パン屋の仕事、絵描きの仕事


昨晩は吉祥寺のLocaliteでトークイベント
10/3まで開催のイラストレーション原画展「甘露なごほうび」
天然酵母パンのルヴァン富ヶ谷店の店長さん樽井勇人さんをお迎えして、
「仕事」について1時間半語り倒しました。
(写真右が樽井さん。頭を下げているのお2人がロカリテさん)

Localiteという場所は、
ジャンルを越えて「仕事」を紹介するというコンセプトで創られたので、
ボクの展覧会も「雑誌連載の仕事」として「甘露なごほうび」をチョイス。

渡辺満里奈さんのこのエッセイに1番多く名前の出てきた店ひとつ、
ルヴァンの店長さんを迎え、
名店と言われる店での仕事の、楽しさも厳しさもうかがうことで、
自分の仕事のこれからも考えてみたいと思いました。

ボクに不慣れであることと、
自分のヘタクソな絵に囲まれた気恥ずかしさとで、
進行は一々脱線してしまったかもしれませんが、
樽井さんのコトバは迷いの無い真っすぐなもので、
そのコトバのリズムに接するだけで、
日々どれだけ真摯に仕事を重ねて来られているのかを
感じられたように思います。

そんな仕事を支えているのが
現場でのコミュニケーションであるということ。

ルヴァンの創設者でオーナーでもある甲田幹夫さんのカリスマ性の元
1コのパンを作るために
日々重ねられるスタッフ同士のコミュニケーション

そこには研鑽もあるけれど遊びの余地もたっぷりとられている
そこにヨロコビがあるからルヴァンのパンが旨い

イラストレーションの現場でも
すべての仕事でそうありたいと願うのだけど、
これからは願うだけではなく、
自分から引き寄せたり創造してゆかねばなあ〜と、
澱みなくコトバを紡いでゆく樽井さんの隣りで痛感。

話はイベントに参加された方の質問から「品質管理」のことへ

ルヴァンのパンは「上出来も失敗もルヴァンのパン」
ということで良いのだとおもうけど、

もともとオーナーの甲田さんの考えは
「失敗しても捨てない」であり、
失敗したパンも値段を下げてお客様にお譲りしたり
ディスプレーに使われたり。

その品質の幅で人は遊び、育ち、人としての個性が磨かれてゆき、
この店から独立してパン屋として成功する人が多いんだと思いました。

ただ、その品質の幅の最低ラインがベラボウに高い!

本当に遊ぶってことは、
それを支える品質だったり経験だったり意思やらなんやら
スベテにおいて高い水準であってこそだなあ〜と、

(変な図でスミマセン、、)

そこをはき違えて「ルヴァンという素敵なモノ作りのストーリー性」ばかり
追いかけてしまうと足をすくわれるね。

朝4時にはスタッフ全員で仕事にとりかかり10時までノンストップ
8時にはお客様を迎え入れ、コミュニケーション&コミュニケーション。
明日への仕込みと生き物である天然酵母との会話などなど
繰り返される日々のリズム

やはり並大抵の仕事では無く

しかし、
始めは修行のようにして始まるルヴァンのパン作りだけれど、
そのうちに仕事を越えてライフスタイルまでに昇華するのだと。

でもって、
お客様もルヴァンで働く人も天然酵母も生き物
生き物を扱う仕事だから
当たり前にコミュニケーションが必要。

そんなことこそが樽井さんの話の芯であったような。

ボクはそんなパン屋がある街に住んでるおかげで、
仕事ってことの意味をいつも繰り返し考えるチャンスをもらっていて、
しかし、ほとんどのところで敵わないでいるなあ〜と。

清々しくも「やらなきゃー」と思えた話
樽井さんどうもありがとうございました!

で、聴くより食せ!ルヴァンのパンということで
ビヨンセの太ももほどある、カンパーニュとメランジェとブドウパンを
焼いてきて頂きました

毎日食っても飽きの来ない
そして腹持ちのいい「THE くいもの」
そんな顔したヤツら

ごちそうさまでした!

そして
お集りの皆様、ありがとうございました!

最後に
Localiteさんにとっては
ボクの展覧会もこの日のトークショーも初めての企画であり、
色々と手探りであったはずですが、
「仕事」というテーマでこの場所を動かしてゆくことに、
ちょっとした可能性を感じることが出来ました。

そんなこんなも、
ロカリテという現場でコミュニケーションを重ねて
盤石なものにしてゆかねばだな!

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