「ろうそくがともされた」

10月31日は西麻布のRainyDay Bookstore&Cafe で「本・つながる・未来」vol.4
「ろうそくがともされた」でした。
出演:[朗読]小沼純一・管 啓次郎 ・谷川俊太郎
[演奏]金子飛鳥(ヴァイオリン)・谷川賢作(ピアノ)
[音響]小池アミイゴ
3・11で失ったコトバ
それ以前から見失っていたコトバ
大声に掻き消されたコトバ
なにより
コトバにならぬコトバ
それでもボクたちが必要とするコトバ
管 啓次郎さんが呼びかけ人となり編まれた一冊
『ろうそくの炎がささやく言葉』

勁草書房 刊
ISBN-10: 4326800526
ISBN-13: 978-4326800520
8月の刊行から後に繰り返されてきた朗読会の特別編として
ろうそくの灯りを頼りに「本・つながる・未来」の現場で
コトバを手渡してゆく試み
ボクは3・11を経験して
まっさきに考えたことの1つが
「人のコトバに耳を澄ます」ということでした
未曾有の大震災や原発事故を受け
良いも悪いも
それこそ津波のように押し寄せるであろうコトバ
そのいくつか続くであろう大波をやり過ごし
ひと息つけたら
まずは身の回りの人のコトバに耳を澄ます
自分の3・11を語って昇華してしまうのでなく、
人の3・11を吸い込み
必要であれば温めて返してあげるような作業
そんなことが必要だなあ〜ってね
みんながこんなこと出来たらいいのだろうけど
みんながみんな出来るはずもなく
ボクだって役不足なわけで
だからジックリジックリ
そんなコミュニケーションに必要と思える
絵を描きながら
そんな作業の先で「本・つながる・未来」を手伝うことになり
その4回目として11月31日の夜があったということ
小沼純一・管 啓次郎 ・谷川俊太郎さんが発せられたコトバは
「それぞれ1人ヒトリのコトバ」という以外あり得ないもので
そんな「あたりまえ」に気がつくことが
オレは、ウレシいんだ〜、と、気がつくことが
面白い
そして
まさに「音が楽しい」谷川賢作さんのピアノ
金子飛鳥さんの生きていた時間が流れるヴァイオリン
ユカイだなあ〜
なんだろな
人間はコトバと音楽を同時に発見したんだろうな
そこまでさかのぼって
オレも絵を描いてゆきたいぜ
なんてね
スベテの朗読が終わり
音楽の最後の1音がロウソクの炎の向うに消えた後
RainyDay一杯に集まって下さったみなさんから立ち上る熱
それはなんだろう
ひとつ
ボクと同じように考えてこられた人たちが居たんだって確認
会場を片付け荷物を担いで変える夜道で
小沼さんの朗読をマネして
「あー」とか「あ”っ」とか「ぁあ〜」とか声に出してみる
もしくは
「Hip-Hopカルチャーの本質って、とどのつまり、」なんて
唐突で身勝手な妄想を膨らませてみたり
深夜の街を谷川俊太郎という人の発したコトバが
ノシノシと歩いているの感じたり
「ありがとう」と共に力強い握手をくれた管さんのコトバを
右の手の平の上で思い返してみたり
心にも、
もしかしたらそれ以上にフィジカルにも、
想像のヨロコビが満ちあふれた夜。
ボクは何も分っちゃいないのだから
やはりこれからも人のコトバに耳を澄ませ
美しい絵を描いてゆきたいな
こちらは↓勁草書房の編集者関戸さんのレポート
http://lemurmuredesbougies.tumblr.com/post/12221568169/10-31-rainy-day
朗読会はこれからも各地で続けられるそうです
そしてRainyDaydも「本・つながる・未来」vol.5として
11月23日に、今度は柴田元幸さんなどをお招きして開催します。
=追記=
YouTubeにあがっていた「3.11 A Sense of Home Film」
主演アナ・トレント 監督ビクトル・エリセ
「みつばちのささやき」の2人が 3.11を3分で語り描いています
スペインと西麻布
こういうことが「つながっている」ということだと思いました
=11/7追記=
3.11以降のボクたちは
莫大な量のコトバの津波にも呑まれ
心の二次災害に遭ってしまってはいないだろうか?
その多くが専門家とされる人のコトバであり、
そのコピーペーストであって、
それぞれの立ち居位置では専門的ではあるけれど
個人の発言としてはあまりにも軽く、
結果ボクたちは無知の荒野に放り出され、
大声で共感を求めながら迷ってしまっている。
そんな中で、
コトバで生きてきた人の責任あるコトバに耳をすませ
イマジネーションの足場にすること
それを持ち帰り
まずは身近な人のコトバに耳をすませてみること
そんなことの重要さを感じた夜であり、
そのためには
ちょっとだけ立ち止まる勇気と
ロウソクの灯りひとつくらいのものがあれば
ボクたちはこれだけ満たされるのだ〜な。
エリセは映像で
同じことを語っているように思うのです。


