鑞梅


昨年末に近所の花屋「からならの木」でしめ飾りを買ったついでに
店の隅っこで100円で売られていた鑞梅の小枝を買って
水を入れたコップに挿しておいたら
先日花が咲きました

寒さが特別厳しい今年
小枝が咲かせてくれた温かな色彩に感激

ひさしぶりに花の絵を描いてみました

F3号とF0号の小さな絵ですが
広がりを感じる画面になったと思います


特別寒さの厳しかった昨晩は永福町のソノリウム

NHK大河ドラマ「八重の櫻」の挿入曲を担当されている
ピアニストでコンポーザーでもある
中島ノブユキさんのピアノソロコンサートへ

ソノリウムはサウンドデザインが緻密に形成されている音楽ホール

中島さんのタッチやコードワークやメロディーが
立体的な音像として心に投影されるオモシロさ

アンコールの曲では
倍音が次々に立ちあがり広がり消える
そんな風景が目に見えるように感じたし

ジョビンの曲では
コードワークの隙間で音の波が砕けるように響いたり

Steinway & Sonsのピアノは「神々の楽器」なんて呼ばれてるけど
実は悪魔が創った楽器なんじゃないか?とかね

そして
ボクはこんな絵を描きたいんだと思いました

イラストレーションの仕事では
デジタルでの制作の優位背が増々進んでいる今ですが

中島さんが奏でるSteinway & Sons が
1つの音の中にも多くの倍音を含んでいるのと同じように

1つのモチーフを描いても
そこに目には確認出来ないけれど
人間らしい雑味を含んだ絵

デジタルの四角いピスセルでは表現出来ない
変な形が組み合わさり生まれる隙間だらけの絵

その隙間はそれに接する人のイマジネーションの領域

そんなのを描きたいんだと思ったし
ひとつのピアノの音を求めて足を運ぶ人がいるのなら
そんな絵を必要とする人も居るのだろうと思えたのでした

鑞梅の花はあと何枚か描いてみるつもりです

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