40ヶ月め

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今日は2011年3月11日から3年4ヶ月
1218日
40回めの11日です。

1200日めあたりのボクは、
「東日本」と名付けた展覧会を福岡で開催し、
そのドローイングと言葉を構成した展覧会を佐賀で開催しています。

どちらも、じっくりとお付合いを積み重ねてきた
顔の見える関係の個人からお声かけ頂き実現した現場。

そんなお気持ちに答えるため、
先日は佐賀-福岡と2日間に渡り、
ワークショップとトークセッションの時間を創りました。

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そこで生まれたコミュニケーションは、
ボクの想像をはるかに越えた熱いものでした。

いや、こういう現場をみんな渇望していた?

あの日から3年4ヶ月たっても、
「被災」からこちら側に暮らすボクたちには、
まだまだ出来ることもあれば、
やらねばならぬこともあるなあ〜と、
そんな確信のスベテは、
ボクと向き合ってくれたみんなの目の輝きが
裏付けとなってくれていました。

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佐賀大学美術館に併設されたcafe sonessでの時間は、
展覧会設営が終えた直後で開催。

ボクにも、ボクの作品にも初めましての、
主に美術工芸科の学生さん10名ちょっととの時間。

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絵やイラストレーションをコミュニケーションに利用してゆくような話し、
もしくは、ボクがどうして絵を表現道具として選択したかとか、
セツモードセミナーで掴んだ「個性」というものの意味とか、
その後のワークショップも含め、
テクニカルなことより、表現のモチベーションに繋がるような話しばかりだったかな。

そんな中で、3月11日に失われたものがなんであったのか?

ディスカッションに近いカタチで
考えを交換出来たのがうれしかった。

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あとはその後の居酒屋打ち上げも含め
下らない話しばかり。

その分、若いみんなが「今」を大いに語ってくれて、
それはボクの次の製作のアイデアに昇華出来るものばかりだった。

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ひとつ確認できたことは、
ボクが描いた絵でも、
sonessが提供しているごはんにしても、
それなりに手がかけられた
作り手の顔の見えるものの前では、
そこで生まれる会話の質も違ってくるってこと。

それは学食での食事との対比で発生した考えだけど、
その是非を問うものでは無く、
しかし、作り手の顔の見えるものをチョイスすることは、
ボクたちの未来をチョイスすることでもあるなあ〜という話し。
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こんな話しのひとつひとつは、
権威に縛られないカフェという装置があってこそ。

今年で11年の付き合いになる
sonessのオーナー木下雄貴くん。

よくぞこの現場にボクを引っぱってきてくれたぜ!
ありがとう。

展覧会は13日まで。
しかし、また行くぜ!soness佐賀

そしてボクは福岡へ。
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10日間の会期最終日のアトリエ穂音での「東日本」

日を追い、口コミにより足を運んで下さる方が増えていった感じは、
2012年3月に、初めて東京青山のyuiで「東日本」というタイトルの展覧会を
開いたときの空気と似ていました。

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そもそも、ボクは2003年の夏に福岡のみんなと知り合い、
ひとつのイベントを創ると共に、
それから数年をかけ、
街を歩き、人とコミュニケートする術を身につけていった。

その間、中越地震のチャリティーを共にしたり、
福岡西方沖地震は直下で遭遇し、
そんな際に必要とされるマインドを探り合ったり。

そうやってじっくり(ボクと接するみんなは、実にせわしなく感じただろうけど)
お付合いを続けてきた先で、
静かな絵の空間をやっと創れることが出来た。

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最終日のワークショップ&トークセッションは、
当初の考えをバラして、オープンなものとして作り直し開催。

「カモメの絵を見て、キレイだと思ったから参加したら、テーマが『東日本』だった」
という方がいてくれたり、

ともかく、間口は「美しさ」でこじ開け、
ワークショップでみんなのコミュニケーションのドアをノックし、
ボクたちの美意識を確認しあうことで、
会話はスムースに踊り出したって感じ。

以下に印象に残った会話からのエッセンスを
抜き出して記録しておきます。
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まず、3年4ヶ月たっても、
ここに集まって下さった方は、未だにその渦中に生きているってこと。

多くのディテールは曖昧になりながらも、
3月11日の惨禍を目撃した「辛い」「苦しい」などの感情は押し殺されたまま、
「無力感」を罪として背負ってしまっているように感じました。

それが、絵に接することで、もしくはワークショップを通して、
解放されたような時間。

「義援」をとても重い責任として考えてしまわれている方もいましたが、
これは、ボクの持論だけど、生きるのに必要な水や空気を差し出すような行為で、
義援する側の「表現」ではないどころか、
「ありがとう」なんて言葉さえ求めるものじゃ無いってこと。

では、義援を長期支援に変えてゆくにはどうしたら良いのか?
そうすることが人に対する「押しつけ」になってしまわぬか?

ならばいっそ、自分の無力を認めてしまうところから始めなければだなあ〜と。

それは、自分の大きさを規定するわけだから、
なかなか大変な作業だったりします。

そのために、日々目線の高さの同じ人を知っておくことが大切なんだと思います。

いやいや、そんな人を見つけるのも大変かもしれない、
ただ、いわゆる「友だち」を作るってことじゃなくて、
その存在を視野に入れておくだけでも充分なことで、
SNSなんてものは、本来それくらいの道具として使えたらいいよね!

そうやって無力で小さなひとりはどこに向ってゆくのか。

今ボクが答えめいたことを言えるとしたら、
「ひとりはひとりに向ってゆけばいいじゃん!」てこと。

大変状況に置かれた土地で
共感を得られるひとりに出合ったならば、
その方とのコミュニケーションから、
必要を導いてゆけば良く、

これはこれから先も継続可能な作業であると共に、
自分の人生を確かなものにするイメージ創りに繋がるはず。

そして、もし我が身になにか起きたとしたら、
もしくは、身近な場所でなにかが起きたら、
ひとり対ひとりの関係、そこから得た経験は、
きっと生きる力になってくれるはず。

このひとりとひとりの関係性の循環、
そんな関係性が自然と発生してゆき、
束となって感じられるようになった時、
もしかしたら「復興」という実感を、
ボクたちは手に出来るかもしれない。

そうするためには、
ボクが福岡の街を歩き始めてから、
この展覧会を開くことが出来た11年、
それくらいの時間は最低覚悟していいし、

その関係にちょとでもヨロコビを感じられるようであれば、
10年なんてあっという間だったりもするはず。

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その他、絵を描く意味やモチベーションについてなど、
中学の先生をされている方と、
教育現場の閉塞感に関してなどについても、
ともかく語り倒した。

そして、こういうことが本当に必要なんだということを実感した時間。

ノドも枯れ、東京に戻ったらダウンしてしまったけれど、
ボクが福岡から頂いたマインドに対して、
ささやかにして最低限のものだけど、
まずはお返ししたような時間。

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ボクは今回手にしたみんなのマインドを携え、
次の場所を目指し、また美しいえの1枚でも描けたらだと思っています。

そうして、また佐賀や福岡のみなさんになにか見てもらえるかどうかは、
顔の見える関係の方が声を上げてくれさえすれば、

今回はアトリエ穂音を主催する比佐水音さんの情熱の現場、
それはボクの描いた絵も含めて彼女の現場が生まれ、
そこに街のみなさんも、ボクも、足を運んだということ。

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そんなどうしようもなく特別な時間をありがとう。

なにより、
会期終了後に彼女が綴ってくれたブログの一文
「今度は自分が、作家として自分の力で人に伝えていかなければ」
こんな言葉をボクたちは共有出来たことが、幸せだ!

こんな言葉を共有出来るまで11年
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被災地と呼ばれる土地、
今台風被害に遭っている土地、
福島第一原子力発電所に苦しめられている土地、
もしくは、もっと身近に起こっている痛みや苦しみ、
いやいや、急激に表情を変えていってる福岡の街でも、

そういうった1つひとつに
早急に対処しなければならないことばかりだけれど、
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ただ、ボクたちは無力と時間をもって
じっくり創り上げてゆけるものはある。

そういう1コ1コを風通し良く語れる現場が、
美しい絵の前であるよう、
そんなものを創り続けてゆこうと、
いや、
「アミイゴ、創ってきんしゃい」と
言われたよな〜
きっと。
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2014
0711
PEACE!!

コメント / トラックバック 1 件

  1. 穂音 より:

    アミイゴさん
    本当に、お疲れ様でした。
    そして、ありがとうございました。
    又、穂音で、ワークショップ&トークセッションされてください。
    今回聞き逃した方も、沢山居ると思います。

    淡路島NEHAでの展示始まりましたね。
    沢山の波と風と海から又、エネルギー貰ってくださいねー。

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