応この日のおさらい。

・「学校や家でやったら怒られるようなことやるよー!」

・なので、子どもたちに指導はしない。

・というわけでセッション中は「じょうず」という言葉は禁句。

・自分がやることのほとんど全ては、子どもたちが行うクリエイティブなアクションに対する共感。
「いいね〜!」「かっこいいねー!」「おっしゃれ〜!!」みたいな声かけに終始。

・子どもたちの「見て!見て!」にただ「見て」うなずく。

・それだけでも子どもたちは「よっしゃー!」とさらにクリエイティブを加速させ前進。

・その姿は「子どもたちが自分から自由を獲得している」ということであり、
 大人はその自由のフィールドを暴力や事故から守る。

・そして子どもたちはさらに安心し、さらにクリエイティブを加速させる。

・で、子どもがクリエイティブなテーマを掴んで、その実現に対するアドバイスを求めてきたら、
(たいていは「ねえ、これやって〜」みたいな話だけどね、、)
クオリティを高めるためのアドバイスを(べらんめいな職人言葉で)行う。
「じょうず」という言葉の使い所があるとしたらここだけど、自分はやはり使わなかったかな。。

これらひっくるめて言ってしまえば、
子どもたちととことんガチで向き合い楽しみ尽くす。

自分は子どもたちに「寄り添う」では無く「背中を追い」、
子どもたちが魅せる一瞬一瞬のアクションをキャッチし続けているのだけど、
子供たちの先回りは決してしないし、子どもたちが創ったものに対してジャッジもしない。

なぜなら、そうした方が楽しいから。

で、
大暴れでやり切った子どもたち、意外と視野の広い落ち着いた人格を獲得するぜ!
という余談で初日終了。

参加者多くて2部制になって、魂抜かれるほど疲れたが、
その疲れはただただ喜びだ。

直島子どもアートセッション DAY2 – DAY4 の三日間 は、
放課後クラブであるNAOSHIMA SAILRS CLUB の一部を自分の仕事用のアトリエとして使い、
学校から帰ってきたこの施設を利用する子どもたちとの自然なアートセッション。


自分が持ち込んだ画材は全てプロユースのもので、
しかも服に着いたら落ちないアクリル絵の具だったりで、
で、想定外だったのは、小学生も制服着用なんだ〜〜、、
という「親御さん、もしもの場合はごめんなさい、」な状況で、
子どもたちが自分から興味を持ったアートアクション(絵の具遊び)を、
プロの自分とのコミュニケーションを持って実践。


これは福島県奥会津の昭和村で確立した現場作りなんだけど、
直島では SAILERS CLUB があるので、安心して投下出来ました。

五月雨式にセーラーズクラブにやってくる子どもたちと、
マンツーマンのような形でコミュニケートするセッションでは、
「クオリティ」という言葉が飛び交って、

いや〜〜、作って、創って、造りまくったね〜!

それが何であるのかなんてことより、
作って、創って、造りまくることにこそ意味があったような、
そんな、ワイルドでクールで、ある意味セクシーでさえあった創造の事件現場。
(「セクシー」は「生きる」と訳して読んでもらえたらいいな)

そもそもこのセッションはなんであるのかなんだけど、
まずこの企画に対してお金を出してくれる人の存在があります。

アメリカとイギリスの慈善活動家たちが日本各地の文化に触れる旅を楽しむ。
その行程の中には震災被害に遭った福島と神戸、
そしてアートの島として海外でも有名な直島が組み込まれていて、
それぞれの地域や子どもたちの未来に対する投資を行う。
欧米では美術館などが主催し行われれているパトロンツアーを、
日本で実験的に行ったという事みたい。

で、直島でのドネーションの使い方として、
子どもたちとガチで取っ組み合っている自分が使命され、子どもたちとセッション。セッションの最終日にお金を出して下さった皆さんをお客様として迎え、
子どもたちが創った作品の除幕式。

ツアー参加者それぞれが寄付したお金の価値を子どもたちの笑顔で確認し、
やはり笑顔で帰国するという旅。

で、いいのかな。

自分はその意味を確認することなく直島に向かい、
この場所で子どもたちたその親御さんと過ごすことで、
意味が後から喜びと共について来たという感じだろうか。


アメリカ、イギリス、日本のエージェントもガッツリ噛んで作り上げた実験現場は、
海外アートに詳しい友人に言わせると、とても意義ある事みたい。社会の格差が広がる中、資産を持つ人が持たざる者への支援に人生の幸福を感じる生き方。

もちろん格差なんか無くなればいいのだけど、
だけど、7歳、8歳、9歳くらいのワイルドな絵の具遊びと、
海外からのお客様との喜びに溢れたコミュニケーションを経験した子どもたちの未来は、
彼らなりの幸せの形を生んでくれるんじゃないかと。

アートが目的で無く、人と人が繋がること。

繋がって良かったねでは無く、子どもたちの未来にコミットする発想を生まなくちゃなんだよね。

そうしたことに少なからずの確信を込めた希望を持って、
自分はハードワークをこの現場に投下。

それは海外からのパトロンさんにガッツリ伝わったはず。

楽しかったね!
また会おう、イエイ。

そんなこんなで自分にとって2度目の直島は、
素泊まりの民宿とセーラーズクラブとコンビニを結ぶ一本道の往復に明け暮れ、
(夜は民宿で東京の仕事やら連絡後とやらで、、)
有名な美術館やアート作品に触れることの無い、きっと自分らしい時間を過ごしました。
(昨年この件のミーティングで初めて来た直島は滞在5時間、、)


それでも、直島は30年ちょっと前から始まった島の再生、
そしてアートを生かした地域作りの力で、
なにげない風景の中にも、愛ある人の手が施された景観に出会い、
ボ〜ッと歩いている時間がとても幸せでした。


なんだけど、
ではこれはいつまで続くんだろう?
そんなことを なおしまキッズポートのみんなと語り合った日々でもありました。

直島、ちょうど町会議員選挙が始まり、しかし立候補者が少なく無投票で当選とのこと。

大きな精錬所とベネッセを有し「アートの島」として憧憬の眼差しを向けられる場所は、
住民からしたら今の所勝手に潤っていて変わる必要は無くイメージなんだろう。

だけど、だからこその課題を感じたおかーちゃんたちは、
直島再生の30年の歴史の先に、子どもたちの港 なおしまキッズポートを発想し、
さらに子どもたちやおかーちゃんたち、さらには地域の方々のための「とうだい」のような場所、
NAOSHIMA SAILERS CLUB を建てた。

除幕式の最後の方で、自分が作画を担当した絵本「とうだい」を読み語りする時間を頂きました。

「おーい、おーい、あらしにまけるな!」
「とうだいは ここにいるぞ!」

とうだいにできることはひかること。

くるくるなみを つきぬけろ!

ぴかぴか かぜをこえてゆけ!

くるくる ぴかぴか

子どもまみれの4日間。

海外からのお客様に綺麗な発音で自己紹介出来る島の暴れん坊たちは、
自分たちが自己紹介するならみんなもするべきだと言い寄るタフさを持っている。
その多くが島を出るのがこれまでの直島だったのが、さてどんな未来が彼らの幸せなんだろう。
まずは選挙の選択肢を増やしておく必要はあるんだろうな。
で、俺はかーちやんたちに呼ばれたら「直島また行くよー!」であります。