‘イラストレーション’ カテゴリーのアーカイブ

148ヶ月め_福島市で展覧会開催

2023 年 7 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,505日
643週4日
12年4ヶ月
148回めの11日です。

福島市にあるギャラリー “GOG” で展覧会を開催します。

「ハルカラ」 小池アミイゴ個展
飯舘、福島、東日本 ただただ描いた展覧会
at GOG
2023年7月26日(水) – 9月1日(金) _休/土日祝日
open 10:00 – 17:00
GOG (ギャラリーオフグリッド)
〒906-8042 福島市荒町4-7 県庁南再エネビル3F
Googleマップ> https://goo.gl/maps/KxoN5vmqU5A7vgFo6

展覧会特設ページ> 展覧会詳細

震災後に興された再生可能エネルギーの電力会社 “飯舘電力” が有するギャラリー、
ギャラリー・オフグリッド での個展です。

ボクを5年連続で奥会津エリアの子どもたちとのアートセッションに導いてくれた、
福島県立博物館のワルダクミキュレーターチームが繋いでくれた企画。

昨年より飯舘村の取材を重ね、
同村の震災と原発事故の被害から復興を目指す姿を知ると共に、
飯舘電力の取り組みの理解を深めてまいりました。

しかし、知れば知るほど無力感を感じるのは、
震災直後から始めた東北のフィールドワークを通しての実感。

それでも自分は絵を描く仕事をしていて、
その経験から出会える「美しきもの」を
ただただ描くだけだろうなと。

実はこれまでで一番頭を悩ませたかもしれませんが、
ある瞬間から悩んでる自分そのままを描いてみようと思えたことで、
なんとか展覧会を実現させられそうです。

他愛も無い絵の展覧会ですが、
1枚の絵があるからこそ生まれる会話というものを信じ、
美しい空間を整えお待ちしております。

が!!!
ギャラリーが開いてるのが月~金の10時~17時だって!?

ですよね〜

夏休みと言えどそりゃ無いぜ!

ということで、
*8月12日(土)と13日(日)は特別オープンしアミイゴ在廊予定です。
普段仕事で来られない方はこのチャンスにぜひ。

以下今決まっている企画。

【イラストレーター小池アミイゴの夏休みびじゅつクラブ】
・7月26日(水)〜7月28日(金)13:00〜17:00
※7月27日(木)15:00〜16:00はお休み
・参加費・予約_不要
ギャラリーが「夏休みの居場所」になればいいな企画です。

【小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ】
福島の飯舘村のデカい段ボールジオラマをシアワセ色に塗っちゃいましょうセッション。
◎日 時:8月11日(金)13:30〜15:00
◎対 象:小さなお子さんからじーちゃんばーちゃんまで。
◎申込不要・参加費無料 汚れてもOKなオシャレでご参加ください。

【トークセッション】酒とメシとサスティナ・ブルー
◎日 時:8月11日(金)17:00〜18:00
◎申込不要・参加費無料
◎お話する人
・小池アミイゴさん(イラストレーター)
・佐藤彌右衛門さん(会津電力顧問・大和川酒造9代目)
・会津若松で食の仕事をされている夢実さんも参加してくれます。

企画は詳細ページにさらに詳しく書かれています。
展覧会詳細

そしてやはり7月26日から食堂ヒトト
絵本「はるのひ」の原画展を開催。

自著「はるのひ」で描いた風景は、福島で見た田園の風景も引用しています。

冒頭にアップした絵は、福島県南相馬郡飯舘村の”飯舘復興三千本桜“の風景。

震災前より、地元のご夫婦が植え始めた桜が、
今やこの村の、てか福島の復興のシンボルのようにして春に咲き乱れます。

人の力、すげー!

自分の絵は、さてどうなんだろう?
これからも悩み続け、しかし描き続けたいです。

 

 

「ポストがぽつん」富ヶ谷で販売

2023 年 7 月 7 日 金曜日

作画を担当した新作絵本「ポストがぽつん」
作:北川チハル・絵:小池アミイゴ・アリス館・定価:1,650円

https://www.alicekan.com/books/7912/

まずは自分が暮らす街のみなさんに手に取ってもらいたいなと、
渋谷区富ヶ谷2丁目の天然酵母パンのルヴァンのカフェ、
ルシャレで販売会を行います。

2023年7月12日(水)と13日(木)の2日間、
15時から18時までの間でルシャレにお越しくださいませ。

絵本の原画も展示してありますんで、
ルシャレのお茶と共に絵本の制作秘話も楽しんでもらえたらいいなと。

「ポストがぽつん」ご購入の方で、もしイヤじゃなかったら、
ボクのサインもちょいちょいと描がきますよ〜

・ルヴァンとルシャレのある場所
〒151-0063 東京都渋谷区富ケ谷2丁目43−13
最寄駅:千代田線代々木公園駅
小田急線代々木八幡駅か代々木上原駅
>>> Googleマップ

絵本「ポストがぽつん」

2023 年 6 月 21 日 水曜日

作画を担当した新作絵本「ポストがぽつん」
作:北川チハル・絵:小池アミイゴ・アリス館・定価:1,650円

6月23日発表です!

「とうだい」の作画をされたアミイゴさんに描いてもらいたい。
とのオファーを編集者さんから頂いた物語。
「とうだい」はその場所から動けないことで、逆に豊かな学びを得る物語ですが、
このポストくん、むちゃくちゃ動きます。なんなら空も飛びます。
「とうだい」は季節をひと回りした後、見たことのない嵐に遭い、
しかし、その経験で自分というものを知ります。
ポストくんは、トビラで「ポストがぽつん」と語られた次の見開きで
唐突に嵐に遭い、海へドボン、、
うわーーー!
この物語、どうやって描いたらいいんだ〜〜!!!???
しかし、編集者さんは動じません。
「アミイゴさんらしく描いてもらえたらいいです」
俺らしく?
そう考え続けた旅のような制作の1年。
何がきっかけだったかなあ〜。
きっとワークショップなどで接する子どもたちからインスピレーションを得つつ、
BRAHMANのTOSHI-LOWくんとイランの絵本「ボクサー」について語ったことで、
カチッとスイッチが入ったような。
で、出版社がなんやかや常識ばかりを語る時代になっちまった今、
「長新太さん、今デビューしたら絵本作れるのだろうか?」なんてエクスキューズを持ち、
しかし、しゃらくせえ!てやんでぇ

俺がこのポストくんととことん遊んでやるんだってぇことよ!

という気持ちになれたことで、作画中ずっと1人で笑っていたなあ〜。

ということは、
この絵本を手にする子どもたちと、とことん楽しめるイメージが持てたということ。

先日、古本屋「かえりみち」で子どもたちに読み語ってみたら、
なんと、これまで自分が手がけた絵本の中ではサイコーの引きがあるではないか。。
子どもたちよ、「とうだい」も「うーこ」も「はるのひ」も、良い絵本なんだぜ。
しかし、
絵本ってなんだろ?
ただこの荒唐無稽で大らかな物語に子どもたちが出会ってくれることで得る、心の免疫力は絶大のはず。
北川チハル先生、素晴らしい冒険物語ありがとうございます!
ぜひ手にされ、お子さんとページをめくってみてくださいね〜
ページをめくって行く際の色彩の変化は、宇宙最高峰に楽しくしておきましたよ〜
というわけで、早く手にされる方は書店でもネットでもご購入頂き、
7月のどこかの月曜日には、
恒例の富ヶ谷ルヴァンで「パン屋で1日書店」で直接手渡しさせて頂きますんで〜

「かえりみち」での展覧会会期延長

2023 年 6 月 14 日 水曜日

愛知の春日井市の古本屋「かえりみち」のギャラリー「ki」で展覧会、
作品を入れ替えレイアウトし直し、会期延長で6月25日まで!
設営の際にクロネコさんが荷物ひとつを香川県に持っていってしまったおかげで 、
この愛しすぎる場所での会期延長が決まりましたよ〜。
『小池アミイゴの絵本の原画と花の絵の展覧会』
5月19日(金) ~ 6月25日(日) 11-19時 月曜休 
古本屋 かえりみち & gallery ki
〒486−0929愛知県春日井市旭町1−11 TANEYA2階
Tel:090-9749-9895
で、ちょいと変則営業のお知らせ。
★6/16(金)-19(月) お休み(大切な人たちのお祝いのため)
★6/24(土) 「夜のたねやびより」21時まで営業します。
 読書会「詩のひろい読み〜まど・みちお編」夜の部 18時から。

6月10日と11日はこの古本屋「かえりみち」で絵のワークショップ2DAYSを行いました。

子供から大人まで、懐かしい顔との再会も交えながら、
いつも通り全力で人の表現にデッカい喜びを見つけ、
最後は参加したみんなが風呂上がりのような顔して「かえりみち」に着いた時間。

あらためて、
世の中の価値観から比べたらとんでも無く効率の悪いことをしてるな〜と実感しつつ、
その効率の悪さがなんて幸せなことなんだろうと再確認出来たのは、
若い夫婦が営むこの場所だからなんだろうと。

なんていう俺の言葉がちょっとでも響いた人は、
ぜひぜひ是が非で名古屋駅から在来線で20分くらいの勝川駅から徒歩7分の古本屋
「かえりみち」に行ってみてください。
ここで若い2人が古本屋を営む必然と偶然、
柔らかなマインドと鋼の根性が同居した場所で、
なんやかや世間話をしながら1冊の本に巡り合ってくれたらいいぜ。

それは、今自分が人にすすめられる最も豊かな行為なのだ。

147ヶ月め

2023 年 6 月 13 日 火曜日


今日は2011年3月11日より4,475日め
639週2日
12年3ヶ月
147回目の11日から1日過ぎた夜です。

先日、宮城県の太平洋沿岸部の街より訃報が届きました。

震災から数年の夏に1度だけ仕事をして、
その間ずっと怒り憤った口調だったけど、
だからこそ自分は信頼を寄せられ、
しかし直接はまだ会えないままで。

しかし、
SNSを通して吐き出された震災後を生きる心情や、
お子さんとのトゲはあるけど微笑ましい会話、
ここ数ヶ月は突然身に降りかかった病魔との闘い、
(この方の場合「折り合いの付け方」と感じたのだが)
そして最後は病魔と殴り合うような言葉まで届けてくれた方。

ご本人は「そんなことねーわ」と否定するでしょうが、
自分は「人の生き方」ってものを、SNSを通してでも感じられた、
実はものすごい発信力のあった方だんだと思っています。

それはフォロワー数とか「いいね!」の数とは関係なく、
人生のある一瞬でも、お互いガチに向き合い、何かを形に出来た関係だからこそ、
安易な数字遊びに振り回されることなく、
SNS上であっても交わす言葉の背景まで感じられたということだと思っています。

今年に入って(コロナが落ち着いて?)、
体調を崩されたという方が身の回りに多くおられます。

その度に地震の無力を感じ、
なんだろね、震災前後から花の絵を描き続けているのは、
自身の無力を忘れないようにしているのだろうか?
なんてことを、12年3ヶ月かけて気づいたのかも。

ただ、自分の中に答えを見つけようという気持ちは無く、
これまで出会った愛しく1人ひとりとの会話を大切にし、
その言葉の背景を察することを、まだまだ続けて行くんだろうな。

アップした花の絵は、
2011年6月に初めて宮城県気仙沼まで行った帰り、
中尊寺に向かう道で雨に濡れて咲いていた白詰草。

これまで何枚か描いてきて、
この絵は数年前に描いたものを、この方の生前の言葉に思うことがあり、
描き直してみたものです。

今は愛知県春日井市勝川の古本屋「かえりみち」のギャラリー「ki」の壁に、
6月25日まで咲いています。

生きていれば失うことばかりですが、
失うことも生きることに含まれることを受け入れれば、
その喪失にピタリとハマる人や場所に出会えるのだなあと。

2023年6月、ボクは愛知県春日井市勝川で古本屋を営む若い夫婦と、
ささやかだけど、何やら生きる上で必要とする時と共に出来たようです。

そんなお話は後ほど。

Kさん、
出会えたことに感謝します。

「かえりみち」で展覧会開催

2023 年 5 月 1 日 月曜日

 愛知の春日井市の古本屋「かえりみち」のギャラリー「ki」で展覧会を開際します。

『小池アミイゴの絵本の原画と花の絵の展覧会』

5月19日(金) ~ 6月14日(水) 11-19時 月曜休 
古本屋 かえりみち & gallery ki
〒486−0929愛知県春日井市旭町1−11 TANEYA2階

Tel:090-9749-9895

「だれもが”ひとり”にかえる場所」

勝川駅のそばにある古本屋&ギャラリー

絵本「とうだい」を中心とした自著の原画に加え、
きっとこの場所に合うであろう花の絵を交え、気持ちの良い場所を創り、
6月10日、11日にはワークショップも開催します。

昨年末に店主の池田さんからとても丁寧なお手紙をいただき、
その文面から自分の絵を届ける場所と直感しました。その後のメッセージのやり取りも気持ちよく
「ああ、ここはきっとボクにとって約束の場所なんだろう」なんて思いにも至り。
そんな時NHKで放送されてた番組「Dearにっぽん」の、
『あなたを想い、選ぶのは・心に寄り添う古本屋〜』というタイトルに惹かれて見てみると、
そこは全国の人から請われ、その人に相応しいであろう1冊を選書して届けといる本屋だって。良い活動だなあ〜なんて見ていたら、
「あれ?ここは今自分に展覧会のオファーをくれている本屋では?」なんてすっとぼけた驚き。
さらに自分が装幀画を務めた、レベッカ・ブラウンの「体の贈り物」が
『ご病気をされた方に届ける一冊』として紹介されていてびっくり。
20年前に心血を注いで描いた絵を纏った本は(サラッと描いたようにしか見えないだろうが、ともかく)
イラストレーターをやってきて良かったな〜!と心から思えた仕事。それが今こうして生かされていることに感激し、その旨を「かえりみち」さんに伝えると、
自分が装丁画を担当したことをご存知無かったとのこと。
2023年の夏が始まる前に、この場所で展覧会を開催することは偶然では無く必然だと思ったし、
やはりここは自分にとって約束の場所、いや帰るべき場所の1つでは、なんてね。
ともかくこの場所に向けた絵を描いてみなくちゃと描いたのが、
フライヤーに使われているエリゲロンの白い花の絵。
背景の青はきっと宮城県気仙沼から唐桑あたりで出会った海の色のはず。
そこにはどうしても生かしたいものがあって、「かえりみち」を思うと自然とこの色が導き出され、
結果自分にとってとても新鮮な仕上がりの絵が生まれました。それは愛知県の古本屋で何をやれば良いのか明快になったということでもあります、
ではみなさん、かえりみちで会いましょう。

直島子どもアートセッション 4 days

2023 年 4 月 26 日 水曜日


2023年4月16日~19日
香川県瀬戸内の直島での”子どもアートセッション4DAYS”
笑顔のフィニッシュを迎えました。

子どもたちとの現場となったのは、
NAOSHIMA SAILERS CLUB

町立直島小学校や直島幼児学園(認定子ども園)に隣接する高台に新設され、
今年の4月から運用が始まったばかりの放課後クラブです。

その空間は子育て中の親の誰もが「わ〜!」と声を上げ、
「ここで子供を預かってもらえること、うれしい!」と思えるだろう場所。

この運営は “なおしまキッズポート
それぞれお子さんを持つおかーちゃんたちが、
直島で生きる上で必要なことを自分たちで創ってしまおう!
もしくは「しまわねば。」という必然で組織し実行に移した、
子供たちの居場所と未来にコミットしたグループです。


今回、この企画のコーディネーターの方にキッズポートを紹介いただき、
オンラインで「はじめまして」のミーティング。
その瞬間「ああ、この人たちとなら新鮮な何かを創れるな!」と直感。

その後のアイデアのキャッチボールもスムースに、
当初の「子どもたちとのワークショップを4月19日水曜日にやってください」というオーダーに対して、
週末を加えた複数日のセッションを行うべきと判断。
しかし事前情報はできるだけ遮断し、直島の「はじめまして」の場所を目指しました。


直島子どもアートセッションDAY 1 は、4月16日(日)

子どもたちと「アートの理屈」を蹴散らして、
身体が喜ぶワイルドなアート体験を、子どもの親もスタッフも自分も共有しよう!
という試み。

だけど、
実際は「なんのこっちゃ?」と感じて終わってしまった親御さんもいたはず。

なんだけど、
自分はものすごい量の「この場所に集った子どもたちの情報」を得て、
残り3日間のセッションでの振る舞いのイメージを高めることが出来ました。


一応この日のおさらい。

・「学校や家でやったら怒られるようなことやるよー!」

・なので、子どもたちに指導はしない。

・というわけでセッション中は「じょうず」という言葉は禁句。

・自分がやることのほとんど全ては、子どもたちが行うクリエイティブなアクションに対する共感。
「いいね〜!」「かっこいいねー!」「おっしゃれ〜!!」みたいな声かけに終始。

・子どもたちの「見て!見て!」にただ「見て」うなずく。

・それだけでも子どもたちは「よっしゃー!」とさらにクリエイティブを加速させ前進。

・その姿は「子どもたちが自分から自由を獲得している」ということであり、
 大人はその自由のフィールドを暴力や事故から守る。

・そして子どもたちはさらに安心し、さらにクリエイティブを加速させる。

・で、子どもがクリエイティブなテーマを掴んで、その実現に対するアドバイスを求めてきたら、
(たいていは「ねえ、これやって〜」みたいな話だけどね、、)
クオリティを高めるためのアドバイスを(べらんめいな職人言葉で)行う。
「じょうず」という言葉の使い所があるとしたらここだけど、自分はやはり使わなかったかな。。

これらひっくるめて言ってしまえば、
子どもたちととことんガチで向き合い楽しみ尽くす。

自分は子どもたちに「寄り添う」では無く「背中を追い」、
子どもたちが魅せる一瞬一瞬のアクションをキャッチし続けているのだけど、
子供たちの先回りは決してしないし、子どもたちが創ったものに対してジャッジもしない。

なぜなら、そうした方が楽しいから。

で、
大暴れでやり切った子どもたち、意外と視野の広い落ち着いた人格を獲得するぜ!
という余談で初日終了。

参加者多くて2部制になって、魂抜かれるほど疲れたが、
その疲れはただただ喜びだ。

直島子どもアートセッション DAY2 – DAY4 の三日間 は、
放課後クラブであるNAOSHIMA SAILRS CLUB の一部を自分の仕事用のアトリエとして使い、
学校から帰ってきたこの施設を利用する子どもたちとの自然なアートセッション。


自分が持ち込んだ画材は全てプロユースのもので、
しかも服に着いたら落ちないアクリル絵の具だったりで、
で、想定外だったのは、小学生も制服着用なんだ〜〜、、
という「親御さん、もしもの場合はごめんなさい、」な状況で、
子どもたちが自分から興味を持ったアートアクション(絵の具遊び)を、
プロの自分とのコミュニケーションを持って実践。


これは福島県奥会津の昭和村で確立した現場作りなんだけど、
直島では SAILERS CLUB があるので、安心して投下出来ました。

五月雨式にセーラーズクラブにやってくる子どもたちと、
マンツーマンのような形でコミュニケートするセッションでは、
「クオリティ」という言葉が飛び交って、

いや〜〜、作って、創って、造りまくったね〜!

それが何であるのかなんてことより、
作って、創って、造りまくることにこそ意味があったような、
そんな、ワイルドでクールで、ある意味セクシーでさえあった創造の事件現場。
(「セクシー」は「生きる」と訳して読んでもらえたらいいな)

そもそもこのセッションはなんであるのかなんだけど、
まずこの企画に対してお金を出してくれる人の存在があります。

アメリカとイギリスの慈善活動家たちが日本各地の文化に触れる旅を楽しむ。
その行程の中には震災被害に遭った福島と神戸、
そしてアートの島として海外でも有名な直島が組み込まれていて、
それぞれの地域や子どもたちの未来に対する投資を行う。
欧米では美術館などが主催し行われれているパトロンツアーを、
日本で実験的に行ったという事みたい。

で、直島でのドネーションの使い方として、
子どもたちとガチで取っ組み合っている自分が使命され、子どもたちとセッション。セッションの最終日にお金を出して下さった皆さんをお客様として迎え、
子どもたちが創った作品の除幕式。

ツアー参加者それぞれが寄付したお金の価値を子どもたちの笑顔で確認し、
やはり笑顔で帰国するという旅。

で、いいのかな。

自分はその意味を確認することなく直島に向かい、
この場所で子どもたちたその親御さんと過ごすことで、
意味が後から喜びと共について来たという感じだろうか。


アメリカ、イギリス、日本のエージェントもガッツリ噛んで作り上げた実験現場は、
海外アートに詳しい友人に言わせると、とても意義ある事みたい。社会の格差が広がる中、資産を持つ人が持たざる者への支援に人生の幸福を感じる生き方。

もちろん格差なんか無くなればいいのだけど、
だけど、7歳、8歳、9歳くらいのワイルドな絵の具遊びと、
海外からのお客様との喜びに溢れたコミュニケーションを経験した子どもたちの未来は、
彼らなりの幸せの形を生んでくれるんじゃないかと。

アートが目的で無く、人と人が繋がること。

繋がって良かったねでは無く、子どもたちの未来にコミットする発想を生まなくちゃなんだよね。

そうしたことに少なからずの確信を込めた希望を持って、
自分はハードワークをこの現場に投下。

それは海外からのパトロンさんにガッツリ伝わったはず。

楽しかったね!
また会おう、イエイ。

そんなこんなで自分にとって2度目の直島は、
素泊まりの民宿とセーラーズクラブとコンビニを結ぶ一本道の往復に明け暮れ、
(夜は民宿で東京の仕事やら連絡後とやらで、、)
有名な美術館やアート作品に触れることの無い、きっと自分らしい時間を過ごしました。
(昨年この件のミーティングで初めて来た直島は滞在5時間、、)


それでも、直島は30年ちょっと前から始まった島の再生、
そしてアートを生かした地域作りの力で、
なにげない風景の中にも、愛ある人の手が施された景観に出会い、
ボ〜ッと歩いている時間がとても幸せでした。


なんだけど、
ではこれはいつまで続くんだろう?
そんなことを なおしまキッズポートのみんなと語り合った日々でもありました。

直島、ちょうど町会議員選挙が始まり、しかし立候補者が少なく無投票で当選とのこと。

大きな精錬所とベネッセを有し「アートの島」として憧憬の眼差しを向けられる場所は、
住民からしたら今の所勝手に潤っていて変わる必要は無くイメージなんだろう。

だけど、だからこその課題を感じたおかーちゃんたちは、
直島再生の30年の歴史の先に、子どもたちの港 なおしまキッズポートを発想し、
さらに子どもたちやおかーちゃんたち、さらには地域の方々のための「とうだい」のような場所、
NAOSHIMA SAILERS CLUB を建てた。

除幕式の最後の方で、自分が作画を担当した絵本「とうだい」を読み語りする時間を頂きました。

「おーい、おーい、あらしにまけるな!」
「とうだいは ここにいるぞ!」

とうだいにできることはひかること。

くるくるなみを つきぬけろ!

ぴかぴか かぜをこえてゆけ!

くるくる ぴかぴか

子どもまみれの4日間。

海外からのお客様に綺麗な発音で自己紹介出来る島の暴れん坊たちは、
自分たちが自己紹介するならみんなもするべきだと言い寄るタフさを持っている。
その多くが島を出るのがこれまでの直島だったのが、さてどんな未来が彼らの幸せなんだろう。
まずは選挙の選択肢を増やしておく必要はあるんだろうな。
で、俺はかーちやんたちに呼ばれたら「直島また行くよー!」であります。

 

 

145ヶ月目_直島へ

2023 年 4 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,414日
630週と4日
12年1ヶ月
145回目の11日です。

週末から香川県の直島に行き、
16日から19日まで子どもたちとのアートセッションを行います。

舞台となるのはNAOSHIMA SAILORS CLUB
一般社団法人キッズポートが運営する立派な学童保育の施設です。
https://youtu.be/C7A-eQUvh-k

ワークショップのメインのひとつは16日の日曜日、
子どもたちといつものワイルドな絵の具遊び。

そして19日に海外のお客様をお迎えし作品の発表会。

その間SAILORS CLUBの一部を自分のアトリエに見立て仕事の絵を描いていると、

学校が終わって学童保育を利用する子どもたちがやってきて、
自然とアートセッションが生まれる。といいな〜
という目論見。

これは福島県奥会津の昭和村でやってきたことの直島バージョンです。

NAOSHIMA SAILORS CLUB、もしくはキッズポートは、
2人の女性が主となり運営しているそうです。

今回のセッションに向け、何度かオンラインでお話してきましたが、
とても話がしやすい方々。

いわゆる息があうって感じで、
彼女たちが気づいている直島の課題や子どもたちの問題に対して、
自分にどんな働きが出来るのか、とても新鮮な気持ちで臨めそうです。

フライヤーに掲載されている”対象”が”0歳~150歳”と自分の軽口のままになっているとかね、
わかってる〜!なのです。

そして4月19日。

事の始まりは去年の秋。

知人からの「子どものためのアートスクール開催について直島に来てミーティング出来ませんか?」とのオファーに答え、初めての直島へ。

ところがミーティングにズラッと参加したのは欧米から来られら方々。

それは、
アメリカの慈善活動家が日本の直島など数カ所で、アートによる子どもたちの育成と地域振興に投資したい。
とのことで、
アミイゴ、ともかく一度何が出来るか直島で見せてくれ。
ということのようです。

というわけで、
今回19日にその投資家グループを迎えて発表会を行うというミッションなんですが、
その現場としてコーディネーターさんが繋いでくれたキッズポートの2人と出会えたことが、
まずはラッキー。


アートの島ともてはやされる直島も、
子どもたちが抱える課題は他の土地と変わらず存在し、
ではここで何が必要なのか。
ここで出来ていることはどんな事なのか。
それは他の土地に置き換えて考えられるのか。
などなど、大きな学びの時間になるイメージでいます。

明日12日は日帰りですが福島の飯舘村へ、
この半年で3度目のフィールドワークを行い、
ここで何が出来るのか、
それは自分1人で導き出すのでは無く、
その後足を運ぶ直島から得るものもあるんだろうなと思っています。

ちなみに、
去年秋の直島から徳島の神山町への漂泊したフィールドワークについては、
以前のこちらの記事 > https://yakuin-records.com/amigos/?p=15508 と、
ダイハツの運営するサイト「まどをあけて」no.6 で読んで頂けます。


表紙には徳島県神山町で珈琲の焙煎を行う「豆ちよ」さんを描きました。

地方ローカルで奮闘する方から学びを得る日々であります。

 

個展「東日本」season7

2023 年 1 月 20 日 金曜日



小池アミイゴ2011年3月11日からの展覧会

「東日本」season7

会期:2023年3月2日(木) – 3月11日(土) 日曜休

open 12:00 – 19:00 最終日~17:00マデ

スペース ユイ SPACE YUI 
〒107-0062
港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
TEL.03-3479-5889
http://spaceyui.com/

2011年3月11日の東日本大震災発災後、「被災地」と呼ばれる場所を歩き絵を描くことは、自分の足元を見つめ直すことに繋がり、自分の日常がある東京代々木の街での「見る目」や「振る舞い」を更新させてくれました。
そうしたローカルでの発見は、自分の活動範囲を、北海道の知床から台湾の山間の町にまで広げる力になっています。

ただ、活動エリアがどれだけ広がっても、自分の視線はまずは「ひとり」に注ぐものであり、その「ひとり」とは自分の足で歩いた先で出会うものであることは、「あの日」から変わっておらず、yuiで7回目の開際となる展覧会も、過去の6回と同じく「東日本」という名前で開催することにしました。

世界を見渡せば悲しい出来事だらけの今ですが、この「はるのひ」の展覧会から世界がちょっとでも良いもに変わるよう、小さな会話がたくさん生まれる場所であることを願っております。

また、
この展覧会は年内に開催予定の福島市での展覧会にリンクさせて行く予定でいます。

震災後の福島県でボクと子どもたちとのセッションを企画運営してくださった、
福島県立博物館の学芸員チームからあらたに投げられたテーマは、
「福島県内で興った再生可能エネルギーの事業を次の世代に手渡すために、
絵やイラストレーションを使った『なにか』をやってくれ」というもの。

そのコアとなる飯舘電力と会津電力の視察を行い、ミーティングも重ね、
おぼろげながらも自分が何をやれば良いのか見えてきたように思います。

飯舘電力では再生可能エネルギーの今を知ってもらうためのフィールドワークを、
フィジカルでもオンラインでも重ねています。
https://ene-tour.site/

こうした活動に、さらにパーソナルな物語を織り込んでゆくような仕事を、
絵やイラストレーションというものが出来るのではないかと。

福島は足を運べば運ぶほどその美しさに魅せられる場所です。

しかし飯舘村は震災による原発事故によって現在も帰宅困難地域を擁したままです。

そこで興った飯舘電力は、単に再生可能エネルギーを生み出すだけでなく、
これから人はどう生きるべきかを考える、社会実験的な役目も持っているはずです。

ボクは飯舘村に限らず、人はどう生きたら幸せなのかを、
息子たち世代の未来を想像しながら、自分の出来ることを考えてゆく。

福島から離れた東京青山での展覧会を、そんな考える現場にもしたいと考えています。

 

2022-2023

2022 年 12 月 31 日 土曜日

2023年あけまして、あらためてよろしくお願いいたします。

絵を描くことで出来ることはなんだろう?
2022年はそんなことを考えてばかりいました。

1本の線とは?
ひとつの色とは?

どうにも息苦しさを感じてしまう今。
自分が何をやったって戦争が終わるわけでも無く、
それでも争い、ちょっとでも美しいものを作り、
せめてひとりにでも伝えることが出来たら、何が生まれるんだろう?

今中学一年の息子が生きる未来の世界がちょっとでも良いものであるよう、
やれることはやってゆこうと思うし、
絵やイラストレーションというものが目的では無く手段として、
思いっきりハードワークさせる2023年であろうと考えています。

と共に、
自分ならではの視線で捉えた愛しきものを大切に、
世界のどんな価値観に振り回されること無く、
自分で答えを先回りさせることも無く、ただただ描き、
生まれてきたものに驚く1年でありたいと思っています。

そんなことを続けている中、
青と黄色の構図が「戦争」では無く「平和」語る色になればいいなと、
心より思っています。

2022の虎ちゃん、12年後は笑顔でいられますように〜!

2022の最初の頃に出会ったイランの絵本「ボクサー」について。
日本の制作の現場では真っ先にマスキングされてしまうであろう「生きるの必要なこと」が真っ先に描かれていると思いました。日本の社会の中で表現をすると、なぜかは孤独を感じてしまう自分ですが、世界を見渡せば併走者がいるんだと気づくことが出来た「自分こそこんなものを作らなければならない」と思った1冊です。

2022の最後の方で出会えた絵本「世界はこんなに美しい」は、1973 年にバイクで世界一周したフランスの女性の物語。「美しく生きる」ということがこんなに強いことなのかって思ったし、なんなら美しさでしか殴れない強大な力ってあるなと思いました。日本の社会に無言で絡みついているリミッターみたいなものが、たとえばサッカーワールドカップでの日本代表の躍進で、たとえばNetflixの「今際の国のアリス」や藤井風の「死ぬのがいいわ」で緩んだように見えた今、自分が目指す世界を再確認できた一冊です。

振り返れば2022はあっと言う間も無く、
ほんとに始まったのかもわからぬまま終わってしまったように感じています。

2023年、3月11日が12年と語られる年にあって、
自分の小さな一歩一歩を確かに繋ぐことでなにか美しきものを創り、
それを必要とする人に届けてゆこうと考えています。

みなさんまずは元気で。
もし会いすることがあれば、その時が幸せなものでありますよう、
自分は自分らしくやって行きますね〜