花は散るけど


吉祥寺のにじ画廊で4月21日から5月10日まで開かせてもらった
小池アミイゴ作品展「その辺に咲いていた花」が終わって1週間

あらためて
ご来場下さったみなさん
ありがとうございました

3・11をはさんだ2つの世界で
展示やワークショップやLIVEのあり方を考えるのは
なかなか大変な作業でありましたが

来場されたみなさんが残してくれた
「ホッとした」とか「穏やかな気持ちになれたとか
もしくは作品や展示に寄せて頂いた沢山の温かな言葉に出会い
こんな絵を描き続けてきた意味に気がつくとともに
2011年の4月21日にこの展覧会を始められて良かったと
今は思っています

せっかく足を運んで下さったのに
ワークショップやLIVEと重なってしまい
落ち着いて作品をご覧出来なかった方がありました

ボクの告知が行き届かなかったこと
大変申し訳なく思っております
ごめんなさい

ただ、この試み自体は
今の時代と吉祥寺という街とにじ画廊という場所に
上手く合致したもの
もしくは必要とされていたものであったと思います

そしてこれからもボクの創るものは
出来るだけ多くの方に開かれた
敷居の低いものであろうと思いました


最終日の夕方近くに来た友人が
サックスを吹いてくれました

それが色んな思いと共鳴して
この展覧会からすっぽり抜け落ちているものを
ピッタリ満たしてくれちゃったので
ちょっとこみ上げてくるものがありました

お客様として足を運んで下さった方は
そのすっぽり抜け落ちた空間に身を置かれ
お1人おひとりで感じたことを言葉にして
ボクに置いていってくれたんだなと思いました

音楽は素晴らしく
そしてズルいものだなあ〜

会期を通して流していたのは
大分で生活するbaobabの音楽

それはそのままこの花の展示の野原を吹き抜ける
風であってくれたようです

baobabにはボクの考えるテーマに沿った曲の制作をお願いしていたのだけど
今回は間に合わず、既存の曲をチョイスしただけに終わりました

しかし
3・11の中に在る東京に人たちにとって
baobabが大分での生活の中で生んだ唄こそが必要とされていたもので
ボクの思惑は心地よく覆されたと思っています

そしてbaobabには
東日本で生活するボクこそが助けられたような

昼過ぎにギャラリーに入いった時は
花の絵とbaobabの音楽に包まれウトウトしてたり

こんなことを今困難にある人にも届けられたらいいんだと思いました

また
ワークショップ&LIVEでは
baobabをはじめ、Hちゃんや花*花のこじまいづみさんに力を貸して頂き
2011年のこの時だからこその時間を創ることが出来ました

ありがとう

これはきっと始まったばかりのことで
これからもチャンスがある限り続けてゆきたいね!


空間を一緒に創ってくれたLIFT

ご来場下さったほとんどの方がLIFTの家具について触れることなく
それがずっと昔からそこに在るものであるかのように通り過ぎていってくれたこと

展示を終え作品をスベテ搬出したにじ画廊のスペースが狭く感じたこと

これはスゴいものを創ったなあ〜と感じました

ボクの作品との距離感も絶妙で
しかしアト半歩踏み込んできたら空間台無しになってしまう
ギリギリの緊張感と品格を持って在り続けてくれ

こういう展覧会って
お客様にお茶などをお出しするのが常なのですが
この空間を感じて頂くのに「味覚」はウルサいななんて
かなりエゴイスティックに思ったほど

これも3・11以前に話し合ったものと違ったカタチになりましたが
しかし
ボクらは創ることで生きてゆくんだという部分でブレることなく
ともかくこの空間を創ったということです

LIFTの八木くん
搬入搬出のご苦労もふくめ
ありがとうございました

次にLIFTと何を創るとかまったく白紙だけど
「創る」ということに関しては
お互いの敷居をドンドン高くしてゆき
もっとスゲーものを創るイメージが重なった時があれば
そりゃースゲーものを創るぜ
そんな風に思っています

搬入&設営の際には
ボクのいい加減な情報を信じ北九州から飛んできてしまった
イラストレーターの熊谷玲さんが
莫大なるお手伝いをしてくれました

バカヤロウでごめんなさい
そして
ありがとう

そしてもうひとり
DMとフライヤーをデザインしてくれた遠藤舞さん

LIFTが創ってくれたことと同じレベルで
今回の展覧会のことを想像し
それにピッタリと当てはまるデザインを添えてくれました

ボクの絵を100%尊重してくれてなお
端正だけどセクシーでもある佇まいの紙切れ1枚の有り難さ

長い付き合いになる彼女だけど
ものを創る上で1本ピシッと線を引いてくれた上での
セクシーな作業

ありがとうございました!


にじ画廊のみなさんに対しても
ウルトラサンクスを捧げねばなりません

企画展として多くの優遇を受けて開催出来たことだけでなく

展示という日常の中のほんとに些細なところに
大きな愛を注いで下さったこと

それが実にさりげなくてね

そんなこんなが
ただただ有り難く幸せなことでした

おべんちゃらとか抜きで
この展覧会はこの人たちと一緒に創っているんだと感じました

日本の14カ所を廻ってきた展覧会ですが
それはその土地で真摯な姿勢で仕事を重ねられてこられている
カフェや雑貨屋や花屋といった方々に甘えてのこと

今回のみを「個展」と呼ぶのは
やはりギャラリーというシステムがあってくれたからこそ
作者の責任でのみ立つ事が出来たということです

はじめは作品の販売をためらっていましたが
「この人たちが手渡してくれるのであれば」という安心感から
実際に数点を販売するに至りました

スタッフのみんなは
それぞれモノを創ることに取組んでいる人たちでもあり
これからもお互いが高め合える場所を創り続けていってもらいたいね!

ほんとたくさんのこと
ありがとね!

閉廊ギリギリの時間に
青山にあるギャラリーのオーナーさんが足を運んで下さり
来年の春にボクの展覧会を開くお話しを届けてくださいました。

「その辺に咲いていた花」は吉祥寺のにじ画廊で散りましたが
ここでのご縁が来年の春に新しい花を咲かせますね!


最終日の閉廊時間の20時を過ぎて飛び込んできたバカヤロウがいました

孤独で人ったらしで頑固な(彼の生活している津軽では「じょっぱり」て言うね)お人好し

彼とは2年前の5月2日に下北沢で腰が抜けるくらい酒呑んで
明け方に別れ家にもどり玄関を入ろうとしたら
彼が携帯を通して泣きながら清志郎が死んだことを告げてきて
ボクの足元にはラデッシュの花が咲いていて
しょうがないのでラディッシュの花の絵を1枚描きました

ボクが創っているものはこんなものばかりです

そして
ボクはこれからもこんなものを創ってゆくんだと思った
今回のにじ画廊での時

孤独を肯定して人を愛し
傷つくことは、まあしょうがなく思い
そんなこんなとどうにか折り合いをつけながら
立派でないものを創ってゆきたいなあ

その前に

この展覧会は
森木さんや羽場さん
藤岡テッシンくんやサニーくん
まっちゃんやDONNAちゃん
清志郎とかよしえさんとか溝口さんとか
ここに書き切れない人々との出会いのヨロコビが
カタチになったものだと思います

そして
3・11から1ヶ月が過ぎ
展覧会の搬入も間近に迫った日の夜
永井宏さんの著書『恋することについて答えを出そう』に触れ
満開の桜の花を描き
この展覧会やボク自身
もしくは今ボクたちが生きている世界に
テンダネスを添えてみました

描いた桜の花の向うの空はネズミ色ですが
それを何色にしてゆくのかは
今を生きているボクたちの責任ある仕事ですね

そんな厳しさも抱えたロマンチックとテンダネス
ちょっと「描けた」と思った作品が最後に生まれた展覧会は
ボクの静かなロックンロールショーでもありました

あらためてみなさん
ありがとうございました!

アミイゴ
2011
PEACE!!

最後に、

ご協力下さったみなさん
ありがとうございました

そして
展覧会のすれすれ手前で支続けてくれた家族に
ありがとう

おつかれちゃんにもちょっと語ってもらいました
http://bit.ly/m1Rafq

コメント / トラックバック 8 件

  1. vivia より:

     
    アミイゴさん!
    ありがとう!
    ピース!

    アミイゴさんの作品‥

    (岡本太郎さん曰く、
    ‘いつか’ってぜったい云っちゃいけないんだけど、、)

    アミイゴさんの作品、
    いつか、
    オーダー、
    します☆

    目標は来春!
    青山で、ですね♪
    その時はよろしくお願いいたします!!!
     

  2. >viviaさん。
    今回はほ〜〜んと、何度も足を運んでくださり、ありがとーございました!

    それにしても
    絵の販売は難しいです。

    そして、つくづくご縁であるなあ〜〜。。

    今回は思いがけずに売れて行った作品が多くて、
    しかし、
    そこには確かな必然があって、
    それを買ってゆかれた方に対する信頼も感じて、
    スベテが有り難い別れであったように思います。

    でもやっぱ、一点一点との別れは
    切ないものでもあってね、、

    で、
    ならば「こういうのを描いて」というオーダーがあれば、
    それはそれで受けてゆこうと思いました。

    それでも、
    展覧会での絵との出会い頭の一目惚れの楽しさは
    別格であるしね

    う〜〜む、
    ともかく良いモノを創り続けてゆかねばです!

  3. vivia より:

    絵を売るとその人だけの眼にしか触れなくなる。
    だから岡本太郎さんはネクタイのデザインとか、
    大量生産できる絵のお仕事にシフトしてった時代があったみたいです。

    アミイゴさんが苦しんで産んだ作品ですものね、、
    でも絵を買われた方々は24時間365日、
    真摯にアミイゴさんの作品と向き合っておられる事でしょう‥
    済みません、
    なんかうまく云えないんですけど、
    そう想いました。

    チャリティった絵は私のアパートの片隅で、
    ひっそり咲いています☆
     

  4. >viviaさん。
    いやいや、そこまで考えて下さって、、

    良いモノ創るモチベーション
    たっぷり頂きました!

    ありがとね!!

  5. まきこ より:

    アミイゴさんの絵。お世辞でなく、すてきです。
    はじめてこちらのペイジを、なにかのご縁で、引力?で、訪れさせていただきました。
    もっと早く存じあげていたなら…展覧会に駆けつけたかったです。
    でも、後生楽な私。作品にお会いできること、未来の楽しみにしようと思います。
    小野竹喬さんの沖の灯、という作品を思い起こしました。
    今、やわらかい気持ちになっています。ありがとうございました

  6. より:

    アミイゴさんの作品展行けてよかった

    階段をのぼって、、、ああ、気持ちいいなあって。
    その気持ちが残ってる

    一枚一枚の絵をじっくり見ていったり、たくさんの絵が入るように遠めで見てみたり、
    いろんな角度からおもちゃをながめてみたり、パソコンに映し出されるたんぽぽから目がはなせなくなったり 
     楽しかった

    そしてなにかをあれこれ考えはじめちゃって
    いろんな思いが絡み合ってきて

    あの時、吹かせてくれてありがとうございました!

    ぼくにとってとても大切な一歩
    おおげさかもしれないけど、本当に

    あの写真使ってもいいですか?
    ブログ始めてみたのです

  7. >まきこさん。
    うれしいお言葉、ありがとうございます。

    そして、
    あらためて小野竹喬さんの作品を見てみたところ、
    これからボクが描いてゆきたいと思っていた景色に出会いました。

    ちょっとビックリです。

    次の展覧会が来年3月に決まっております。

    その際は是非足を運ばれてみてくださいませ。

  8. >栗さん。
    写真、使ってみてくれよ。

    この展覧会はどれだけ普通のコトが描けるのか、
    そんな挑戦であったよ。

    そして、
    ボクの思う普通とは、
    ボッカリ穴の空いたものなんだなと気がついた展覧会でもあった。

    その穴は見た人が埋めればいいやってね。

    栗さんの鳴らした音は
    まさにその穴にピッタリ収まって、
    「やっぱそういうことか」ってボクに確信を与えてくれたよ。

    そしてボクのレクイエムが完成。

    ボクはこのままボッカリ穴の空いたまま
    絵を描き生きてゆくんだとも思った。

    ありがと。

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