
6月20日は「まえばし、まちなかスケッチ」
20名の定員いっぱいに集まってくれた前橋市の子どもたちと、
前橋の「まちなか」を歩いて、気になったものをスケッチし、
アトリエで1人ひとりの「きもちいい」マックスの色を塗りました。

梅雨時の開催。
直前までお天気アプリで空模様をチェック&チェック。
ありゃ〜〜、、昨日の夜まで「くもり」の予報だったのが、
傘マークついてるじゃん、、
みんなが集まってくれたタイミングも雨、、
集まってくれた1人ひとりが気持ちよくスケッチ出来る魔法をかける時間も雨。
が、
集まってくれたみんなの熱気と、ボクが20年以上続けている「地方における異常晴れ男伝説」発動で、
なんとー!
「今から外歩くよ〜!」から「そろそろ戻るよー!」の時間いっぱい雨があがりました!

ということで、大きく3班に分かれて街を歩くと、
「なるほどー!キミはこんなものに興味を持つんだね!」

「うわー!こんなものからこんな美しさを見つけるんだね!」

「どひゃー!それをこんな風に解釈するなんて、すげーー!!」

と、
ほんと楽しい、楽しい。
今回、アトリエとして設定した”元気21”から子どもたちが歩ける範囲ということで、
馬場川から中央通り商店街あたりまでがメインのモチーフとなったけれど、
その狭い範囲でも、子どもたちの視線が捉えるものは、大人の思惑を軽く蹴散らし、
サイコー!

で、大人と呼ばれるようになってしまった自分は、
ただただ子どもたちから学ぶ。

もちろん『彼らが気持ちよくものを捉え、気持ちよく手を動かし、1人ひとりそれぞれ気持ち良い色で塗る』
ということを、やはり気持ちよく出来るためには、直前のボクとのセッションがあってこそなんだけど、
それは、ボクが子どもたち1人ひとりそれぞれマックスの力が発揮された時の喜びを信じているから出来ること。

ただ、それはメソッド化出来るものではなく、
1人ひとりの違いを尊重し、子どもと対等の立場でコミュニケーションし続けることでしか得られないこと。
そうしたことが出来るよう、このセッションに関わる全ての大人(子どもを保護する立場にある者すべて)も、セッションを通して気づき、自分も含め共に学び、なによりこの時間を楽しんでもらう必要があります。
アートや芸術という、ともすれば「高尚」という言葉に押し込め、腕を組んで遠巻きに眺めてしまいがちなものこそ、
子どもたちと同じ高さの視線まで降りてきて、一緒に楽しんじゃうことで、世界はものすごすハッピーになるんよね。

大人がハッピーになれば、子どもはもっとハッピーになる。
そんな循環を前橋で生んでゆけたらいいな。

ところで、ちなみに、
馬場川通りには、昨年「ばばっかわ男」というアート作品が置かれました。

これは秋に開催される前橋国際芸術祭を先導されるJINSの田中仁さんが、太田市出身の彫刻家、尾花賢一さんに制作依頼したもの。
一見グロテスクな存在感の作品ですが、ボクはこれをとてもチャーミングだと思っています。
昨年このお披露目レセプションが大々的に行われて、ボクもいいカンジの大人たちに紛れて参加して、その制作談話など聞いて「うん、うん」なんてうなずいていました。
その様子はいろんなメデイアで紹介されもしていました。
今回のスケッチはその約1年後。

すると、子どもたちが「あれなんだ!」とば”ばっかわ男”を指差し盛り上がり、
さっそくスケッチしていました。
そうか、1年間子どもたちはこの作品をキャッチしていなかったんだ。

大人が見ているもの、子どもに見えているもの、見えていないもの。
なるほど、ボクが前橋でやるべきことのひとつは、こういうことだよな。

他のエリアを回った子どもたちは、
街中にいくつも設けられている銅像の中から、裸の2人の幼児が彫られた銅像を描いていました。

*縦構図の画用紙に小さく描かれてた絵を取り出してみました。
前橋は81年前の8月5日に米軍の空襲に遭い、市内の広範囲を消失しました。
街中で見かける女性や子ども、もしくは男子も、の立派な裸体像は、人の命の大切さを街のマインドに刻むために置かれているんだと想像します。

それにしても街中の銅像、女性のヌードが多いな。
空っ風吹き荒れる真冬に出会うと、温かな場所に移動させてやりたくなってしまう。
というのが最近のボクのちょっとモヤっとした感想。
そんなもやもやの対して、今回子供達が「裸の2人の幼児像」を選んで描くことで、
ひとつ答えを出してくれたのかも、と。

そんなこんなのこうしたセッションを、本年度前橋市のアートコミュニケーション・ディレクターという役職の元何度か重ねて行くんだけど、引き続き「子どもに与えるより、子どもから学ぶ」という考えの元、子どもたちの力をマックス引き出してゆけるよう尽力します。

さて、雨が降りそうだから帰って色を塗ろう!
すると、
子どもたち1人ひとりそれぞれが「今日気持ちいい」と思った色が、まさに『前橋色』なんよ!
それはどういう色かというと。
実はこのセッションの前に「もっと前橋を知っておきたい」と、
2月、5月、6月といろんな場所でアートセッションを開催してきたんよ。
2月道の駅まえばし赤城のSHOP CAFE Quでやったら、すごい綺麗な色が溢れてきたな〜と思って、

5月、「敷島。本の森」というイベントでやったら、やはり同様の色彩が溢れて。

6月頭に敷島のJINS PARKのイベントで呼ばれた時に確信。

日の光の強い群馬の前橋で育った子どもたちの色彩は、
鮮やかだけど強い光でハレーションを起こしたような色を使うな〜。
ということ。

三陸の沿岸部で子どもたちと絵を描けば、海の色がグッと濃い濃紺で表現される。
富山の山間のエリアで開催すると、山々が濃い緑で表現される。
熊本県で開催すると、カラフルな色彩に溢れた絵になる。
これはおおまかな傾向だけど、やはりその土地ならではの色彩ってあって、
前橋の場合、それは強い光でハレーションおこしたような鮮やかな色。

6月20日は、そんな前橋ハレーション色に、曇り空や雨粒の色が混じっていた。

これは、そのまま前橋の「まちなか」の色彩そのもの。
その色彩は、一時期の壊滅的な街の衰退による「強い日差しの中で放っておかれた色」とも言えるんだけど、
子どもたちはそんな色彩をキャッチし、ポジティブな表現として見せてくれた。

ボクはこれを美しいと思ったんよ。
今回参加してくれたみんなーー!
おめーらサイコーだぜ。
また遊ぼう!
イエイ

さて次回は8月26日、前橋の頂へ。
子どもたちと歩いてまた何か見つけられたいいな。









