170ヶ月め


今日は2011年3月11日から5,175日
739週と2日
14年と2ヶ月
170回目の11日です。

今日5月10日から、群馬の前橋の敷島にあるフリッツ・アートセンターでの個展「まえばしスケッチ」が始まりました。
https://yakuin-records.com/amigos/?p=16456

初日は敷島薔薇園と敷島本の森のお客様が重なり、地方での展覧会にこんなにも人が来てくれるんだ〜!という驚きの1日。
テーマが地元前橋を描いた作品群なので、老若男女多くの方が絵の前で立ち止まり語り合い、さらにはボクに前橋愛を伝えてくれました。

夕方には地元新聞の取材が入ったのですが、
記者とボクとで話が弾み、自分がやっていることはどんなことなのか?を探る会話が4時間。。

それだけ語り合えるだけ、今の前橋は新しく生まれ変わろうとしている。
しかしその前は個人的に「喪失」を感じるほどに寂れてしまっていました。

インタビューの中で、自分が東日本大震災発災直後に東北に弾き飛ばされるようにして向かった理由の中には、前橋という美しき憧憬の街の喪失と東北の太平洋沿岸部の喪失とで何が同じで何が違うのか?そんな探究心もあったのだろうと気がつきました。

震災後の東北を歩いて育った目で、今あらためて見る前橋の街。

そこから生まれた絵に向き合って下さったみなさん1人ひとりが、それぞれの前橋を語ってくれた。

こんなアウトプットがあって、はじめて「より好ましい街」についてのアイデアが生まれるんじゃないかなと。
今回シャカリキになって前橋を描いた意味にあらためて気がついた展覧会初日でした。

「まえばしスケッチ」は6月29日まで。
この期間で前橋に対し貢献出来るとこと探り実践できるよう、
この展覧会をさらなるコミュニケーション場へと育ててゆこうと考えています。

という自分の思惑や理屈は関係なく、
みなさんがこの展覧会を楽しんで頂けることを願っております。

4月17日は能登でのフィールドワーク。

2年前の夏に「なんて見事な田んぼだ!」と感激し、田んぼ仕事してたおじさんにその理由を尋ねた場所は、川になってしまってた。

昨年元旦の地震で土地の隆起と陥没が重なり、川の流れが変わってしまい、田んぼだったところに川が入ってしまったとのこと。

2年前のことはこちらに綴ってあります。
しかし、おじさんが大切に育てた田んぼの土が流された今、田んぼの復活は可能なのだろうか?

この日はこの近所に暮らしている別のおじさんと立ち話。

震災後、一旦はここを離れたが、やっぱり生まれ育ったここがいいから帰ってきた。

「ここはね、きれいなところなんだよ」
「ここ歩いて花を見て、今は飛行機雲が見えてるけど『あれは晴れてるから見えてるんだ』と思うのがね、いいんだよ」
「気持ちが沈んだ時は、ここから海岸線グルっと回ってくると、気持ちが晴れてな」
なんて語ってくれるもんだから、ついハグしちまったぜ。
「でも自然というオバケがきちゃったんだ」
「こんなことは考えたこともなかった」と。
そうか、、
「また元気で会いましょう!」と声かけあって別れました。
その後チャリティ企画のお手伝いをした輪島塗の田谷木地店のたくじさんと合流し、
能登を巡りながら輪島塗の今を伺いました。

農業も輪島塗も自然との共生と人の絆で育まれ保たれてきたこと。
しかし今まさに危機に瀕していることの確認。
それでも希望を感じさせる人の存在があること。
引き続き応援は続けるのは当然として、
じゃあ自分は何を描けば良いのか?
想像力のケツを蹴り上げつつ、 大切なのは理解じゃなくて、まずは認知。
まずは人として当たり前の目を持つこと。
では当たり前とは?
ともかく続けます!

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