日曜日の井の頭通りを歩きました。

dsc09906
3月に行うイベント music bird は、
井の頭通り沿いの3つの街の3つのお店で行われます。

もともと繋がりのない店3店です。

それを繋いで生ものである唄を扱うには、
それぞれの街や人を知り、
その店のマインドに触れておかなければなりません。
dsc00002
CHUBBYのSくん謹製の“バードちゃんバック”に、
キッチンのKくん謹製の“バードちゃん握り飯2ヶ”を頂き、

2月15日、曇ってはいるけどこの季節にしては暖かな日曜日の正午、
ボクたちは20人で代田橋CHUBBYから歩き始めました。

dsc09911
京王線代田橋駅の1日の乗降客はおよそ2万人。
伝説の巨人“ダイダラボッチ”の足跡と言われる窪地
“代田”にあった橋が駅名の由来だそうですが、
「代」「田」「橋」の漢字の意味から昔の風景を想像するに、
水利の良いのどかな田園風景が広がっていたのではないかな?

地名で言えば世田谷区大原。
甲州街道、環状七号線、井の頭通り、玉川上水が交わり、
和田堀給水所を有する土地は、
広大な武蔵野台地の上に広がった“大きな原っぱ”だったそうです。

関東大震災で被災した下町の多くの人が転入し、
一気に宅地化された東京の郊外、世田谷。

混乱の先で生まれた入り組んだ区割りによる住宅街は、
太平洋戦争の空襲被害も少なく、
それが現在の世田谷区の景観に繋がります。

そんな世田谷の大原から北沢辺りの住宅街の景観に
決定的な影響を与えたのが玉川上水。
dsc09925

東京の西部から開削され四谷大木戸までの43キロを流れ、
江戸の街の市民のライフラインだった上水は、
明治、大正、昭和と時が進むにつれ、飲料水を供給する役目を終え、
この辺りでは高度成長期に一部を残して暗渠化されてしまいました。

ボクらは水の流れに沿って生まれた街や田んぼの景色を想像しながら、
緑道化された玉川上水の上を歩きます。
dsc09917

それはヒトリヒトリの勝手な想像であり、
間違ったイメージかもしれないけれど、
ともかく楽しいことです。
dsc09927

行政や巨大デベロップメントの思惑なんかと別のところで、
ヒトリヒトリの切実さや夢や喜びなんかが集積して生まれた街、
愛しいですよね。

暖かな陽気と豊かな想像で、
自然に鼻唄も生まれる街歩き。
こんな鼻唄からホンモノの唄が生まれたら楽しいことだね!
dsc09936

代田橋を南東の方向に横切り流れる玉川上水は、
北に向かってグインと大きくカーブを描き笹塚駅にぶつかります。

甲州街道の一里塚が笹に覆われていたそうで“笹塚”と呼ばれた土地は、
江戸の外に生まれた新しい街“内藤新宿”まで4キロくらい。

昔の旅人はこの辺りから江戸の賑わいを感じはじめ、
残りわずかの旅心を奮い立たせたのかもね。
dsc09940

笹塚駅にぶつかった玉川上水の旧水道は、
再び南東を目指しグインとカーブ、
井の頭通りと中野通りの交点大山の交差点辺りを目指します。
(ちなみに、京王線は玉川上水“新水道”の地下遺構を利用した地下鉄として、
 新宿から笹塚までの軌道を造ったそうです。)

dsc09949

中野通りにぶつかった玉川上水はまた北西へ、
幡ヶ谷や初台をかすめ新宿から四谷大木戸へ。
そこからは地下上水道として分水され江戸の街を潤したそうですが、
新宿から先には当時をしのばせる遺構は残っていないそうです。

こうやって辿ってみて初めて実感する、
失われたものの大きさです。

ここから分水された玉川上水は、東北沢を抜け恵比寿へ。
ビールを作る水になってたなんて歴史も面白いのだけど、
今では“三角橋”なんて地名だけで偲ばれたりです。

ここまでユックリ歩いて1時間。
ボクらは中野通りから玉川上水とは別れて大山の交差点を左折、
井の頭通りを代々木上原方面に歩きます。
dsc09951

井の頭通りは代田橋の駅の目の前の和田堀給水所から、
現在の代々木公園に在った代々木練兵場に向けて開削された上水道、
その上に造られた道路だそうです。

そうか!それでで“なんとも真っすぐな道”であるわけだね。

代々木上原辺りの井の頭通りは拡幅工事も完成して、
“誰か”が代官山のような商業地区を目指しているのかな?
怪しい開発が入った怪しい景観になりつつあります。

ならばと東京ジャーミーを見学。
dsc09955

日本で最大のイスラム教の礼拝堂にため息をつきつつ、
怪しい開発でこの街がヘンテコな事にならぬよう、
心の中で祈ったのでした。

それにしてもハラが減った、、

ボクらは“大山”を下り“上原”へ登り、
music bird 参加店の代々木上原のdishを襲撃。
dsc09964

日曜の昼時、家族連れでにぎわう店からサルティン・ボッカをゲット。
dsc09962

ありがとう、dish。
いただきま〜す!
dsc09966

ここから代々木上原ネコ道探索。
dsc09970

花屋を襲撃したり、
dsc09969

パン屋
ドーナツ屋を襲撃したり、
dsc09976

コブシの花が咲いてしまいそうな暖かな日曜の午後の代々木上原辺り。
dsc09975

個人の頑張りが街の顔となって見えるからなのかな?
「初めてこの辺を歩いた」なんてみんなの目が輝いていましたね。

井の頭通りからまた水道通り商店街なんて名前のついた脇道へ、
代々木八幡の駅に抜けます。

代々木八幡駅から見上げる山の上にはもちろん代々木八幡宮があり、
街で営みを続ける人たちの心のより所になっています。

水道通りの下はもちろん暗渠で、
渋谷川の源流のひとつ宇田川に繋がります。

宇田川も暗渠で“宇田川遊歩道”として整備され、
渋谷の繁華街に吸い込まれるようにして続いています。

その宇田川に唱歌“春の小川”で唄われた河骨川が交わる辺りに、
music bird 参加のイタリアンレストランLIFEが5年ちょっと前に生まれました。
dsc09984

渋谷や原宿まで歩いて15分、新宿まで電車で5分、
代々木公園は目と鼻の先。

のどかであったであろう“春の小川”の土地に、
ユッタリとした時を手に出来る店が出来たことで、
この街は失ってしまったモノの一部を取り戻せたかもしれませんね。

代田橋から直線距離で3キロ、
なんだかんだで4キロちょっと2時間半歩いた街ピクニック。
dsc09994

ちょっと疲れて、スゴくハラを減らして、
ボクらはこの散歩の目的地、代々木公園に向かいます。
dsc09996

そこには先回りして待ってくれていたのが、
LIFEの店主Aさんとスタッフのみなさん。
dsc09998

大鍋いっぱい煎れたコーヒーをサーブしてくれました。
dsc00011

そしてボクたちはCHUBBYのKくんがこしらいてくれた
優しい旨さの“和&洋鶏メシにぎり”2コをむさぼり、
dsc00006

dishが「挑戦」と言ってこしらえてくれた
具沢山激旨サルティン・ボッカをむさぼり、
dsc00007

LIFEのSちゃんがこしらえた
質実剛健にして愛情タップリの焼き菓子を頂き、
dsc00013

コーヒーをユックリと有り難く頂きました。
dsc00016

ごちそうさま!

dsc00020

ご協力下さったCHUBBY,dish,LIFE,ルヴァンのみなさん、
ありがとうございました。

帯同してくれたCHUBBYのKくん、LIFEのSちゃん、
オツカレさま〜!

企画運営管理全行程を歩いてくれたCHUBBYのTさん。
オツカレさまでした!
dsc00017

一緒に歩いたみなさん。
疲れたけど美味しかったですね!!

ボクたちは実はステキなことばかり目にしたわけではないけれど、
今度は今みなさんが住まわれてる街を、
こんなふうにして歩かれてみたらいかがでしょうか?

そして、
ボクたちの足元から街が人が楽しくあるようにしてゆけたらいいですね! 

そして3月、
またこの街で唄の時をご一緒し、
PEACEな時を重ねましょう!
dsc00021

コメントをどうぞ