ある結婚式
新郎の出身校で今は廃校となった中学校の体育館を使い
家族や友人たちの力で創り上げた結婚披露宴は
たくさんの唄や音楽と共にコドモからおじいちゃんおばあちゃんまで
笑顔のあふれる時間でありました
個人的なことなので
この経験を詳しく描写することは避けますが
披露宴の最初の方で新郎の知人代表として語らせてもらったことを
ちょっと整理して残しておこうと思います
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彼と出会って4年
初めて出会い耳にした彼の唄や音楽は
彼の生きて来た時間だけが
無駄に着飾ることなく
キッチリそのまま鳴っているように感じました
それはボクが音楽の現場で初めて経験したことであり
こんな美しさを持った日本人に出会ったのも初めてのことでした
そんな唄や音楽が生まれる土地や生活とは?
1ヶ月ちょっと先でボクは東京から彼の生活する土地に足を運び
彼や彼の家族、その生活に触れ
やはりそこで感じた美しさを
それを必要とするであろう多くの人に伝えたく思い
彼らと表現の現場を共にするようになりました
彼らから感じた美しさは
ボクの人生に少なからずの影響を与えたということです
そうして今この結婚披露宴に参加させてもらい感じるのは
やはり生きるための美しさ
ボクはそれを懐かしく思います
群馬の田舎で生まれ育ったボクの記憶にある結婚式も
こんな感じで手作りされ
女衆が土地の季節の食材を使い
うどんを打ったり天ぷら揚げたりイモを煮っころがしたり
コドモたちが御馳走に笑顔でいる隣りで
おじさんが酔っぱらってオカシナ唄をうたいだして
それがまたそのおじさんの生きて来た時間そのもののような唄だったりして
そんな人々が創る当たり前の美しい風景や生きる智恵を
手放し忘れ、失ってしまった時代が続いてきました
グローバルという言葉を経済用語としてのみ使ったり
「幸せ」という言葉ひとつにしても
すべてお金に変えて考えるような価値観に支配されてしまった時代
今はそんな美しさを取り返す
ギリギリ最後のチャンスなのかもしれません
この土地で2人が結ばれ生活してゆく中で
ホンモノの幸せを手にしていってもらいたい
ホンモノの幸せとは
誰かに与えてもらうものではなく
ましてはお金の価値に置き換えられるものでもなく
今は幸せのスタートラインに着いたばかりの2人が
今ある美しさをさらに磨き
この2人だからこそ生まれる価値観を育ててゆくことで
はじめて手に入れられるものだと思います
そんな価値観をこの土地の人々と交換しあうことで
この土地の美しさがさらに磨かれ
東京に暮すボクたちはそれをウラヤマシく思い
またここに足を運んでしまいたくなるようにしてください
この土地で世界を想像しながら
目の前にある美しさを磨いてゆくことこそグローバルであり
東京の価値観を持ち込む必要も無く世界へのトビラは開かれるし
世界の中心にさえなり得るのだと思います
ボクらも負けずにボクらの価値観を磨いてゆきます
そしてお互い大きく呼吸するようにして美しさを交換してゆけたら
きっと世界はもっとスバラシイものになるんだと信じています
そのためにまずは2人が元気で
品良く美しく暮らしていってください
+++
以上
記憶の端切れを繋ぎあわせ
舌足らずだったところは整理して
ほんとこんなこと話したっけかな?なんて感じですが
これはすべての「地方」へのボクの思いであり
これからの時代に必要は表現のあり方を考えたことでもあり
なにより
そのまま自分自身への戒めでもあるのだと思います
そして
こんな経験をサプラズとして消費してしまわず
自分が暮らす場所でこそ創ってゆかねばと


