FUKI-AGE

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ボクがここにどうでもいい事を書き連ねるのと同じようにして
ボクらの荒野を目指すどうでもいい旅は続く

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北に向かう各駅停車の列車の車窓は
ネット上でコピー&ペーストを繰り返され生まれる
どうでもいい言葉の堆積のような町並みを垂れ流し続ける

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飛び去る街には誰が住み
どんな毎日を送っているのか
そんなイマジネーションがボクらを狂わせる

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実は荒野がどこにあるのかなんて知っているんだ
エピローグから始まりプロローグに帰る
そんなひねくれた旅の中でそれに気が付く

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ボクらは退屈の中に在りなお
荒野などというさらなる退屈を求めて空回る

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無意味であることにパッションを照射して
その思いがけず跳ね返る先に視線を送る

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視線の先に置かれた駅で列車を降りた

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ボクらはその街の善良さに目眩を覚える

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彼はここは正月のような街だと言う

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ボクは正月なんてものが彼女を善良なる檻の中に閉じ込め
ボクの牙を抜きさえするものであることを
その街に溢れた正月のような光に包まれながら
吐き捨てるようにして語り続けた

結局ボクらはその街を10分だけ歩いて
15分後にやってくる列車で北に向かう

駅のスタンドで食べたソバは
醤油の臭いがツンと鼻の奥まで響いて
涙だか血だかの味を思い出させた
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*「荒野の唄」< click here !

コメント / トラックバック 2 件

  1. ki-machan より:

    やっぱり、潮を吹き上げたクジラがいるようですね〜

  2. >ki-machanさん。
    良い街でしたよ。

    沖縄の離島とか巡ると、
    こんな街に出会ったり。

    もちろん規模は違うのだけど、
    善良で穏やかで、
    子供の教育に熱心で、
    そんな街。

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