49ヶ月め

MIYAKO2015047
今日は2011年3月11日から4年1ヶ月
1492日
49回めの11日です。

株価が15年ぶりに2万円代を記録したことが
ニュースを賑わせています。

経済的な余裕は
それを本当に必要とされる人を助けるものであればと願いつつ、

4年前の暗闇の中で考えた
「これからはすべての価値観を見直し生きてゆかねば」という思いの元、
お金に踊らされるような価値観とは一線を画した、
人にとって本当の豊かさとはなんであるのかを
一生をかけて考え続けるような生き方を息子には授けられるよう、
やはりボクも考え続けてゆかねばと思っています。

R0010417
4回目の3月11日を過ごす前後で、
猪瀬直樹さんの「救出」を読みました。

3月11日の大津波に呑まれた気仙沼で
公民館に取り残された446人はなぜ無事に救出されたのか?

そのキーとなった1人ひとりの「人となり」や
気仙沼という街の成り立ち、

救出に至る決定的なツイートが発せられたロンドンの
ある街区でのコミュニケーションの特性にまで踏み込み、
生死を分けた一瞬一瞬の判断が生まれた理由に迫る。

年明けからずっと仕事が立て込んでいて、
深夜3時から読み始めるとかだったのですが、
緊迫した空気とすぐそこに感じる「人」の存在に焚き付けられ
一気に読み終えた1冊です。

保育園や障害者施設のスタッフさんの
「もしも」に備えた日々の取り組みと、とっさの際の機微、
その素晴らしさに
人というものへの興味がさらに高まったようです。

そして、
「被災地」「東北」「三陸」「東日本」
頭の中に歪んで描かれていた地図が更新されたような。

あれから4年めの春。

これからさらに加速するであろう風化というリアル。

そんなタイミングで未来に向け共有すべき被災の中の「成功体験」

成功の中には
あらためて失われてしまった1人ひとりが生きていて、
その両方に対する日々のイマジネーションの研磨の必要を考えています。

R0010418
岩手日報社の「明日への一歩」は2011年11月刊行。
震災後の新聞紙面から構成された『復興の証言集』

先日行った宮古で岩手日報の方から頂いた一冊です。

その巻頭に掲載された震災から5ヶ月、
2011年8月に空撮された「被災地」の写真。

中央のメディアを経由して届けられる写真は、
「悲惨さ」にフォーカスされた一面灰色の風景だったけど、

現地の新聞社がチョイスした写真には
津波にさらわれた土地に緑の草がチラホラ生えているのが見えるのが、
この土地を愛しく思う気持ちの表れのように感じました。

それは写真だけでなく、
構図やトリミング、色調などのデザイン的な要素でも、
やはり土地への愛を感じる。

中央と現地のメディアでのこの違い、デカイなあ〜。

それは「復興」に対する現地の方とその他の土地に暮らす人との
イメージの違いなんてことにも感じるもの。

もちろん、被災地とそれ以外という単純な線引きで
なにかの判断をして良いものでは無く、
少なくともボクのような立場のものは、
たえず個人への想像力を働かさなければであり、

現地を歩いた「凍える寒さ」や「意外な暑さ」なんて記憶は
心の片隅に置きつつ、
どこで何を見てだれとどんな話をするのか、
ここでもイマジネーションをハードワークさせ続けなくちゃです。

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3月の終わりにclammbonの新しいアルバム「triology」が届きました。

震災後、それまで耳にしていた多くの音楽は、
心に届かないものになってしまいました。

そんな大きな氷の塊のような中から、
本当に必要なものだけ削り出してきて、
そうやって再会する音楽は
日々の生活に美しく寄り添ってくれています。

しかしclammbonの「triology」は
その氷塊に強力なクサビを打ち込んでくれたような。

耳が一気に生き返ったような感じで、
とても新鮮な気持ちをもって音楽に触れています。

生活に寄り添う音楽を愛しながらも、
生活を決定づけるような表現との出会い、
格別のヨロコビであります。

clammbonと出会ったのは
阪神淡路大震災からまもない頃の青山。

20年続けることの意味深さ、
ここから未来を想像することが難しい時代ですが、
勇気をもって噛み締めています。

コメント / トラックバック 2 件

  1. 原子 学 より:

    アミーゴ小池 様

    先日は(12日)笹塚ボウルにて、酔っていたとはいえ大変失礼致しました。
    申し訳ございませんでした。

    原子 学

  2. 小池アミイゴ より:

    >原子 学さん。
    いやいや、なにも失礼なことはなかったですよ!
    先日はほんとお久しぶりでありました。
    またご縁があれば楽しい現場をご一緒しましょう。

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