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161ヶ月め

2024 年 8 月 11 日 日曜日

今日は2011日3月11日から
4,902日
700週2日
13年5ヶ月後
161回めの11日です。

8月8日に日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生しました。

9月に宮崎県で展覧会やワークショップを開際する話をしていたところで、
現地の人たちのことをとても心配に思っています。

その次の日には、神奈川県内陸部を震源とする震度5弱の地震も発生。

その時は外で家族と食事をしていた時だったのですが、
すぐ情報を収集し、お店のスタッフや周りのお客さんと「落ち着こう」と声掛けあって、

そうした振る舞いは東日本大震災の経験があってこそなわけで、
自然災害を避けるのは難しいことですが、
その時どう振る舞うべきかは、日常のあらゆる場面で考えておかなくちゃと、
家族と確認しました。

掲載した動画はハルカストリングスの「夢は止み 過ぎゆく 春のかけら」
自分が初めて撮影&編集をしたミュージックビデオです。
ハルカストリングス instagram

ハルカストリングは、昨年アルバムとデジタル配信シングルのカバーアートを担当。
福島県飯舘村の風景をオマージュしたアートワークは、
震災以降自分が作ってきたものが集約された仕事になったはずです。

ハルカストリングのヴォーカルを担当するEri Liaoさんは、
2017年の5月の夜に突然「アルバムジャケットのアートワークをやってくれ」とメールをくれた人。

台湾の原住民タイヤル族にルーツを持ち、10歳より日本で暮らすようになり、
東京大学からアメリカのコロンビア大学と学び、その際JAZZを歌うようになり、
日本に戻ってからは、台湾、中国、沖縄、日本などなどのルーツミュージックも取り上げ、
とても大きなタイム感で歌人とです。

そんな人の歌を表現するためにはどうしたら良いのか、しばらく考え込んで、
和紙に着彩し、カッターでフリーハンドで切って、コラージュして、
音楽そのものようなものを作りました。

自分の創作は、自分の「描きたい」より、描く必然に出会うことで生まれるなあと。

大震災というとてつもなくネガティブなことと向き合い、ささやかなものを作り続けた先で、
ネガティブな状況の中にわずかでもポジティブなものを見つける目が育ったのかなと。

それが、人との出会いの中でみつかる「描くべき」テーマと掛け合わされ、
さらに自分が生きてきた時間と掛け合わされ、思いがけず何か美しきものに昇華するんだろう。

今回のミュージックビデオも、そんな必然を直感出来た歌に出会えたことで、
これまで作ったこと無いけど、これは自分が作るべきだと直感し制作した映像です。

ほんと自分は多くの好き人に出会い、多くのインスピレーションを頂き、
それをイラストレーションや絵画というもの昇華してこれたけど、
これからはさらに、手段はなんでも良く、ただ何か美しきものを創ってゆくんだなと。

生きてる限り突然の自然災害で大切なものを失う可能性があるからこそ、
もしくは、世界にはポジティブなことが全く見つけられそうも無い事態が進行しているからこそ、
日々何を大切に生きてゆくべきか考え続け、
ささやかでもいいので、何か美しきものを創ってゆこうと思うのです。

151ヶ月め「ハルカストリングス」

2023 年 10 月 11 日 水曜日


今日は2011年3月11日から4,597日
656週5日
12年7ヶ月
151回目の11日です。

この日にハルカストリングのアルバム「風の中の夢」が発表されました。

2017年、突然「アルバムのジャケットを描いてください」とメッセージをくれたシンガーのエリ・リャオさん。

アルバムに収録された数曲を聞いて、すぐに「描くよ!」と返信。

台湾でタイヤル人として生まれ、
幼少期に日本に移り住み、
アメリカでジャズを歌い、
日本に戻ってからは自身のルーツを探るようにEri Liao を唄う。

彼女の歌と並走するギーターのファルコンが創り上げるサウンドがまた新鮮で、
この音楽に並走させる絵を考えるのは、楽しかったな〜。

一般にはまだ無名の彼らは、自分の中では日本のトップランナーのひと組みである以上に、
世界への扉を開けてくれたような存在なんです。

そんな彼らが、震災後数年に渡り表現の場を共にしたヴァイオリニストの金子飛鳥さん(当時の表記で、今は”マレー飛鳥”)の、
飛鳥ストリングスと組んで「Songs&Strings」名義でライブをやり始めたのは、自分にとって大きな事件でした。

そして今回「このメンバーでアルバムを作ったので、またアルバムジャケット作ってください」と、
今度はファルコンからのオファー。

もちろんやるぜ!と。

ただ、
「Songs&Strings」というユニット名とサウンドが合ってないんじゃないか?
とか、
ファルコンから投げてもらったアルバムのビジュアルイメージの「青い空や海」はなんか違うぞ、、
とか、
アーティス写真の立ち位置変だぞ!
とか、

↑ の写真は自分の意見が反映されたもの。
「Songs&Strings」はファルコンと何度もアイデア投げ合って「ハルカストリングス」を絞り出した。

ともかくめんどくせえことを伝えながら、
ビジュアルのコアなイメージを探ってゆきました。

ファルコンからは長文のメールで、曲が生まれた背景が語られた文章をもらって、
そこには、コロナ前、コロナ中、ウクライナ戦争に思うことなどが綴られていて、
これは益々「青い空や海が見えなくなったなあ」と。

その頃同時に進めていた福島県飯舘村取材の際、
震災と原発事故で人の姿が失われた状態から回復の途上にある村で、
丘の上に友人に立ってもらって描いた絵をベースに、
サウンドのイメージとなるデジタルパターンを載せることを思いつきました。

10月のアルバム発表前にデジタルシングル2曲をリリースするということで、
同じ絵をベースに、2種類のパターンを載せて発表することを提案。

ここでもうギャラは使い果たしているのだけど、
ともかくこの音楽をこれを必要とする人に美しく手渡したい!
そんな気持ちのみで、この夏はずっとハルカストリングスに向き合っていました。

劇的なストリングスアレンジの上に大らかな歌が流れるこの曲には、
テクノ的なエッジとミニマル感をケミカルな色彩で表現。
大切にしたい風景の儚さを演出しました。


ミニマルなストリングのリズムで始まる「夏の雨」は、
ある夏の日と地続きである春や秋、冬の記憶を、引いた視線で表現しました。

そしてアルバムは、

希望のイメージの白い鳥と、不穏な時代を象徴する戦闘機の姿を掛け合わせたパターンを、
向かい風の画面に飛ばしてみました。

ほんと色んなパターンを考えた今回、
こんな不穏な提案もしてみました。

もしくは、アジア的な祝祭感を演出してみたり。

多言語シンガーであるエリ・リャオさんの魅力を前面に出すアイデアとか。

回り道は大変だったけど、
彼らの音楽を目で見えるものとして表現することは楽しいことであり、
また、震災後続けてきたことの、よりシェアしやすいビジュアル化という側面もあり、
この仕事をやることに確かな必然を感じられたことに、大きな喜びを感じています。

なのでみなさん、
ぜひ聞いてください。

2011年3月のあの日から12年7ヶ月、
このアルバムと夏に福島市で展覧会を開際したとこは、
ボクの創作を次の10年に押し出すための力になってくれるはずであり、
そんな自分が周りを見渡した時、この音楽と共に並走する人の姿が見えたら、
それは勇気であります。

ハルカストリングス1st album”風の中の夢”
本日10/11リリース!

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10/20金 CD発売ライブ青山『月見ル君想フ』