小湊鉄道RUN
東京から京葉線快速-内房線と乗り継ぎ、
日本の動力である臨海部のコンビナートの勇姿に出会える
千葉県市原市の五井駅へは1時間弱。
そこから初めましての小湊鉄道で42分の
高滝駅を目指しました。
五井駅の乗り換えの際、
おばちゃんが売ってる弁当が
「こりゃ間違い無く美味いだろう!」て顔してるわけで、
あさり御飯弁当500円(!)を購入。
小湊鉄道ディーゼル1両編成が走り出したところで我慢ならず
弁当をひんむいてみると、
やっぱ美味そう!
たまらず食べはじめたら、
あさり御飯はもちろん、
魚の煮付けも野菜炒めもなんもかんも絶妙の味付け!
「THE弁当」だね、こりゃ。
今まで買って食った弁当で1番染みた!
おばちゃん、また弁当食いにくるよー!
これから先はまだまだ長いのに
いや〜、小湊鉄道に乗ってよかった!
来た甲斐あった。
ところが、
小湊鉄道、その車窓からの風景ののどかさ、美しさ、
こりゃなんだ!?
もし海外からお客様が来て、
富士山にも京都にも飽きて、ディズニーランドで疲れてしまったら、
「日本にようこそ」と言って小湊鉄道に乗ってもらったらいい。
1月8日の田園風景でこんなに感動しちゃっているんだから、
春とか秋とかどーなっちゃうんだろうか、、
ともかく車窓からの風景に興奮しっぱなしで、
42分を飽きること無く高滝駅へ。
雨の匂いの感じる正午、
約20kmのRUNをスタート。
まずは1.5kmほど走って、
高滝湖に臨む市原湖畔美術館へ。
コンパクトだけど美しい建物に、
常設の展示もとても楽しく、
色んな企画の可能性も感じた場所でした。
で、
目の前に建つのは藤原式揚水機!
明治時代に実際にこの地で使われていた揚水機の迫力のレプリカ。
渓谷の成す養老川沿いに4機造られて、
田畑に貴重な水をもたらし、農民の生活を支えたんだって。
うはー、それはどんな風景だったんだろうか。
想像力を試されるなあ〜
そんな興奮をもって次の目的地へ、
県道173号線から81号線清流養老ラインを、
まさに養老川とランデブーしながらのちんたらRUN
東京から1時間の距離で
この気持ち良さ!
5kmくらい走って着いたのが
2013年に廃校になった里見小学校。
土地の人々に大切にされてきた場所なんだってこと、
その空間の隅々に感じたなあ〜。
なんだか見ているだけで心にグッと迫ってくるものがある。
この先あと2カ所、それぞれの場所でなにを見てなにを感じるのか、
自分の足で走って行くからこその期待が膨らみました。
そんな感情に支配されると、
人は得てして道を間違えるものだし、
雨だって降ってくるのです。
かなりの上り坂を駆け上がると、
ポツンポツンと集落に出会い、
そこで暮らすことの意味など考えていると、
もうこの先に学校なんか無いだろうって風景に、、
よもやの間口の狭いトンネルに腰が引けながらも先を進むと、
けもの道?
いや、これは間違えなく道を誤ったと、、
しかし、小規模水力発電の実験現場を見ることが出来て、
美しい里山の風景にも出会えて、
人生初のトレイルランニングも経験出来て、
まあ元はとった。
熊よ、わざわざ出て来なくていいから、
ゆっくり寝ていたまえ。
軽い恐怖体験も楽しく元道へ帰還。
なんだ、ここを曲がればよかったんね!
と県道172号線を走り始めたところが、
登り、
トンネル
登り、
トンネル
登り、
トンネル
こりゃさっき以上にタフな道だぜ、
3.5kmで100m登って着いたのが月出小学校。
ある人はこの地を「辺鄙」と呼ぶだろう。
しかし、この地で生業をたててきた人たちは、
豊かな文化と教育を望み続けてきたんだよね。
その事実がデザインに空間に満ちている。
ここで学んで来たコドモたち、
今はどんな生き方をしてるんだろうか?
少なくとも、
この土地を愛し続けていてくれてたらいいなあ〜
雨の中ですれ違うおばちゃんが美しい。
いい旅してるぜ、オレ。
(おばちゃんはグチャ濡れで走るオレを不審者扱いしてたが、、)
下り道を快調に走り元の道路“清流養老ライン”に戻り
残り4kmちょっと。
つくづく美しい鉄道だなあ〜と、
20km弱走った疲れも癒される
ミニマムな駅舎を中心とした風景に見とれ、
その坂を登れば白鳥小学校。
ああ今日が雨の日でよかったな〜、なんてね、
「なかよし」と題された彫刻の2人と出会い、
ボクにも残されている素直な部分が最高に温まってくれたんだ。
走る際のバックパックやカメラの装備が確立された取材旅にもなり、
いやー、得たものデカい。
なんだ、この豊かな気持ちは!
市原、LOVEだぜー!
また走りに来るぜ!小湊鉄道。
最後に提案。
高滝駅から上総大久保駅まで、
程よくアップダウンのある片道で11kmくらい。
オプションで月出までの山道往復7km。
美術館や廃校に簡易シャワーでもあればなあ〜
もしくは、ざぶんと入れる公衆浴場があれば、
それをフィニッシュ地点として
ボクのように走る人が増えるんじゃないかと。
こんな美しい田園風景と隣り合わせで、
実はゴルフ場の数が日本一というこの地域。
養老渓谷という観光資源もあって、
県道としてはかなり整備されていて、
そんな道を車で走るのか、自分の足で走るのか、てことだけど、
自分の足で走ったら、ともかく豊かな発見ばかりだぞー!と、
これはボクの実感であります。
(対車の安全面では自己責任が伴うが)
東京から1時間。
愛しき鉄道でゆったり移動。
自然の中で身体を動かし、
文化やアート、人の暮らしに触れて、
なんつったって美味い弁当が食える1日の過ごし方。
新しいと思うな〜
2014
0108
PEACE!!