‘展覧会’ カテゴリーのアーカイブ

144ヶ月め

2023 年 3 月 11 日 土曜日


今日は2011年3月11日から4,383日。
626週と1日
12年
144回目の11日です。

この12年で7回目の開際となる個展「東日本」
本日3月11日が最終日。17時に閉廊になります。

写真の真ん中の大きな絵は、
震災から10年後の2021年夏に福島県浪江町で自生を始めた絶滅が危惧されている”水葵”の群生。
報道に出会い、常磐線に飛び乗り見にゆきました。

それを見ているのは、福島市の食堂「ヒトト」の立ち上げに尽力された大橋さん。

栃木のSHOZO COFFE のスタッフで会った時知り合い、
震災後「福島の力になりたい」とUターン。
3月11日以降の福島の等身大の情報を共有してくれる仲間のひとりです。

「あの日から12年」と語られる今日。
そんな友人の存在を日本の各地に感じられることを、とても豊かなことだと思っています。

そして、やれること、やるべきことはまだまだあるな〜と。

少なからずの絵が売れている今回の展覧会。

その売り上げは、
たとえば明日福島に移動し行う飯舘村のフィールドワークに充てます。

昨年9月に再生可能エネルギーの “飯舘電力”の案内で巡った飯舘村

震災後色々な土地を巡ってきましたが、
飯舘には他の場所にある何かが欠けているように感じました。

その欠落をボクが埋めることは出来ないはずですが、
飯舘にあるものを「アート」と呼ばれるものを働かせて埋めることは出来るのではと。

現状「なにかやる」としか言えない状況ですが、
そこには自分のお金と時間を注ぐ意義があることは直感できています。

それは、2011年3月11日の夜の暗闇の中で感じた直感と似たものであり、
それは自分だけでなく、
自分の息子の未来なんてものにもコミットするものであると思います。


そんなこんなの会話を、北海道、岩手、福島、栃木、群馬、長野、大阪、愛媛などなど、
わざわざ遠方からお運びくださる方と思いっきり出来ている展覧会。

今日の5時間、大切にしますね!

「東日本」season7小池アミイゴ2011年3月11日からの展覧会
2023年3月2日(木) – 3月11日(土)
open 12:00 – 19:00 最終日~17:00マデ
SPACE YUI
〒107-0062 港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
TEL.03-3479-5889

ところで3月15日は地域の落書き消し。
自分が「被災地」と呼ばれた場所で掴み自分の暮らす地域に投下したことを、
地元小学校の6年生がキャッチしてくれ、自主的な取り組みに変えてくれたので、
当たり前のオトナとして当たり前に熱烈応援。
東京代々木は「被災地」と呼ばれる場所と地続きであります。

 

143ヶ月め

2023 年 2 月 11 日 土曜日


今日は2011年3月11日から4,355日
622週1日
11年11ヶ月
143回めの11日です。

1月27-29日、群馬県前橋市の「陶舗石渡」での「はるのひの展覧会」にお運びくださったみなさま、
「記録的寒波襲来」と言われたタイミングで足を運んでくださったこと、大変有り難く感じています。

あらためて、
ありがとうございました。

アップした絵は、群馬円伊勢崎市の安堀町あたりかたら見た赤城山の風景。
この絵の左手方向に行った所に、亡父がお世話になっていた施設があり、
車を運転しないボクは、駅から30分くらいの道を歩いて父に会いに行っていたのでした。

前橋で展覧会を開際したことに関して、
ちょっと振り返っておこうと思います。

群馬県の赤城山南麓の関東平野が始まるあたりで生まれ育ったボクは、
子どもの頃遊んだ美しい田畑や小川が、農薬の使用や社会の効率化で失われてゆくのに出会いました。

田舎で育った自分にとって、電車で25分の街「前橋」はキラキラした夢の街であました。
その活気が失われてゆくのは、80年代の半ばくらいだったでしょうか。

80年代、そんな群馬の田舎を後にし東京の大学に進学。
暮らすために選んだ街は、昔ながらのコミュニティが生きている文京区の静かなエリアでした。
そこから他の東京の美しい場所、人が人のスピードで生んだような街を、やはり自分の足で歩き、
絵を描くようになったら、そんな街にイーゼルと立てるようになりました。

そんな街はバブルが発生した1986年以降、一気に破壊されてゆきます。

ボクはそれに抗うように絵を描き続けました、最後は無理をし過ぎてダウン。
それは1989年、昭和が終わった時でした。

夏の間1ヶ月を病院で過ごしたボクは、
あらためて自分にとって大切なものは何であるのかを、じっくり考えることが出来ました。

それは子どもの頃に駆け回った、なんでも無い当たり前の故郷の風景だったように思います。

あらためて自分が何者であるのか考えたことで、何を描けば良いのかもあらためた先、
1993年3月に群馬の実家が消失しました。

バブルが弾けて仕事が減っていたタイミングで、それはかなり厳しいことでした。

ただ、家族をケアするために一時的に住所を群馬に戻したことで、
子どもの頃に失われてしまったと思っていて故郷の風景にとことん向き合うチャンスを得、
時間が許す限り絵を描き続けました。

自分の色に個性を感じてもらえるとしたら、その経験が大きいのではは思います。

ではそれをイラストレーションに落とし込むには?
そんなことを考え始めたところで、1995年1月に阪神淡路大震災が起きます。

「ああ、絵描きは無力だな」と感じつつ、
次に何か起きた時は無力では無い自分でありたいと願い、
そのためには、大きなところを目指す前に、とことんローカルを知ろうと考えました。

その頃「夢の街前橋」はかなり痛々しい状況になっていて、
仕事で群馬と東京を往復する際歩く前橋の街の姿に、いつも悲しい気持ちになっていました。

前橋がこんなであれば、他の街はどうなんだろう?
人は幸せで生きているのだろうか?
みんなそれぞれの街でうたえる歌を持っているのだろうか?
そんなことを知りたくて、その後日本各地を巡ることを始めました。

そうして巡る土地は、どこも美しく、どこも課題を抱えていました。
そして、好き人に必ず出会うことが出来ました。

自分が失ってしまったと思っていた里や街は、
好き人がある限り死にはしないのだろうと確信を持ち、
いつか群馬の力になれることが出来たらいいなと願うようになる。

そんな考えをやっと持てるようになった2011年3月11日、
日本のどこにでも存在する「好き人」が失われた震災が起きました。

ボクはやはり大きな無力感に叩き落とされるも、
これまでの経験を活かして、自分の足で歩くことは続けられました。

そうして歩く先で出会うのは、その価値に気づかずにいた「さらなる好き人」の存在。

そんな人々や風景との出会いを背景にに塗りこんだのが、
2021年に発表した「はるのひ」という絵本です。

間も無く「あれから12年」と語られる3月11日がやってきますが、
その12年のほとんどは学びの時であったように、今振り返って実感しています。

ただ、その学びが生かされた現場を、2023年1月27-29日の三日間、
自分が勝手に「失われた」と思っていた前橋の街で、
街の再生を図る人たちの存在に助けられ、創ることが出来た。

2011年3月11日以降、日々行う事にはなんらかのスタートラインを引いている印象があったのだけど、
2023年1月の前橋では、新たな太いスタートラインを、皆さんの力もお借りして引くことが出来た。
そんな実感を手にしました。

75年続いた「陶舗石渡」は、展覧会が終えたら改装され、
前橋市民が緩やかに関わることの出来る餡子屋「あんこもん」として生まれ変わります。

餡子で街の再生

気持ち良すぎる発想だぜ!

群馬、前橋、ありがとう。
一緒に未来の方に向かって爆走して行きますね!

 

 

 

 

個展「東日本」season7

2023 年 1 月 20 日 金曜日



小池アミイゴ2011年3月11日からの展覧会

「東日本」season7

会期:2023年3月2日(木) – 3月11日(土) 日曜休

open 12:00 – 19:00 最終日~17:00マデ

スペース ユイ SPACE YUI 
〒107-0062
港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
TEL.03-3479-5889
http://spaceyui.com/

2011年3月11日の東日本大震災発災後、「被災地」と呼ばれる場所を歩き絵を描くことは、自分の足元を見つめ直すことに繋がり、自分の日常がある東京代々木の街での「見る目」や「振る舞い」を更新させてくれました。
そうしたローカルでの発見は、自分の活動範囲を、北海道の知床から台湾の山間の町にまで広げる力になっています。

ただ、活動エリアがどれだけ広がっても、自分の視線はまずは「ひとり」に注ぐものであり、その「ひとり」とは自分の足で歩いた先で出会うものであることは、「あの日」から変わっておらず、yuiで7回目の開際となる展覧会も、過去の6回と同じく「東日本」という名前で開催することにしました。

世界を見渡せば悲しい出来事だらけの今ですが、この「はるのひ」の展覧会から世界がちょっとでも良いもに変わるよう、小さな会話がたくさん生まれる場所であることを願っております。

また、
この展覧会は年内に開催予定の福島市での展覧会にリンクさせて行く予定でいます。

震災後の福島県でボクと子どもたちとのセッションを企画運営してくださった、
福島県立博物館の学芸員チームからあらたに投げられたテーマは、
「福島県内で興った再生可能エネルギーの事業を次の世代に手渡すために、
絵やイラストレーションを使った『なにか』をやってくれ」というもの。

そのコアとなる飯舘電力と会津電力の視察を行い、ミーティングも重ね、
おぼろげながらも自分が何をやれば良いのか見えてきたように思います。

飯舘電力では再生可能エネルギーの今を知ってもらうためのフィールドワークを、
フィジカルでもオンラインでも重ねています。
https://ene-tour.site/

こうした活動に、さらにパーソナルな物語を織り込んでゆくような仕事を、
絵やイラストレーションというものが出来るのではないかと。

福島は足を運べば運ぶほどその美しさに魅せられる場所です。

しかし飯舘村は震災による原発事故によって現在も帰宅困難地域を擁したままです。

そこで興った飯舘電力は、単に再生可能エネルギーを生み出すだけでなく、
これから人はどう生きるべきかを考える、社会実験的な役目も持っているはずです。

ボクは飯舘村に限らず、人はどう生きたら幸せなのかを、
息子たち世代の未来を想像しながら、自分の出来ることを考えてゆく。

福島から離れた東京青山での展覧会を、そんな考える現場にもしたいと考えています。

 

群馬の前橋で「はるのひの展覧会」

2023 年 1 月 18 日 水曜日

小池アミイゴ×陶舗石渡「はるのひの展覧会」
2023.1.27(金)・28(土)・29(日)
12:00-18:00 *フルタイム在廊します。
@陶舗 石渡(弁天通り)
〒371-0022 群馬県前橋市千代田町3-4-7
詳細>  https://harunohi.info/

群馬県前橋市の弁天通りで75年の営業を終えた陶器屋「陶舗石渡」さんの店舗をお借りし、
絵本の原画とイラストレーションの展覧会と絵本の販売を3日限定で開催します。
これは前橋の街の再生を図るムーブメントと呼応したもので、
「何かできる?」のお声かけに「出来る!」と答え、ほぼほぼ持ち出しで行う、
ものすごく自分らしいアクションだと考えています。
群馬を出て生活し随分経ってしまいましたが、
群馬の皆様に喜んでもらえるかもしれぬものも、
少しは作れるようになれたのかなと。
皆様におかれましては冷やかしで結構でございますので、
ぜひ足を運ばれますよう心よりお願い申し上げます。
小池は3日間共在廊予定。
絵本の販売は「はるのひ」と「とうだい」の2冊。
自著「台湾客家スケッチブック」も置く予定でいます。

前橋へのラブレターみたいなもの

上毛電鉄の一毛町駅を過ぎると気持ちはそわそわ、次は終点中央前橋駅だ。
ボクは座席を立つと、進行方向左側のドアの前に立ち、車窓から広瀬川が見えるのを待つ。
ボクはまだ子どものと呼ばれる年齢だけど、広瀬川沿って柳の木の並ぶ色っぽい風景が、
自分をちょっと大人にしてくれるように思えるのだ。

列車が中央前橋駅に滑り込むと、その柳の枝がフワッと揺れ水面にユラユラした影を落とし、
キラキラした午後の光とダンスを踊っているように見える。

振り返ると駅舎一杯に貼られた映画のポスター。
ああ、ボクは前橋に来たんだ。

ドアが開き切る前にホームに飛び出し、改札を駆け抜ける。
車の排気ガスとトンカツが揚げられる匂いが混ざった空気がうれしい。

人生で初めて渡った歩道橋を、今日も駆け上がり、道の向こうへ駆け降りる。
広瀬川にかかる橋から身を乗り出し「今日も緑色した水がたっぷりと流れていること」を確認。
フランスパンは帰りに寄ることにする。

街の引力に逆らわず歩き、坂本書店の誘惑を振り切ると、銀座通りは今日も賑やかだ。
いつもそこにあるからい「いつか行こう」と思ってまだ行けてない100円ラーメン。
ジーパン屋の店頭の「欲しいジージャン」はまだ誰にも買われていない。
みやま会館では「007」の旧作をリバイバル上映していて、1階の「レストランみやま」は、
父親からフォークとナイフの使い方をしつこく教わったのがトラウマとなり、しばらく避けている。

千代田通りとの交差点で立ち止まると、お茶を焙煎するムワッとした香りに包まれる。
それはボクが一番前橋を感じる匂いだ。

ニチイやスズランの大きな建物が見えると、ボクは自然と駆け足になる。
行き交う人をひょいひょいと交わし、スポーツ用品店のウインドウに飾られた新作のスニーカーをサッと見渡し、
レコード屋から流れてくるヒット曲に頷いたりしてると、中央通りのアーケード街に入るT字路。

「こんなデカい屋根、誰が造ったんだろう?」
そんな想像を巡らしていると、なぜか自分自身が誇らしく思えてきて、
さらにオトナになった気分で商店街を一歩一歩。

老舗の呉服屋や陶器店。
鰻というものを初めて食べた店。
初めてクリームソーダを飲んだ洋食屋。
いつも焼きそばを食べる団子屋。
一切れのパイナップルを買ってもらった果物屋。
戦車のプラモデルが積み重ねられたホビーショップ。

強い陽の光から守られた場所で、店先に誇らしげに掲げられた看板は美しくシャープに、
人々の働き甲斐に溢れた表情は優しい輪郭でボクの目に映る。

そうしたものスベテを「ボクがオトナになっても美しいと語れるであろうもの」として、心に刻む。

右目に陽の光が飛び込んできたら、その先に大量の湯気が立っている。
片原饅頭のドシッとした建屋。

ここは前橋の街の中心であり、前橋はこの饅頭屋を軸に動いているんだと信じているボクは、
軒先で立ち止まり、柏手こそ打たないが、神社をお参りするようにして、店で働く人たちを拝む。

前橋の軸から30歩で前三百貨店。
そのガラスドアは魔法の扉で、丸いドアノブに手をかけた途端、館内は身体が吸い込まれてしまう。
3階がおもちゃ売り場で、そこは最近までボクの聖地だったのだが、今は向かいの電気屋が聖地となり、
今日もショーウインドウに飾られたSONYのピッカピカのラジオを眺め、ただため息をつく。

ボクはそれだけのために前橋に行く。

山陽堂書店で「いくつもの空の下で」の展覧会開催。

2022 年 10 月 17 日 月曜日

エッセー澤田康彦 × イラストレーション小池アミイゴ 展
「いくつもの空の下で」刊行記念の展覧会です。

「いくつもの空の下で」
2022|10.19(水)-10.29(土)
GALLERY SANYODO
山陽堂書店ギャラリー
東京都港区北青山3-5-22山陽堂書店2F
平日11-19時/土11-17時/日休
●表参道駅A3出口より徒歩30秒

京都新聞で連載された澤田康彦(『暮しの手帖』前編集長/京都在住)のエッセーと、それを毎日曜日彩った小池アミイゴのさし絵をすべて展示します。
春夏秋冬、二十四節気、過去現在未来、京都滋賀東京に思いを寄せる全47点に加え、新刊『いくつもの空の下で』のカバー画、サワダの秘蔵青春コレクション(!)等々をどっさり見せる意欲企画。
「作文vsさし絵」の面白さをご堪能ください。
*著者、各日午後は「わりかし」在廊予定です。(サワダ)

「いくつもの空の下で」京都新聞出版刊_1870円(税込)

コロナ禍の京都新聞で連載された”暮しの手帖”元編集長 澤田康彦さんのエッセーとボクのイラストレーションのコラボ展「いつもの空の下で」

これまで京都新聞本社、澤田さんの故郷滋賀県能登川町で開際してきたのが楽し過ぎて、「これ、やっぱ東京の人にも見てもらいたいよね〜!」ってね。

今時ただ見てもらうだけの展示を、青山通りの”山陽堂書店”2Fギャラリーで開際します。

連載時の新聞の切り抜きと原画に、澤田さんとボクとのひと言コメントを添えて、活字好きなら2時間は楽しめる内容になっております。

山陽堂ということで、この連載がフルカラーで一冊にまとめられた美しい本も販売しまが、これを澤田さんとボクとの自腹で行うのです。

それくらい澤田さんとボクにとって幸せな連載。
幸せのお裾分け展であります。

毎週毎週澤田さんから届く言葉に、画材や描き方を変えての連載セッションは、コロナの重苦しい空気をなんとかフワッと軽やかなものにしたい、そんな2人の文系男子の奮闘記でもあります。

東京並びに関東甲信越地方、東日本や知床の皆様におかれましては、秋の青山で「フフッ」と楽しんで頂けたら幸いであります。

というわけで、人様案件ばかりに携わり、全く準備が出来ていね〜〜!
であります。

助けて〜〜

アミイゴ

「いくつもの空の下で」展 at 滋賀の能登川図書館

2022 年 5 月 23 日 月曜日


京都新聞の連載で大好評をいただいた「暮しの手帖」元編集長の澤田康彦さんのエッセイと、それに添えたボクのイラストレーションの展覧会が、澤田さんのご地元である滋賀県の東近江市立能登川図書館の展示室で開催しています。

いくつもの空の下で
小池アミイゴ イラストレーション展 + 澤田康彦“青春”コレクション

 会期:2022m年5月18日(水) ~  7月3日(日)

【会期中の休館日】月曜日、火曜日、5月27日(金)、6月24日(金)
会場:能登川図書館・博物館ギャラリー
〒521-1225 滋賀県東近江市山路町2225
TEL:0748-42-7007

「いくつもの空の下で」京都新聞出版センター刊(1700円+税)でなんと!
連載に使用した47点の絵、すべてカラーで掲載されています!

そもそも編集長さんとの本作り。
濃厚な言葉の交換で、本の体裁が変化してゆき大変面白かった!

ブックデザインの佐々木暁さん、
編集者とイラストレーター、それぞれクセの強いおじさん相手に、
さらに斜めゆくアイデアを投下してくださり、
とても美しく若々しい一冊に育ちましたよ〜!

表紙の絵は何枚か描いたのですが、
ともかく心も体も気持ち良いものを提供したいと、
レイアウトのサイズを何度も無視して描いてごめんない、、

でも、うん、気持ち良いのが描けたです!

2020年5月より11ヶ月に渡り連載された澤田さんの歳時記と週刊のエッセイがまとめられた一冊は、京都新聞が読まれる京都滋賀エリアでは大好評を頂き、写真は5月15日に京都新聞のホールで開催された対談(漫談?)後のもの。

その後滋賀に移動し、思いがけず大展覧会になった会場設営2DAYS

当初想定していたイラストレーション展は、
いつしか「ふたりのオジサンの青春グラフィティ」へ!

地元出身の澤田さんが持ち込む大量の「あの頃のボク」が、
今の俺のイラストレーションを駆逐するが勢いで会場を席巻!
負けじと俺も、看板は急遽手描きに。

さらに、会場の防災装置を我が作品のごとく魅せる、二百戦錬磨の展示スキルを披露!

図書館スタッフのみなさまの愛に溢れたお手伝いもたっぷり浴びて、
人情7割~オシャレ3割という、実に今っぽい展示に育ちましたよ〜!

てか、編集者とイラストレーターのガチンコの展示って、みなさん想像つきますか?
俺は想像つかなかったです。

しかし、

おもしれ〜〜〜!

澤田さん、自分の中学や高校の頃の日記までさらして、、
これじゃ生前葬だね、だって。。

というわけで、
次回は6月18日_子どもワークショップ
そして19日_澤田さんとのトークショー

みなさん、
滋賀県琵琶湖の辺り、東近江市の能登川図書館でお会いしましょう!

詳細は能登川図書館のHPをチェックしてください。
押忍。
で、能登川図書館の場所や開館時間など。

 

 

 

ガオー!ムサシノジュラシック大作戦

2022 年 3 月 12 日 土曜日


ガオー! ムサシノジュラシック
小池アミイゴと子どもたちのコラボ展
オンラインワークショップから誕生した246点の作品が集まりました!

◆期間:2022年3月3日(木)~3月29日(火)
◆会場:武蔵野市立吉祥寺美術館 ロビー
 及び「浜口陽三記念室」「萩原英雄記念室」
*ロビーのみの観覧:無料
*記念室入館:100円(小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)

2021年初夏に「井の頭恩賜公園の井の頭池から、恐竜の骨がみつかった」という架空の設定で作品を公募した子ども向けワークショップ「ムサシノサウルス発見! 恐竜の絵を描こう!」に集まった834頭のなかから1頭をチョイスさせていただき「ハジメサウルス」と名付け、それをキービジュアルとしてを、ムサシノサウルスの住む世界を心も体も振り切った絵具遊びの場を設け、展覧会を開催!

するつもりが、
オミクロン怪獣大暴れで、zoomを使ったオンラインワークショップに変更、、

が!
それがもの凄く可能性を感じる試みとなり、
また、スゲー作品もガッツリ生まれてしまい、
吉祥寺美術館のロビーを、そして展示室をジュラシックワールドに変えてしまったのです。


このオンラインワークショップは、後ほどキチンと検証してゆきたいなと思っていますが、
まずは、2月26、27日のメインワークショップに参加のみんな、
そしてみんなセーノでデカイ絵を描いてくれた「まちの保育園」の4歳クラスのみんな、
さらに、6~7施設を繋ぎ開催となった支援施設「ふれあい武蔵野」を利用するみんな、
オメーらマジでやべえヤツらで、サイコーだったぜ!!

ほんとみんな凄いから、
集まった246点の作品、ぶっ倒れるくらい気合い入れてカッコよく展示したので、
ぜひ見に来てくださいね〜!

鬱っとした社会に風穴空けるパワーを、
実はみんな1人ひとりが持ってることに気が付ける、
めちゃくちゃ気持ち良い現場だと思うぜ!


「台湾客家スケッチブック」

2022 年 2 月 21 日 月曜日

2022年2月24日、日本と台湾で同時発表になります。

日本ではKADOKAWAより単行本とKindle版 共に 税込1760円。

  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/2/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 144ページ_全ページカラー
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4041121272
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041121276
  • 寸法 ‏ : ‎ 15.3 x 1.3 x 20 cm

2019年夏、3週間をかけて巡った台湾の台三線エリア。
そこは台湾の人口の20パーセン弱を占める民族、客家( hakka)が暮らす土地です。

企画運営は台湾政府に置かれた客家委員会。

客家とは中国大陸の戦乱を逃れ、旅するようにして暮らしてきた民族で、
台湾へは明朝末期から清朝初期に次々と入植してきたそうです。
もともと山間を好む傾向にあったようですが、
台湾では、客家入植以前に台湾に暮らしていた原住民族と漢民族に挟まれ、
山間のエリアに細く長くその居住エリアが伸びてゆき、
その居住エリアを貫く国道3号線が”台三線”ということです。

時代と共にその民族意識が薄まってしまっていることが危惧され、
199年頃から客家のアイデンティティを取り戻すような運動か起こります。

そして今、
客家の文化を外から見たことを言語化しビジュアルに落とし込み、
時代に即した新たなアイデンティティを確立させるため、
ボクのようなものが招聘されたようです。

そんな旅でボクが出会ったのは、
今の時代を生きる上で必要とされるであろう、古くて最新の客家の文化。
なにより、ボクのような者を心から受け入れてくれる人々のマインド。

それはボクの人生の中でも格別の出会いの経験であり、
旅を終えた後、どのようにアウトプットしていったら良いのか、
大切な経験を汚すことの無いよう、とても慎重に考えていました。

2021年の年明け前後に、台湾でボクの台三線旅に関するコンペが行われたようで、
春にはKADOKAWAとのご縁をいただき、強力なプロジェクトチームとタッグを組む形で、
1冊の本作りが始まりました。

個人的に描いた280枚のスケッチと30点ほどの水彩画からビジュアルを厳選し、
2万文字ほどのエッセイを添えたこの一冊は、以下の方々のご尽力の賜物でもあります。

構成と客家文化詳細説明に関する執筆を頂いた”The 台湾通” の三枝克之さん。
娘さんの三枝真魚さんにも同様の執筆を頂いております。

編集統括の高尾真知子さん、豊田たみさん。

渉外で奮闘くださった郡司珠子さん、胡心語さん。

美しく真摯なデザインを与えてくれたSunui の片平晴奈さん、岩渕恵子さん。

そして、台湾側の台湾KADOKAWAや電通台湾のスタッフのみなさん。

ボクが客家の皆さんから受け取った熱いものを、
真正面で受け取ってくださった皆さん、ほんとありがとうございました!

そして、台湾政府の客家委員会の皆さん。
ボクの台三線の旅を楽しんでくださり、ボクの表現を尊重してくださり、
ボクが台湾の茶畑で見た一輪の雑草の花の美しさまで共有くださったこと、
有難く思うばかりです。
 (旅の間毎日InstagramとFacebookで発信することをお願いされ、
 客家委員会の方々はそれを見るのを楽しんでくれていたようです。
 今回そのインスタのポストを #台湾客家スケッチブック でまとめたので、
 お時間ある時にでも覗かれてみてください。)
https://bit.ly/3oZ03i4

なにより、
この旅をアテンドくださったミリーさん。
5人のお子さんをに愛を注ぐのと同様、この旅にも並並ならぬ情熱を注いでくださり、
ある意味「この本はあなたのものです」と語りたいくらいのものをいただきました。

残念ながら1冊の本のカタチで3週間の旅の感動すべてを語ることは出来ません。
しかし、
まずは拙い言葉と絵でありますが、ボクから台湾客家へのラブレターのような一冊、
美しく仕上がってまいりました、よっ!

客家委員会からの熱い希望で、
本誌カバーには台湾客家のアイデンティとも言える油桐花(ユートンファー)を描きました。

いつものようにイーゼルに板を乗せて、フリーハンドで描いていった油桐花。
それは描いたというより、客家の人々に描かせてもらったと言える、
自分の創作の中でも特別な美しきものになったと思います。

観光案内としては力不足なボクの文章や絵ですが、
もしかしたら、日本での暮らしに息苦しさを感じている人には、
新鮮な空気を送ることが出来る本になったのではないかと。

これを必要とする人、1人ひとりに手渡してゆこうと思う本であります。

ということでまずは2月23日~28日。
うちから一番近いお店、天然酵母パンのルヴァンのカフェルシャレで小さな原画展開催。
28日は昼過ぎから18時くらいまで1日本屋として、この本の販売をいたしますよ〜。

131ヶ月め。花とラブレター、その後

2022 年 2 月 11 日 金曜日


今日は2011年3月11日から3,990日
570週
10年11ヶ月
131回めの11日です。

1月末で神宮前のギャラリー装丁夜話での展覧会「花のラブレター」を終え、
12月に吉祥寺にじ画廊で開催した花の絵の展覧会「花とラブレター」から続いて、
絵を介してのコミュニケーションの現場作りが一息。

今は、ご購入いただいた絵の発送を進めているところです。

*「花のラブレター」に展示した56点の作品は、全作品一律10,000円で、
ギャラリー装丁夜話のONLINE SHOにて 2月27日まで販売しております。
装丁夜話 ONLINE SHOP 小池アミイゴ作品リンク
https://souteiyawa.theshop.jp/items/58669064
https://souteiyawa.theshop.jp/items/58670687
https://souteiyawa.theshop.jp/items/58670814

「ラブレター」などと名付けたものを売るのは、気分的にはばかれたりするのですが、
志を持って運営されているギャラリーの力にちょっとでもなれば幸いであります。

装丁夜話での展覧会は、にじ画廊で集めた「花の絵に対するラブレター」に対し、
絵でお返事するというもの。

いつもは仕事としてご依頼頂いた絵のオーダーに対し、
ご依頼主から届く言葉を精査し、絵に換えるという作業をしています。

「イラストレーション」は”illustration”
その “tion” の部分が好きで続けている仕事です。

“tion” は「アクション」”action” や 「コミュニケーション」 “communication” にもついていますので、
なにが好きなのか想像していただけたらです。

今、コミュニケーションのツールは、
インターネットやPCやスマホのアプリなど多岐に渡り、
使い勝手もとても良くなっています。

ただ、その使い勝手というものが、つい言葉数の多さを増長させていないかと。

たとえば、小学生の息子の学校から届くお知らせなど、
A4の紙に詰め込めるだけ詰め込んだ言葉に負けて、
本当に共有すべき情報を見逃しそうになることばかり。

東日本大震災後の被災地を歩き、
人々の望む「復興」の姿がなかなか像を結ばないことに出会ってきました。

そんな状況を知り、では身の回りを見回すと、
やはりなにかを決めてゆく、実行に移す、そうしたことが上手くいっていないことが多いなと気づきます。

「わたしたちはどんな目的に向かって今話し合っているのか」

そうした現場で欠けていることは、関わるみんなで共有しておくべきビジョンであることが多いように思います。

ターゲットを定めぬまま、なにか良きことをしたいという思いのみで、
プロセスだったり、システム構築の話に終始してしまう。

大きな目的を定められていないので、つい相手を言い負かすような形で正論を積み重ねてしまう。

正論の壁が本来みんなに見えるようにしておくべき目的を、さらに見えづらくさせてしまう。

ボクが絵にしていることは、
たくさんの言葉で語られれていることの中から、
今目の前の人と共有すべき最低限の言葉の代わりとしての絵。
そんなことだと思います。

今ボクたちは喜びや笑顔を目指して話しているのか。

もしくは、誰かの痛みを取り去るための話をしているのか。

などなど、

たとえば、丸をひとつ描いて、その中に点々と一本の棒を描くと、
笑顔とか、苦虫噛んだ顔とか、悲しい顔とか描けちゃいます。

それだけのことで、ものすごい多くの情報を仲間と共有出来る。

そういうことを原点に、
イラストレーションというものを、社会の中で生かしてゆきたい。

そんな絵は、とびきりシンプルなのがいいな。

相手の言葉に真摯に向き合い、
今共有すべき喜びとか、痛みとか、美しさとか、醜さなんてものさえ、
共有すべきもの以外すべて削り取って、
確信を持ったひと筆で、心も体も気持ち良いままスッと描き、
相手に差し出す。

そうした作業な中から、
ボクたちが目指すべきものが明快になったら、
みんなに見えるものとしての絵にする。

現在、日本の地方と呼ばれる場所の仕事をしていますが、
そうした場所でこそ、みなさんがどこを目指しているのかをコミュニケーションを持って掴み、
目指すべき風景を共有出来る絵、イラストレーションというものを制作し、
共に荒野を歩いてゆくようなことをしています。

それらは小さな仕事と言われるかもしれませんが、
ボクを確かに生かしてくれる大切な仕事であります。

 

 

素描の展覧会「花のラブレター」

2022 年 1 月 12 日 水曜日

小池アミイゴ素描展「花のラブレター」
1月 21日(金)、22日(土)、23日(日)
28日(金)、29日(土)、30日(日)
0pen:12:00-19:00
デザイン&ギャラリー装丁夜話
https://www.souteiyawa.com
〒150−0001
東京都渋谷区神宮前1-2-9 原宿木多マンション103
map等詳細情報
https://www.souteiyawa.com/gallery/about/
 
そこで募った”花のラブレター”に、素描でお返事する展覧会です。
 
装丁家の折原カズヒロ氏のアトリエを兼ねる小さなスペースに、
みなさんに足を運んでいただき、
花を巡る物語をさらに繋いでゆくワルダクミ。
 
イラストレーターとして「装丁」と名乗る場所で展示するには、
絵の背景となる物語の必要を感じ、みなさんから手紙を募りました。
 
また、コロナの状況が続く中、深刻なものにはしたくないなと。
紙に色鉛筆や水彩絵の具でサッと描く、
気持ちの良さを感じてもらえる絵を用意することにしました。
 
が、にじ画廊の時間を閉じてまだ2週間。
心の切り替えが、
というか、切り替える必要があるのかも分からぬまま、
集まった手紙56通と格闘中です。
 
20通くらいあつまれば展覧会の形になるかなと思ったのですが、
56通。
 
現在描けたように思えている絵が21枚。
 
搬入日までに描き終えるだろうか?
ちょっと呆然としていたら、
56枚の額がさっき宅配で届いちゃいました。
 
IKEAの額だけど、
絵はすべて販売予定でいます。
 
おミクロンさんの悪さが度を越した状況にありますが、
感染対策等万全に整え、みなさまのお運びをお待ちしております。
 
アップした絵は、今回描いた1枚目。
ハタチの娘さんからのラブラター返しの”夕化粧の花”の素描。
 
1枚目からちょと気持ちよく描けてしまい、
その後のプレッシャーが、デケえ、デケえ、、