ガチョ〜ン

軽快なリズム
セクシーなメロディー
何よりその豊かに優しい音色

谷啓さんのトロンボーンは
谷啓さんそのもののようで
音楽はこんなであればいいな〜と
いつも帰れる場所として
心で響き続けた音でした

そんな音楽を持っているからこそ
軽妙洒脱、しなやかな演技を持って
ステージからスクリーン、テレビまで駆け抜けた
最高のボードビリアンのヒトリでもあり

群馬にあってボクが思い描く東京の魅力そのもののような存在でした
(クレージーキャッツや三遊亭円生が好きな変な小学生だった)

“シャボン玉ホリデー”で生まれた
植木さんの「お呼びでない」がテレビに破壊的な革命をもたらしたとしたら
谷さんの「ガチョーン」はそこに建てられた永遠のモニュメント

あまりにもスゴ過ぎて
テレビ的でさえなくなってしまったのかもしれないね

ドリフが半年休んだ「全員集合!」の穴埋めに組まれた
クレージーの「出発進行!」は
高度経済成長が行き過ぎた時代のテレビの中で
クレージーのメンバーが息苦しそうにしているだけに見えました

その後
欽ちゃん、ビートたけしとテレビを変えてゆく天才が現れ
ボクも心を引かれ爆笑しながらも
それとは違うオシャレな笑いがこの世に有り続けることを
実は植木さんより谷さんに感じていたのだ

「釣りバカ日誌」ははまり役だったしね!

そして
あまりにも突然の死は
谷さんらしいと言えば谷さんらしくも感じ
とてつもなく淋しくあるのだが
ガチョ〜〜ンでもあるなあ

谷啓さん
ケガが原因らしいけど
大往生だと思うのだ

淋しいけれど
ありがとう

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