紅梅


先日、被災地を写す映像の中で、
梅の花が咲いているのを見ました。

ボクは1993年の3月13日に
群馬の実家を失火で失いました

その時ボクは東京で生活していて
午前中に妹からの電話で知らされ

その電話に対応するボクが
恐ろしく冷静であったことに
ちょっと驚き
しかし
取る物も取り敢えず駆けつけてみると

「焼」という文字の印象とはまったく異質の
鼻を奥を強く刺激する不快な臭いに包まれた半壊した家
その玄関だったところの脇に
紅梅が咲いているのを見ました

妹の肩を抱いてあげたり
母のコトバに耳を傾けたり
ボクはそんなことしか出来ないでいて

空は雲っていて
ワラワラっと人が集まっていて
それぞれの作業を粛々とこなしていて

そんな人々の作るリズムと灰色の景色のと梅の花の紅が
美しく共鳴しているように感じました

不謹慎だと思ったけど
美しいと感じました

しばらくするとユンボがやってきて
家を取り壊すのと一緒に
梅の木も掘り起こされ
地面に叩き付けられ

その時だけナミダが出ました

今でも紅梅の花に出会うと
灰色と空と鼻につく不快な臭いを思い出します

これは
ボクの極私的な経験の記憶でナニカを代弁する話ではなく
今危機に立たされている被災されたお1人おヒトリの心情を
ボクの経験や想像力程度のもので描くことも出来ません

ただ、
ボクの鼻の奥に残る臭いの記憶
そんなものが累々と積み重ねられている「今」という現実

そんな中からでも
梅の花1コの美しさを掘り当ててゆくのが人なんだと
希望を込めてそう思うのです

そんなことを
完成させるのに随分手こずった絵を描きながら
思い返し
繰り返し思い
確信に変えていったということです

+++

個展「その辺に咲いていた花」について
http://bit.ly/eRVhkL

コメント / トラックバック 8 件

  1. garden より:

    いろんなおもいがめぐり、どういう風に気持ちをぶつけたら良いかわかりませんが書き込まずにはいられませんでした。

  2. sayuri* より:

    Shozo cafe さんのHP から来ました。
    菜の花の絵がかわいくて、いとおしいと
    思いました。

    絵を描くことで自分と向き合ったり
    乗り越えたり…なのかな。
    アミイゴさんの絵をすっごく
    みたくなりました。

    絶対に個展いきます!!
    そんな絵をみながら
    私も自分と向き合って
    ちょっとずつだけど
    歩んでいきたいと思いました。
    ありがとうございます。

  3. >gardenさん。
    ごく私的なことを
    今コトバにして良いのか?

    311以降のグルグルと渦巻く気持ちの中で
    やはり混乱したままのボクがいて

    ただ、臭いの記憶があらゆる場面で浮き上がってくる

    そんなモノの蓄積が
    人の作る世の中なんだと、
    そこまでは実感を持って分かった4月3日でした

  4. >sayuri*さん。
    メッセージありがとう。

    昨年、SHOZOと共に時を創ることが出来て
    気がついたこと
    その多くが今描く作品に反映されているはずです

    だから、
    昨年の夏が始まるころSHOZOで展示した時より
    さらに深化した展示にしなければと考えています

    たかが花の絵なのですが
    ぜひ足を運ばれてみてくださいね!

  5. sayuri* より:

    こちらこそありがとうございます!
    スターからサインもらった
    時みたいな気分です♪

    「たかが」
    「何気ないこと」
    「当たり前のこと」
    は小さくても
    とても大切なことで
    とても大きなことだと思います。

    陰ながらですが
    応援します!

  6. >sayuri*さん。
    スターからのサインなんて、、

    きっとですね、
    コレから未来は、
    今まで以上に名も無き人々の間で交わされるコトバ
    そんな中に創造の種が埋まっているような時代になるはずです。

    ただ、
    コトバを交わす人
    コトバを交わさぬ人
    その間に決定的な格差が生まれる可能性も高く
    今から始められることは始めなければと考えています。

    ともかく、
    身近で些細でなんでもないようなことから
    見直してかなきゃだなあ〜ってね、
    そう思うのです。

  7. sayuri* より:

    昔、卒論を書いていた時先生に
    「あなただから書けることを書きなさい」
    「声にならない人の声を聞きなさい」
    と言われたのを思い出していました。
    (私がいわゆるマイノリティの立場にいて
    そういった方々の卒論の内容だったから
    だと思います。)

    アミイゴさんのおっしゃるように
    格差がうまれないように
    見えないものをみていくひと
    声にならない声を聞くひと
    それを伝えてくひとの存在が
    大切になっていくのかなと思いました。

    度々、長々コメント失礼しました。

  8. ki-machan より:

    風化させないためにも
    アホみたいにずぅーっと続けられる
    アホ仲間を増やしていきたいですね!

    アホの持続力の元は
    なんだろう?かな!

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