「ファーファー」3/8富ヶ谷ルシャレ

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music bird 最後のワルダクミはボクのエゴです。

うちの近所のパン屋“ルヴァン”のカフェ“ルシャレ”でPoPoyansライブ。

以前この店が冬の間出してくれる白湯に感じたモノがあり、
そんな白湯一杯の有り難さに見合う音楽でお返しをしたかった。

それがmusic bird の最後を飾るものであれば、
このイベントの意味を深めてくれるものになるだろう。

もうひとつ、

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10年前に雑誌Oliveの創刊400号記念の号で
小説が久々に掲載されることになり、
その挿絵の依頼を頂きました。

それはレベッカ・ブラウンの短編「汗の贈り物」であり、
後に「体の贈り物」として一冊の本にまとめられた挿画も描かせてもらえた作品。

それは担当編集女史のもの凄い情熱に支えられた仕事でした。

バブル崩壊後のモヤモヤとした気分を蹴散らす熱気。

とても密なコミュニケーションの上にイラストレーションを構築。
お互い意見の食い違う事、腹の立つ事さえもあったと思うけど、
それ以上に「いいもの作りたい!」という情熱が勝る作業。

そんな中で「汗の贈り物」に出てくるシアトルの“シナモンロールを売る店”を描くことになり、
そのイメージを構築するためにルヴァンを写生し、
それを元にしたイラストレーションに昇華させました。

この1枚の絵からは数々の仕事が始まるきっかけになり、
ボクのイラストレーターとしてのキャリアの中で
最も重要なものの1つとなりました。

Olive400号が手元に届いた際、年下の編集女史に贈った言葉。
「ありがとう、これで10年はイラストレーターとしてやってゆけます!」

あれから10年。

あの時の熱と同じ種類のものを音楽で感じさせてくれてるPoPoyans。
それがルヴァンのルシャレで演奏。
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それはボクの必然であり、
やはり激しいエゴです。

激しいエゴを確信を持って振りまくことでしか発しない熱があり、
その熱でのみ生み出されるモノを手にするヨロコビがあります。
それは、それで起きる“事態”の責任をスベテ背負う覚悟を持ってこそ
手に入れられるモノです。
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ボクのエゴにみんなを巻き込むことで、
10年くらい先に待ってるナニかを掴んでもらいたい。
そんな気の長いワルダクミだったりもします。

そんなワルダクミを今に翻訳してくれる曲をPoPoyansが生んでくれました。
「ファーファー」(この書き方でいいんかな?)
“far far”で「ファーファー」

マイナースケールから始まり
メジャーコードの開放的なギターストロークを越え断絶、
静けさの中に消え遥か遠くにイマジネーションを飛ばす曲。

去年の10月の旅で手にしたことから紡ぎ出し
生み出してくれたんだと思っています。

それがmusic bird という試み、
そしてその最後に行ったパン屋小さなカフェでの、
パンとワインだけの小さなオツカレサマ会の意味を翻訳してくれました。
(言葉としてもそのホトンドを翻訳してくれてます>のんちゃんブログ

これに参加された方は、music bird に関わった中の一握りですが、
この熱を10年後にまで保ち、
それを必要とする人に分け続けてくれていると信じます。
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今回、やれることはスベテやって、
しかしやり切れぬことばかりを感じてばかりではありましたが、
手っ取り早いサプライズな表現には触れる事無く、
愚直だけど“実”のあることは出来たんじゃないかと思います。

そんな中での真のサプライズとして、
何よりも自身の過去と未来の10年のために、
ルシャレという場所とPoPoyansにご協力願えたこと、
感謝します。
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最後に、
体調最悪のクセして最後まで笑顔で対応してくれたルシャレのAちゃん、
ありがとう!

そんな頑張りで街のヨロコビは保たれるのだと思ったよ!
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peace!!

以上、
長くなりましたが、
music bird に関するボクの記録はここで筆を置きます。

思うに、
こういったことに職業的経験に裏打ちされた冷静な言葉で語る
なんて力はボクには無く、
どうしても個人史を辿りながらの主観に陥ってしまいます。

もしかしたらトンチンカンな言葉ばかりを残してしまったかもですが、
その辺はまた顔の見える場所で語り合い、理解し合ってゆけたらと願います。

このイベントに力を注いで下さったみなさん

足を運んで下さったみなさん

あらためて

ありがとう!
2009春
PEACE

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