「木の葉のホームワーク」


祖母から受け取った愛情で、ジーナは大人の階段をひとつあがる。
ケイトメスナー作/中井はるの訳
アートディレクション中嶋香織
講談社刊 定価:1,470円(税込)
全米児童書書店協会選定2010年
E・B・ホワイト推薦図書賞受賞

バーモント州の自然に囲まれた街で、中学1年生のジーナの心は、
友情と家族愛に包まれ、色づく秋の木の葉のように、美しく染まる。


頂いた仕事はどれも一生懸命やるのだけど、
それでも「特別」を感じる仕事というものがあって、
装幀画を担当させてもらったこの本の仕事は、
2012年の夏から秋にかけてのボクにとって、
とても特別な時を積み重ねてくれるものになりました。

中学一年生のジーナが、愛するお婆ちゃんの「老い」に向き合い、
思い、悩み、考え、成長の階段に足をかけては踏み外し、
しかし最後は、

そんな話。

自分にも経験あるな〜
そして、ボクの甥っ子は今それに直面してるなあ〜
まだちびっ子のボクの息子はどうなるかな?

打ち合わせは猛暑の7月25日
編集のNさんがあらすじを楽しそうに聴かせてくれて、
そんな5分くらいの間にこの絵が浮かんできて、

アートディレクション担当の中嶋香織さんの方向性を確認して、
アトは描くだけで「ズバリ!」なものになるはずだな〜と。

あらためて原稿を読み進めたところ
(仕事で行った真夏の沖縄の往復の飛行機の中!)、
はじめに浮かんだ色彩とちょっと違うなと、

その色を出すには??

それに必用であろう紙も絵の具も買い直して、
猛暑の夏を通してあれやこれやの失敗の日々。
画面に汗がボタボタ落ちてやり直し、とかね。。

それでも1歩1歩イメージに近づき、
「コレだ!」と思い筆を置いた時は、
やはり1番はじめにイメージしたものとなんら変わらぬ絵。

ただ、ボクの心の「秋が深まった」

それは主人公であるジーナが登った
心の成長の階段と同じ高さ分の「深まり」なんだと思いました。

なんつってね、
この歳になってどこまでも青臭く仕事に向き合えたことがウレシい。
そんな夏の思い出。

そして秋。
手元に届いた「木の葉ちゃん」がきちんと秋の佇まいであったこと、
編集のNさんとデザインに中嶋香織さんの奮闘努力に感謝!

この本が日本中のジーナちゃんの手に届き読まれますよう。
長くおつき合いできる表紙の絵、描けたように思います。

++

ところで、
10月21日RainyDay bookstore & cafeでの
baobabとPoPoyansのライブ「秋の足音」

この本を販売させてもらうことになりました。

お時間お有りの方はぜひご参加くださいませ!

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