関東平野の終わる辺り


もしくは
利根川の流れ着く先


そして
夕日がその川上に沈む街

太平洋戦争で焼き尽くされた街
その先は

ただただ太平洋
そのちょっと手前

莫大な人の欲望を呑み込み
人の莫大な欲望に呑み込まれた街

こちらの都合なんておかまい無しに降る雨は
ひたすら街を呑み込もうとするのだけれど

街はさらに美しく
その悲しげな表情をボクに差し出し

そらも うみも おかも おかまい無しな風景の中に
ボクを突き落とそうとする

そんな
いかにもカワイコちゃんがやりそうな悪戯に
ダマされたフリして

しかし
結局は足元からしてダマされて
この街の深みに首まで浸かるのだ

7月の終わり
二泊三日の屋外での作画作業で訪れた街は
くもり後雨
一時激しい雨

作業はしばし中断

そして未完成の作品を残し東京に戻った

その後のことは
これからどうにかするとして

今はこの街が飛び切りセクシーであったことを
思い返している

コメント / トラックバック 2 件

  1. vivia より:

     
    アミイゴさん

    過酷な天候のなか
    しかも屋外でのお仕事ほんとうにお疲れ様でございました!!!

    私が立ち寄った玩具やさんは
    戦前からの商いで、
    店番してたおかみさんで3代目だという事でした。
    駄菓子屋さんに吊されてるみたいな(厚紙に小袋が何十個とホチキスどめしてある)
    可愛いヘアピンを見つけました☆

    アミイゴさんのツイートとこちらのブログで
    その土地が辿ってきた歴史というものに興味を持ちました。

    アミイゴさんのそのシャッターと
    犬若食堂を目指して
    またこの街を訪れたいと想います。
     

  2. amigos より:

    >viviaさん。
    ボクの描いたシャッターは
    夜から朝にかけてと
    店休日の水曜日にしか見れないからね、、
    あまり期待せず足を運んでください。

    犬若食堂の並びには
    (並びと言っても漁港の距離感でだけど、、)
    刺身の旨い食堂だとか
    それぞれ個性のある犬若的食堂が数軒ありますので、
    何度か足を運ばれたらいかがでしょうか。

    でもってこの街

    太平洋に突き出た立地ゆえ
    軍のレーダー基地だか通信施設だかがあって
    まず最初に徹底的に叩き潰された場所だそうです。

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