昭和86年


土曜日は「eli 昭和歌謡ショー

eliちゃんが昭和の名曲を歌い倒した夜

ギター&ピアノでサポートのヨシズミさんも
自慢の喉を披露

パーカッションでサポートのミノルくん
ピアノとコーラスののnappoちゃんと

ともかく熱く楽しく
あの唄この唄と格闘

いやいや
ともかく当時の作詞家、作曲家、編曲家、ディレクターとかマネージャーとか、
みんながガチで構築して行った名曲を
“選ばれた”一握りのスターが全力で唄ってきた曲は
心の壁をぶち壊す破壊力って言ったら!

満席の高井戸倶楽部に笑顔の花を咲かせ
もちろんナミダの雨も降らせたのでした〜!

単なるカバーではなく
eliのROCKとして唄われた曲は
60年代後半から平成直前までの間に生まれたものが中心

その8割がマイナーキイ

たとえばピンクレディーと
その派手にキラビやかなイメージとは逆に
かかなりの曲がマイナー曲だよね

これは以前から「どういうことだろう?」と考えていて
だいたいの説明はつけられるとこまで分かってきたのだけど
まあ、とても長くなるのでここでは割愛

ザクッと
戦後も高度経済成長も60年代で行き詰まって

70年代に入るとディスカバージャパン
さらに“しらけ”の果ての自分探し

80年代に入るともはや日本人であることを放棄
無国籍の先でバブル崩壊

そんな流れの中で
70年代は振り切れた表現で暗い曲を大衆のものにしていった
ダイナミックさに溢れていた

歌手はそれこそスター

この夜のeliちゃんの名言
「歌手は普段着でステージに立つな」
とか
「『等身大でいいんだよ』と言ってこと自体が上から目線」
とかね

音楽業界がなんでこんなことになってしまったのか?
それも説明出来るけど
ともかく長くなるので割愛

ただ
「アーティスト」てコトバを使って殺してしまっている
唄本来のヨロコビが沢山あるってこと

まあ理屈はどーでもよくて
3・11以降、初めて手放しで笑顔でいられたし
ちょっと泣けたりもした

そんな力に溢れた唄がゴロゴロと作られていた昭和という時代があった

で、
今日はイラストレーターの大先輩
峰岸達さんの個展初日

・峰岸達展「古い歌が聞こえる」@MAYA
・同時開催
「なぜ今ごろ 横山やすし天才伝説」@MAYA2
6月20日(月)〜7月2日(土)

南青山ギャラリーハウスMAYA

こちらは昭和の歌謡でも
戦前の昭和6年から30年代一杯くらいまでの流行歌が中心

これが
まあ、峰岸さんのチョイスだからでもあるのだけれど
メジャーキイの曲がほとんど。

もちろんその時代には「りんごの唄」のように
マイナー調の超有名曲もあったけど

なんだろね
このあっけらかんとした明るさに溢れた曲たちは。

eliちゃんの唄と峰岸さんの絵で
昭和の唄をほぼ俯瞰出来たここ数日

昭和の終わりはバブルという名前の戦争がやってきて
人の心をめちゃくちゃに破壊するとともに
昭和歌謡の息の根も止めてしまったんだと思う

ただ、
それでも崩されなかった心の最後の砦があり
3・11以降の日本人はその砦の扉を開け
ボクたちの日々に寄り添うホンモノの唄を見つけてゆくんだと
ボクの持ち合わせている希望のすべてをかけて願うのだ

にしても
ボクの周りで唄をうたっている若い人たちに
「マイナーの曲を作ったほうがいいぜ」と
これはここ数年言い続けてきたのだが、
まったく理解されなかったなあ〜

今マイナー曲をブルンブルン振り回したら
メチャクチャカッコ良かったはずなのにね!

んで、
時間は前後するけど
昨晩はALOHAのアルバム「うたのゆくえ」リリースを祝うツアー
そのファイナルのライブにを見に満員御礼の青山の月見ル君想フへ

とてつもなくあっけらかんとしたALOHAのニシオくんの唄と
過去のあらゆるハッピーソングと明太子を刻んでフリカケにして
メシといっしょに呑み込んだようなサウンドが
今の東京にズバッと共鳴して
それこそあっけらかんと大盛り上がり!

ニシオー!よかったな〜〜
ニシオー!よくやったー!!

この振り切れた感じ

これは3・11以降の日本という時代ではなく
昭和86年6月19日のようであると思った

いやいや
ほとんどのことは過去から未来に繋がっているはずなのに
頭の良い悪いヤツらがなんらかの思惑で
そんな繋がりは断ち切れているかのように見せかけ
ボクらをダマしているんだろう

あ!
峰岸さんの展覧会は
たとえばこの時期に地方から東京を訪れた人が
ぶらり立ち寄ってみたりしたら
良い思い出にになるはずだぜ!

もちろん、
イラストレーター志望の人はマストで〜!

コメント / トラックバック 2 件

  1. eli より:

    お疲れ様でしたー!
    遅いコメントでゴメンネ!
    PA最高だったよ!
    ありがとね!

    マイナーと言えば
    ニュージャックスイングはマイナーが多いね!

    311以降(いや、もっと前からか・・癒しブームとか来た辺りから)
    シンプルになろう!的な~
    質素に本来の私たちの生活や価値観を取り戻しましょう~~~的な・・

    随分前から俺は「引き算」だったぜ!!!お前ら、遅いんだよ!!!!
    って想っちゃうんだけど。

    なのに、メジャーや大手の誘いがあって
    その手の話しすると
    「うわー!すごーい!」って言う。。(こういうのは昔からいるか)

    結局、みんな、シンプルになろう!丁寧に、毎日ちょっとずつ☆
    とか言いつつ
    頭の中は「一発当てたい」やつらばっか。
    楽して一発なんかあたらないつーの!!!

    だったら最初から、そー言えよ!って想うよ
    別に悪い事じゃないんだからさ!

    「俺、有名になりたい!どの分野でも有名になって尊敬されたい!」って言うなら
    もう「良い人」ではいられない。
    そんな表向き「良い人」も脱ぎ捨てる覚悟がない奴は一発も当てられないと想う。

    そんな一発を当てられないときの保険としての「等身大」の唄なんて
    そもそも「唄」じゃねーよ。

    昭和歌謡きいてると
    「ぜってぇー!当ててやる!」「必ずヒット曲にする!」って
    言う意気込みを感じる。
    命懸けでヒットさせて有名になってやる!
    って
    カッコイーと想うのよ。

    そうなるにはハンパじゃダメだし
    下手すれば二度と「等身大」なんて戻れない。

    最近のアーティストや
    受け手は
    いつでも等身大に戻れる安全な場所を確保したがる。
    だからステージの上でも絶対に、振り切ったりはしない。
    はみ出しもしない。

    「嫌われたくない」「失敗したくない」からだ。

    もう90年代で死んでしまったよ。
    命懸けで作る音楽なんて全然なかった。

    渋谷系のどこが命懸けだろう?
    命の欠片も感じないよ。

    私は普段は実は穏やかだけどね。
    園芸やって、もう隠居の気分だし
    愛犬jazzと昼寝して
    川沿いで、ぼけーーーっとしてるけど

    表現では
    昭和歌謡の唄に負けないくらい
    はみ出したいね!!!

    つーことで
    マイナー曲を一曲作ったよ。
    あとは歌詞だなー

    昭和初期
    テレビじゃなくラジオだったね。
    だから歌謡曲と言うより「流行歌」

    日本は色々乗り越えてきた。
    確かに、洗脳されて、ちょいと平和ボケだったり
    そんな時代もあった

    でも、こうなって
    自粛的な癒しの音楽は、うそ臭く聴こえる。
    こんな時に
    本当に表現したい事から逃げたら
    イカンと想うよ。

    しっかし
    昭和歌謡ショー
    ほんと、皆、よく笑ってた。

    今回は純粋に、みーんなで楽しめちゃうライヴにしたかったんだよ。
    アーティストのエゴもなく
    昭和の歌い手さんや作詞作曲家さんの
    胸を借りたよ!

  2. >eliさん。
    なんだろな

    歌謡曲や流行歌が
    “J”を名乗り出した頃からだね

    “J-POPのプロデューサ”という産業形態が
    確立、てか、でっち上げられて

    だから渋谷系のケツ辺り
    1990年代半ばくらいだろうけど

    音楽家にとって
    音楽メジャーが“就職先”になっちまった

    就職先だから
    組織からはみ出すわけにはいかないよね

    もっとも、
    そんなカラクリを分かっていたeliさんは
    それ以前から一線を引いていたわけだけど

    ただ
    その頃の前は強烈なプロフェッショナルの世界が
    まだ残っていて
    生きるか死ぬかくらいの勢いで育成する土壌もあった

    会社組織としては
    かなり効率の悪いやり方なんだろうけど

    それでも日本人にとって
    どうしようもなく掛け替えの無い1曲を生む力を持っていた

    しかし
    その頃以降は
    就職って言ったってまずは青田買いみたいなもんで
    ボウフラのように泳がせておいて
    なんとか蚊くらいに成長してくれたら
    あとはプロデューサーの力でチョウチョに見せますよみたいな

    若くて音楽やってる人
    みんな演奏や歌が上手くなっていて
    なのに、
    音楽業界就職のマニュアルで何かを作っているような

    で、
    ちょっと良さげだと、
    いきなり目の前に誰がいるのかも分からないような
    立派臭せえステージとか用意しちゃってね

    そういうことに疲れたヤツらが
    共感の小さな殻にくるまってる割に
    EXILEとかAKBのこと悪く言うのが自己表現になっちゃったり

    そもそもメジャーのほとんどが外資になって
    外資になってやることってリストラとグローバル化
    組織の効率化

    そんなものに日本の心がリストラされてたまるか!

    で、
    EXILEはエイベックス
    AKBはキングレコード
    どれだけドメスティクなんだっつーの!

    なに言ってるんだ?
    オレ。

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